四台目の無帰還アンプ作製 最終

 今年の7月初めに着手してから約2ヶ月掛けて、のんびりと楽しみながら作りました。

前面
 前面のアルミのパネルは、6mmのアルミ合金を紙やすりで形を整えて、ヘアーライン仕上げを行いました。
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仕様
ゲイン・・・・・・・・・・・:20dB
歪率(THD)・・・・・・:0.008%以下@1Wrms 1kHz
出力・・・・・・・・・・・・:10WPeak(Vcc17.3V)ノンクリップ
周波数特性・・・・・・:0Hz~300kHz(-3dB)
バイアス電流・・・・・:約200mA
ノイズ・・・・・・・・・・・:0.1mV(入力オープン)
ダンピングファクター:200以上
連続出力・・・・・・・・:1Wrms
負荷インピーダンス:8オーム
大きさ・・・・・・・・・・・:300(W)×200(D)×50(H)
全段平衡(差動増幅)

内部
 5mm厚の銅版をヒートシンクにしました。ベースとなるシャシーは、タカチ工業のYM-300です。
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背面
 全段平衡ですので、バランス入力(キャノン・コネクタ)のみです。電源スイッチは、ロック式のトグルスイッチです。
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肝心な音
 このアンプ特有の鮮度の高い音です。特に問題なく、酷暑の中で300時間の連続運転にも安定して動作しました。

製作した観想
 このアンプの作成にあたり、手作りアンプの会、I氏には、多大なる援助をいただきまして、完成させる事ができました。ありがとうございました。
 早速、前回作成したアンプとあわせて3WayのMidとHighに投入します。

四台目の無帰還アンプ作製 その2

無帰還アンプ完成の目処がつきました。

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 今回は、トランジスタのPNP/NPNの間違え、ワイヤー・フォーミング時にガラスチューブの破壊、トランジスタ(C1815)の熱破壊等のトラブルを起こしてしまいました。ハンダ付けは短時間で終える様に配慮したつもりですが、未だ時間が長すぎる様です。
 現時点は、電源を投入して36時間ですが、100時間連続ランニングを行い、問題が生じなければ、ファウンデーションを終わりとして、これからは、アルミ合金のフロント・パネルで化粧、電源のコンデンサーの容量増量、負荷試験を行い完成とします。今回も手作りアンプの会I氏にお世話になりまして、完成させる事が出来ました。

壊した部品
 写真の様に、汎用ダイオードのガラスチューブが、欠けています。取り付けるとき無理にフォーミングした様です。フェアチャイルド(Fairchild)の汎用ダイオードが弱いのか、取り付けるホールの間隔が狭いので、根元から鋭角に曲げたのが原因か不明です。
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三台目と四代目の違い
 今回の四台目は、BLOCK(独逸)製のトロイダルトランスの容量を30%アップして80VAとしました、それ以外は全く同じ仕様のままです。単純に60VAの入手に2ヶ月を要するので、短期に入手可能な物で代替しただけです。

肝心な音は?
 音を言葉で表すの難しいですが、一言で言えば、SNRが高くクリアーです。クリアーと言うと、高音の輪郭が際立って、キツイといた表現になりがちですが、過渡特性の良い艶があるクリアーと言ったところで、この様な感じの音を、鮮度が高いと良く言われます。人の声のソノリティ(sonority)が良いのも特徴です。

今後の予定
 果たして以下の目標値が得られているか、体力測定を行い実力の程を把握したいと思います。
  歪率(THD)・・・・・・:0.008%以下@1Wrms 1kHz
  出力・・・・・・・・・・・・:10WPeak(Vcc17.3V)ノンクリップ
  周波数特性・・・・・・:0Hz~300kHz(-3dB)
  ノイズ・・・・・・・・・・・:0.1mV(入力オープン)
  ダンピングファクター:200以上
 入力にポテンショメータが無く全段差動なので、O型平衡アッテネーターで、平衡出力DACの出力レベル0dBでのオプティマイズを行います。

四台目の無帰還アンプ作製 その1

 無帰還アンプを作成してる矢先に、Windows10への無償アップグレードの最終日が迫るというアナウンスが頻繁に表示され、ついつい無償期間の文言に踊らされて、アンプ作成を中断して、アップグレードに浮気しました。
 結果は、昔からの言い伝えどおり、「只より高いものは無い」と、玉砕状態で、Windows7に生還を果たしました。

アンプ作成の進捗状況
 PCBへの実装と検証を終えました、これから、ケーシングです。トランスもスイッチ、コネクタ類等、総てが揃っているので、後は時間の問題だけです。
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今回作成にあたり注意したこと
 前回は、ハンダ鏝をあて過ぎて、トランジスタ3個、ダイオード1個を熱で壊してしまいました、今回は、鏝をあてる時間を短くして仕上げるように注意しました。
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ハンダ付けの状態
 基板は、ディスクリート用なのですが、とても細かいです。部品を乗せる順番を間違えると、組み立て不能になる、立体テトリスを彷彿させる、難易度の高い基板ですが、写真の様に、比較的綺麗に出来たと思います。
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今回の仕様
 前回と同じ構成ですが、電源トランスを、18V/60VAから80VAに容量アップを行いました。その他の部品は全く同じです。

得たノウハウ
 今回は、ハンダ付けを終えて、フラックス除去にKUREパーツ・クリーナー840ml/500円を使いましたが、ハンダ面は綺麗になりましたが、部品搭載面が思ったほど綺麗になりませんでした。最終的には、サンハヤトのフラックス・クリーナーと綿棒を用いて仕上げました。やはり、フラックス・クリーナーの方が綺麗な仕上げになるようです。

四台目の無帰還アンプ作製 プロローグ

 手作りアンプの会のI氏監修の無帰還アンプの四台目作製に着手しました。
 三台目に作製した同無帰還アンプの音が、とても気に入り、更にもう一台作製します。電源電圧等、仕様は殆ど同一ですが、電源の容量を60VAから80VA程度に増加してみます。
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アンプの用途
 今回作製するアンプは、メインシステムの中音域に投入して、前回作製したアンプは高域に投入する予定です。これで、低音域はPWMのicePowerとして、中高音域は、この音の良い無帰還アンプとします。この方法により、アンプの特性とスピーカーの役割分担で、理想的と思える適材適所が実現します。これにより、クラウンのアンプはお払い箱として高いSNRの環境が出来上がります。
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         上記の赤い丸で囲まれたアンプが無帰還アンプです。

アンプによる音の相違
 巷では、アンプによる音の相違は無いので、アンプに投資するのは馬鹿げていると、仰る方が多々いますが、それはメーカー製の安全サイドに重点を置いた保護回路満載のアンプの事です。ICを多用してコモディティー化された日本のメーカー製アンプでは、どれを聴いてもたいした差は無いと思います。又、保護回路、保護装置が音を鈍化する大きな一つの要因だと思います。

RME firefaceのアップグレード
 始めにRMEのBabyfaceを購入して、その直ぐ後にfireface UCを購入してから随分経ちます、その間に、UCX、UFX、Babyface Proが発売されましたが、当初のBabyfaceはカタログ落ちして、それ以外の機器は、未だに商品ラインナップされており、日本の製品と異なり独逸製の機器はこれに限らずに息が長いです。そこで、現状機器のUCに飽きてきて、そろそろ新製品にアップグレードすべき頃かと思いまして、東京御茶ノ水の楽器屋さんを訪ねて各機器の音を試聴しました。聴いた機器は、UC、UCX、UFX、Babyface Proの四種類です。まず、聴いた感じでは、10万円前後の日本製のDACと比べると、どのメーカー製DACよりは遥かに再現力に優れており、音もピュアでフラットです。

聴いた感じ
 簡単に纏めると以下のとおりです。

 ・fireface UFX
  低域の感じがとても気持ちよくクリアーです、この音が
  スタンダードと言えると思います。

 ・fireface UCX
  UFXの音に近いですが、品位はUFXに全く及ばないです。
  特に、中域が持ち上がって聞えて倍音が美しくありません。
  特性的ではフラットなのですが、聴く音には現れ不思議です。
  又、IIRのイコライザーが出力チャンネル毎に有りますが、
  音は芳しくありません。

 ・fireface UC
  UFXに比べて上品ですが、力が無い感じです。

 ・babyface Pro
  音の出かたとしては、最上位機種のUFXに極めて近いです。
  既に、UC、UCXを完全に凌駕しています。

 ・旧babyface
  100Hz以下がダラさがりで低音に力がありません。
  今更、使うまでもありません。

 音の良さ:UFX>babyface Pro >UCX>旧babyface

購入するとしたら・・・
 若し、費用と設置スペースを無視して選ぶとしたら、UFXです。フルラック・サイズの余裕から電源、部品配置の余裕がもたらす作りの良さからか、他の機器とは音の出かたが全く異なります。スペースの関係でUCXを選びたいところですが、音を聴いた限りでは、最新のbabyface Proの方が優れていると思います。しかし残念ながらアナログアウトが最大4チャンネルなので選択対象にはなりません。firefaceのアップグレードは、ポストUCXが出るまで、UCを使い続けるのが良い様です。RMEのfirefaceシリーズ以外の選択は、ルビジウムクロックとワードシンクが出来て音が良い廉価な製品を探すと、現時点では一寸無い様です。又、DPC (Deferred Procedure Call:据え置きプロセス呼び出し)レイテンシーのハンドリングが正しく行われている、USBとドライバーを有するDACは、RME以外少ないですね。

三台目の無帰還アンプ作製 その8 エピローグ

 三台目の無帰還アンプの作製も最終となりました。
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 スーパー・エミッタ・フォロワを基調とした低歪のアンプは、アナログICをディスクリートで作ったような回路で、あまり見かけない回路で動作が解り難い点があります。全段BTLでクロスオーバー歪を最小とする工夫がされており、オールオーバーの負帰還を掛けなくても、充分に低歪のアンプに仕上げられています。
 バランス取りに、使用する10倍以上の半導体の中から、バランスの揃ったモノを厳選する必要が有り、極めて、個性的でわがままなアンプと言えます。受動部品、コネクタ等の入手と実装は容易でしたが、最終の調整は、高度な技術と環境を必要としますので、市販のアンプ、製作キットに無い難産さがありました。
 保護回路も、一般的な電磁によるリレーではなく、ホトMOSを使った無接点・メンテナンスフリーの高速保護回路となっています。半導体のリレーは、オーディオに向かないとの定説がありますが、今回、このアンプの音を聴くと、そのような都市伝説は、誤っていると思いました。そう言えば、Jeff Rowrand等は、icePower、HypexのD級アンプを用いていますが、総てホトMOSリレーで保護回路を構成されていますね。
 このアンプは、音も良く先進的なデザイン・フィロソフィーで出来ており、一生の宝物になりました。

体力測定の結果
ゲイン・・・・・・・・・・・:20dB
歪率(THD)・・・・・・:0.008%以下@1Wrms 1kHz
出力・・・・・・・・・・・・:10WPeak(Vcc17.3V)ノンクリップ
周波数特性・・・・・・:0Hz~300kHz(-3dB)
バイアス電流・・・・・:約200mA
ノイズ・・・・・・・・・・・:0.1mV(入力オープン)
ダンピングファクター:200以上
連続出力・・・・・・・・:1Wrms
負荷インピーダンス:8オーム
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フロントパネルの取り付け
 音が良ければ、気持ち良く最終工程のお化粧に入れます。
 6mm厚のジュラルミンパネルを入手して、サンドペーパーでヘアーライン加工を行いました。そして、防汚防食剤として、TOAインクララックを塗布しました。
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パネルのシャシーへの取付け
 当初螺子止めを想定してましたが、今回は、定番のスイスのチバ・ガイギー社(CIBA‐GEIGY AG)が開発したアラルダイトのゆっくり硬化タイプを用いて接着しました。
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パイロットLEDランプ
 パイロットランプとして、白色のLEDとしましたが、輝度が高すぎてパイロットランプとして不適切な為、敢て古い緑のLEDに交換して、落ち着いたデザインとなりました。

クーリングの穴
 10Wのアンプとしてアイドリング電流を200mA程流している為、適度に熱を帯びます。室温26℃状態で、通常時に聞かない様な大音量を出力すると、56℃になり、盛夏の室温が36℃の場合、66℃程の温度が想定されます。IEC規格では金属部が40℃、非金属部が60℃、の温度上昇値に定められています。このアンプの上昇値は30℃ですので全く問題ありません。
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プロジェクト
 一定の成果が得られたので、この無帰還アンプ・プロジェクトは、これにて一段落とします。 アンプの設計と、基板、部品の準備、調整を行っていただきました、K氏、I氏、O氏に感謝いたします。
 末永く大切に使用させていただきます。