SDカードトランスポート その3(ノイズ対策)

 ノイズの発生源を探ってみました。

 オーディオの基本であるノイズ対策を行う前に発生個所を探って、最適な対処を行う事を考えたいと思います。発生源を特定するにあたり、まともな測定器を持ち合わせていません。所持しているのは、テスターと20MHz二現象のパソコンオシロ(ピコスコープ)だけです。仕方が無いので、AMラジオと自分の聴力を頼りに行うことにしました。

探査方法
 探査なんて大げさな事では無く、放送周波数帯を避けたラジオを用意して、ノイズが生じていると思われる場所にバーアンテナを近づけるだけです。 受信周波数は、何も根拠が無く999kHzとしました。パルス、矩形波は高周波成分が含まれますので、適当な周波数で探ることが出来ます。
Radio.jpg

1.電源部分
Trans.jpg
 今回は、レガシーなトロイダルトランスで、全体的にノイズは、想定どおり低いです。トランスにアンテナを近づけると、少量のバズ音が聞こえる程度です。

2.電源のコンデンサー部分
Capaciter.jpg
 酷いですね。酸化アルミニウム箔をロール状に巻いている為にインダクタンスが生じて、ノイズが空中に散布している事が考えられます。鉛バッテリーの様に平板を並べた様なコンデンサーが存在すれば良いと思います。

3.安定化電源部分
Stabilizer.jpg
 テキサス製の低ノイズ安定化電源(TPS7A4700)付近を調べたところ、チップ付近からノイズが生じています。高周波では無さそうです。確かにノイズの電圧が、4.17μVrms(10Hz,100KHz)、リプル除去比82dB(100Hz)ですが、フリンジのCR部品からノイズが生じている可能性が有り、状況は好ましく無いようです。

4.電子電圧計
Volt_meter.jpg
 この電圧計(Shen Zhen Tekivi製)は最悪です。
高いレベルの高周波成分を含むノイズを撒き散らしています。
この電圧計は、絶対にオーディオ機器に使う事は出来ません。若し使うとしたら、スポット(スナップショット)で使うべきです。

5.レギュレータ部分
Power.jpg
 8.0Vの基本直流電源を作り、それを各パートの要求電圧である 5.0v 3.3v 2.5V 1.2V の電圧をレギュレータで作っています。
基本の8.0v系は5,500µ、各パート毎にを1,000µのOSコンをジャブキャブ使ったので、ノイズは極めて少ない様です。

6.フラット表示パネルとコントロール部分
Dispolay.jpg
もの凄く強いノイズです。
この表示装置と動作をコントロールする制御部分は、使わない方が良いです。
CDPで表示を停止して高音質を追求したした機種がありますが、今回の探索でその意義が解りました。表示と制御部分を使う時のみ電源を投入する方法も有りかと思います。試しに、動作中に電源のON/OFFを行いましたが、表示が崩れます。但し、制御機能は正常に動作します。

7.CPU周り
 この部分は、周波数が高すぎて、AMラジオでは探査できない様です。
 ノイズはそれ程大きくなく、ノイズ対策の順番からすると最後で良さそうです。

8.スマホを用いた場合のノイズ
 フラット表示パネルとコントロール部分を外して、LAN経由でスマホで選曲、制御を行った場合のノイズを調べました。
スマホからアクセス時、CPUの負荷が高くなり、ノイズまみれになる事を想定していましたが、豈図らず低ノイズです。選曲と制御を行わず曲をきいている時は、スマホでのコントロールする、この方法がノイズ対策上ベストと言えます。

今後の対策
 今回のノイズ調査で対策の方向付けが見えてきました。
 1.クリーンな電源を用意する。
 2.ノイズが生ずる事を行わない。
 あたりまえと言えばあたりまえの結果になりましたが、フラット表示パネルとコントロール部分を使わず、スマホ(パソコン)での制御を行う環境を整えたいと思います。
 余計なお世話ですが、他のSDカードトランスポートも表示の為のノイズが気になるところです。

SDカードトランスポート その2

  2016年1月の三土会に、このSDカードトランスポートを持って行き
耳の肥えてる会員の方々に評価していただく為に、電源を作製しました。
 もし評価をいただけたら、シャシーを作る予定です。ダメな場合は、夢の島に直行ですので、可燃性の板に組み上げました。
DSC00756.jpg

電源の構成
 電源は、スイッチングではなく、レガシーなトランス式としました。
 トランス: Nuvotem Talema製の7V/14VA
 整流ブリッジ: 新電元 ショットキーバリアダイオード D30XBN20
 平滑コンデンサ: ニチコン 33000μ/16V
 安定化回路: テキサス TPS7A4700
 電圧計: DER EE Electrical Instrument製 パネルメータ

DSC00748.jpg

組み上げた感想
 予定したDC9.5V/2Aが確保できたので、TPS7A4700で8Vに設定しましたが、安定化電源の性能が素晴らしく、電圧計を繋いで監視しても、8.14Vの表示から変化しないので、電圧計の意味を成しません。又、ノイズを測定しましたが、自前のオシロスコープでは、判別が出来ない程の低ノイズの電源が出来ました。

肝心な音質
 レガシーなEIトランス(非安定化)の電源と比べましたが、若干ながらTPS7A4700の方は音が小さて、スッキリしています。正直なところ、どちらも良くて解りません。
 スイッチング電源に変えたところ、想定はしていましたが、音場感が無く聞いていて疲れます。

今後の対策
 SDカードトランスポートの基板上の安定化電源をバイパスすると、差が解ると思いますが、基板上の安定化電源に任せた方が良いか、TPS7A4700を用いた純な直流を供給すべきか悩ましい問題です。
 S/PDIF(TOSLINK)のトランスミッター、電圧計とかLEDのパイロットランプを多用していますが、ノイズの観点から無い方が良さそうなので、TOSLINKのLEDを含めてヌル化する予定です。
 又、スマホからメニューを切り替えたり、曲の演奏状況を表示すると、SDカードトランスポートの負荷が高くなり、電源電圧が10mv程度変化する事が判りました。音質に影響するか否か調べたいと思います。

SDカードトランスポート

SDカードトランスポートの基板を入手しました
 i2S出力、DSD、ハイサンプリングの再生が出来て、リモコン、スマホからの遠隔操作が可能です。再生可能なフォーマットとして、WAV、APE,DSF/DFF、MP3に加えてFLACの再生が可能である事が、最大の選択理由です。
DSC00723.jpg
 現在、販売されているプレーヤーとして、高額な携帯プレーヤーを除き、据え置き型のトランスポートとして、FLACが再生出来る物は極めて少ないのが現状です。入手したトランスポートより、遥かに実績が有り高音質なSDTrans384という名機がありますが、上代で60,000円もします。それなのに残念な事にFLACの再生が出来ません。
 異論が有ると思いますが、FLACのタグによる恩恵を否定してまで、WAVの音質の優位性を尊ぶ程のオーディオ・ファイルでは無いので、FLACが再生できないプレーヤーは当初から選択の範囲外としました。

操作性
 入手した、SDカード・トランスポートは、本体と着脱可能なカラー・ディスプレーパネル、リモコン、スマホからの操作が出来て、かなり廉価です。又、デジタル出力は、AES/EBU、S/PDIF(Coaxal、Optical)、I2S(ピンヘッダ)と多彩です。背後にスマホでコントロールするためのLANポートが見えます。メモリーの最大容量は、SDXC(128GB.)まで再生可能です。
DSC00724.jpg

リモコンのコマンダー
 リモコンです、Apple Remortの様で割と良いデザインです。
DSC00733.jpg

スマホ(iPOD)からのコントロール
 以下の様に、必要最小限の機能ですが、とても反応が早く単純で使いやすいです。

フォルダーの表示画面
DSC00734.jpg

曲目毎の表示
 表示項目は、曲名(日本語も可)、演奏時間、カレントの時間、バーグラフ、属性(サンプリングレート、ビット深度)を表示します。
DSC00746.jpg

入手して感じた事
 電解コンデンサーの総てが、チープなルビコンのYXF(台湾製)です。精神衛生上宜しくないので、総てのルビコンを、導電性高分子固体電解コンデンサ(OS-CON)に換装しました。
 可愛そうに・・何の落ち度も無いのに廃棄処分される短命の電解コンデンサーたち、OSコンにすると不思議に高級感が出ます。肝心な音も高級感が出れば良いのですが・・・
DSC00714.jpg

電源の準備
 現在は、9V/0.9AのEI型のトランス(非安定化)を用いて音出しを行いましたが、早い内に、トロイダル・トランス、SBD、テキサスのTPS7A4700を用いた安定化電源を工築する予定です。

肝心な音
 8時間ほど聴いた範囲では、初めて携帯プレーヤーを聞いた時の様な違和感が無く、なかなか聴き易く良いようです。
 コンデンサーを換装して化成皮膜が落ち着ついて、電源を充実すれば、其れなりに良くなりそうな気がします。
 端的に言うと CDPより良い音がする と言えます。

次のステップ
 このトランスポートとi2Sで接続するDACを入手したいと思います。
 それまでは、DACとしてfireface、DCX2496を用いて楽しんでみたいと思います。又、落ち着いたら、ルビジウム・クロック(24.576mhz)を取り込む改造にチャレンジしたいと思います。
 昨年の秋からヒットが無く、散財を続けてましたが、久し振りのヒットになり、今年は新春早々縁起が良さそうです。

メモリープレーヤーを購入して悲しくなった話

 今までメモリープレーヤーは、性悪説のATRACに力を注いだS社を止めて、MP3/AACのiPODを愛用していました。無帰還アンプを少しでも良い音で再生出来ないかと、ささやかな思いで、久し振りにS社のハイレゾ対応メモリープレーヤーを購入しました。そのプレーヤーは、JAS(日本オーディオ協会)が定義するところの「ハイレゾ:Hi-res」の音源を録音/再生が売りのメモリープレーヤーです。

XDSC00577.jpg

 メモリープレーヤーからの音声出力は、レガシー・オーディオに向かないヘッドホン出力(ミニプラグ出力)とWM-PORT接続によるデジタル出力があります。
 WM-PORTには、アナログの出力のピンアサインが有るのですが、そこからアナログ出力する純正のケーブルをS社は製品化していません。これはS社のメモリープレーヤーとアンプと繋ぐ場合はS社のデジタルアンプとしか接続できない意図的な商品体系になっている様です。
 ミニプラグからのLine録音は可能ですが、ミニプラグへのLine出力は、やって欲しくない商品体系の様ですね。

WM-PORTからアナログ出力するミニプラグケーブル
XDSC00579.jpg

WM-PORT ピンアサイン
台形(D型コネクター)で、端子が横一列に並んでいる。端子には長いものと短いものがある。
01: L: GND
02: S:
03: S: USB data +
04: S: USB data −
05: L: USB GND
06: L:
07: L: USB 5V input / 90mA slow charge
08: S: serial input (RxD) / WAKE
09: S: function-check [←Rx→01,22pin(GND)]
10: S: serial output (TxD) / SLEEP
11: S: USB-connect (07pin(+5V)) / slow charge only (open)
12: L: 4V-output
13: S: audio-left-input
14: S: audio-left-output
15: L: audio-GND
16: S: audio-right-input
17: S: audio-right-output
18: L: VIDEO-GND/GND
19: S: VIDEO_IN/OUT/OPEN
20: S: 5V-input; fast charge
21: S: DIGITAL_OUT/OPEN
22: L: GND

9番ピンの抵抗
 録音用ケーブルは9番ピンから抵抗Rx=220kΩを介して1番&22番ピン(GND)に接続されている。
 この抵抗値を判断し、ポートの種類を判別している。
 
 そこで、上記のピン番号14: audio-left-output、17:audio-right-outputからLine信号を取り出して、無帰還アンプに繋ぐRCAケーブルの入手を考えました。WM-PORTのコネクタ部分は350円で廉価に購入可能なので、自作も考えましたがWM-PORTアナログ出力(ミニプラグ)ケーブルの完成品が上代980円で入手できましました。

使用感
 早速、はやる気持ちを抑えてメモリープレーヤーにWM-PORTアナログ出力ケーブルを接続して再生してみました。
 しかし何か凄く変です、音は出るのですが、音が小さいです。
 ヘッドホンアンプをバイパスして出力するので、多少音が小さくなる事は覚悟していましたが、ここまで小さいとは思いませんでした。

肝心な音
 ヘッドホン出力より遥かに良い音を期待したのですが、アナログ出力には、何らかのフィルターが掛かっていて、つまらない音です。ヘッドホン出力の場合は、自社製ヘッドフォンに特化したイコライザーで脚色している様に思えます。又、S社以外のヘッドフォンで聴くとLine出力と同様に音が冴えません。
 一般的にヘッドフォンのグラウンドはケーブルの途中で抵抗で適度にマージして、左右に音が分かれ過ぎない様に工夫されています。この抵抗値とヘッドフォンアンプの特性がオプティマイズされているので、当然の事ながら純正のヘッドフォンがメーカーの思うところの「最適」である事が想像できます。

Line出力
 1kHz(0dBv)の信号のデータ再生して、オシロで電圧を見たところ、Line出力のレベルが100mVp-pしかありません。
 とても悲しいです、作製した無帰還アンプは、0dBvで30W/CH.のフル出力が得られる様に作られています。
 今更安定稼動している無帰還アンプをメモリープレーヤーに合わせて増幅率をアップする改造を行う愚かなことはしたくないです。
 しかし、Line出力の周波数特性が変なので、これから、192kHz/24bitの環境で20Hzから96kHzの正弦波と矩形波を再生してハイレゾ対応のメモリープレーヤーがまともな特性であるかを調べてみました。
 最近目にする「ハイレソ対応スピーカー」とか、「RCAケーブル」の様に「なんちゃってハイレソ」でない事を願うばかりです。

20kHzの正弦波
 先ずは20kHzの正弦波はどうでしょうか、一応可聴帯域の上限です。
20KSin.jpg
何か、カタガタで正弦波では無いようです。それに高周波のノイズが乗っかっています。

20kHzの矩形波は・・・
20KSQ.jpg
 矩形波は・・・ハイレゾの20kHzですが、これで良いのでしょうか?
 これ以上調べても無駄ですね。
 
ハイレゾとは?
 JAS(日本オーディオ協会)では、「アンプ高域再生性能: 40kHz以上が可能であること」を条件としていますが、 40kHzの正弦波を再生すると、オシロの時間軸の同期が掛からない程に乱れています、これでも一応再生出来ているので、ハイレゾ機器なのですね。
 潔く諦めて、CDを用意する事とします。

Fostex製メモリーレコーダUR-2

 Fostex製のステレオ ラック メモリーレコーダUR-2を入手しました。 
 外観は、業務用のラックマウントタイプです。入出力はアンバランスのRCAと、キャノン(平衡)、デジタルはAES/EBUで業務用のインターフェースです。
478C6167.jpg

なんか変です
 町田のオフ会に持ち込み、音を聴いてみましたが、何か変です。全く低音が出ないで、スカスカな音です。例えて言えば、平衡から不平衡に変換する時、リターン(コールド)をシールドに落とし忘れた様な音です。

なんちゃってバランス
 後で解った事ですが、何と、推奨平衡出力インピーダンスが、10kオーム以上との事です。今回接続した、パワーアンプの入力インピーダンスは、平衡接続を前提に600オームで設計しており、過負荷の状態になっていました。この状態は、俗に言われる「なんちゃってバランス」によるインピーダンス・ミスマッチですね。

業務機の顔をした民生機
 これは、「業務機の皮をまとった民生機」です。
 このレコーダーより遥かに、廉価なチャンネルデバイダーのDCX2496でさえ、出力インピーダンスは160オームです。

プログラムの異常終了
 町田のオフ会を終えて、帰宅後にてCDをリッピングしたWAVファイルを再生してみましたが、何か変です。
 プログラムが異常終了して、ACコンセントを抜いて電源の再投入を行わないと、リセットされない状況が頻発します。

止まった有機ELディスプレー
478C6162.jpg

電源の構造
 AC100Vをスイッチング電源でDC15Vとして、本体に供給後、その15Vを基に更にDCDCコンバータでアナログ用とデジタル用に電源を作り出しています。
 内部の構造は、スイッチング電源をケースで囲む等、ノイズに対して、特に遮蔽が行われている様子も無く、かなりラフな設計です。オシロスコープで見ると、アナログ信号にかなりのスイッチングノイズが重畳しています。
 フォステクスのフルレンジで聴くと高音が出てよいかも・・・
 でも何で? ん~Fostexですから