Soekris dam1021 のビルドその5

 Soekris dam1021 DACの製作もそろそろ最終にして、ケーシングを行い次のアンプ作製プロジェクトに移りたいと思います。その前に、汎用性を高める為に、USBのDAIを設けることと、ディップタイマーによるアナログ信号出力の遅延を行う必要があります。

USBインターフェース
 USBのDAIとして、イタリア製のamamero combo384を入手して、dam1021のi2sに接続する方法がありますが、ノイズ対策を優先すると、DACと同じ筐体に、DAIを入れるのは、如何なものかと思います。
 amamero combo384には、ザイリンクス(XILINX)のFPGAとATMELのRISCチップが搭載され96mHzのスピードで動作して、盛大なノイズを撒き散らしています。MEC製(中国)の廉価なTCXO発振器がついており、見るからに取付ける前から音の悪さが想像できます。現在、hdmi(LVDS)のインターフェースが既に有るので、USB2hdmi(LVDS)の変換Boxを作り、パソコンを音源とした時のみ使用する方が、良い様な気がします。若しamamero combo384をDACと同じ筐体に入れる場合、amamero combo384自体を、肉厚のケーシングが必要かと思います。ケーブルからのノイズを気にされる方が多いですが、チップとその周辺のノイズはケーブル以上に大きいと思います。必要最小限の構成がベストかと思います。 
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 この基板は上代12,600円ですが、中華製で電源強化版が3,000円弱、そっくりさんのパチモンは2,000円程度で売られていますが、今回は安全をみて、正規品を入手しました。まあ正規品でもラズベリーパイが5,000円で入手出来る現状で、部品の品質からして、3,000円でも高いとはおもいますが・・・

USBの取り付け穴
 USBの取り付ける穴は、B型なので10mm四方の穴を空ければ良いのですが、信頼性が低く美しくありません。又、hdmiの取り付け穴空けは、美麗さに拘ると、素人には空けるのが困難なので、USB同様に、ノイトリックのコネクタを用います。
ノイトリック
 左がUSB用(Aのコネクタが見えますが、AとBがリバーシブルです)、右がHDMIコネクタで、特に斜めの加工が必要で、自分で穴あけをすると、高い確率で失敗します。

ディップタイマー
 DACの電源を入れる順番を誤ると、DCオフセットが出て、DCアンプの場合、スピーカー(トゥーイータ等)をとばす危険性が有ります。基本的にはオーディオ機器の出力は、電源の投入時は、遅延処理を行い、次に繋がる機器の保護を行うのが、マナーというか、当然の事ですので、何より保護回路の組み込みが最優先と考えます。
 今回遅延させる回路は、バッファー出力のバランスと、RAW出力のSE回路、合計六接点の遅延が必要です。
 NE555等を用いて、タイマーを作る事は可能ですが、リレーのチャタリングの防止等を考えると、完成品の方が硬いので、オムロン製のディップタイマー(H3FA-B)とG6S2を入手して組み込むこととしました。
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左がオムロン製ディップタイマー、右がオムロン製5V2回路の汎用リレーです。

 来週末から梅雨に入りますので、室内でのんびりと工作を勤しむ予定です。

Soekris dam1021 のビルドその4

マルチビットDACの試聴会を行いました
 マルチビットは、Takeさん所有のMSB製、ケンさんが抵抗の選別から作製されたマルチビットとSoren Kristensen設計のdam1021(旧モデル)と今回動作した、dam1021(新)です。トランスポータとは、i2sで接続して比較しました。
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上から順番に、dam1021(新)、電源、dam1021(旧)、完全ディスクリートDAC、ここから見えないMSB
 MSBのH.P.はここ

肝心な音質
 マルチビットDACに共通する点は、極めて自然な音で、低音の分解能が高く、アタック感に優れている点です。
 どのマルチビットも電源が強化されて、ノイズ対策が程度の差があれ正しく行われているので、メーカー製(MSB)に肉薄する音質です。強いて言えば、dam1021(新)の電源対策に未だ改良の余地有りと言った所です。
 特に今回は、dam1021(新)のR-2Rのダイレクト(RAW)を電流駆動プリアンプ(I/Vアンプ)で聞いたところ、自画自賛で決まり悪いのですが、こんなに廉価なDACで良い音が許されて良いのだろうか?と言った感じです。今回聴いた、マルチビットのDACは、どれも高いレベルでの競演です。マルチビットの音に馴れしまうと、シングルビットには戻れなくなります。
 
電圧駆動VS電流駆動アンプ
 電流駆動アンプは、以下の長所があるとのことです。
 ・電流がより正確に増幅できる
 ・高周波まで増幅できる
 ・出力雑音が小さい
 ・直流ドリフトが少ない

マルチビットDACの特徴
 マルチビットとシングルビットの音を聴き比べる機会が皆無に等しいため、その差を知っている人は少ないと言えます。
 最大の特徴は、マルチビットDACとシングルビットDACの音を冷静に比較すると、現時点では、キッパリ言って、マルチビットの音の方が圧倒的に優れていると思います。シングルビットDACの音は作られすぎて不自然で、恐らくコンシュマーモデルとしてESS社のES9018体系の音がデファクト・スタンダード化している事が災いしていると思います。
・カレントセグメントでの量子化ステップのアナログ出力レベルを電流値としてダイレクトにRAW出力する。
 電流出力なので電流アンプで受けると理想的な伝送が可能となる。
・ノイズは受動部品の熱雑音レベルで、シングルビットの様にΔΣのノイズで高域が汚れない。
・ワンビットでのLPF処理は、PDMあるいはPWM変調された信号をSCF(Switched Capacitor Filter)で、アナログ信号に変換することによりキャパシタに電荷をチャージし伝送する。Charge pumpで電荷が蓄積されるまで時間の遅れが生ずる。
・部品の点数が多く製造工程が大掛かりとなる。
・精度の高い部品を揃える必要が有り、又、その精度が歪率特性に直結する。
・上記理由により、製造コストが高くなる。
 
今後の対策
 電源のノイズ対策と低インピーダンス化が未だ不足している様に思えます。ケーシングについては、アルミ合金で作りたい所ですが、電源のシールドを意識したモジュール化を行い、その後に設計を行う予定です。
 外部機器とのコネクティビティーについては、USB接続をISO7640FMでアイソレートを行った上で、設けたいと思います。

USBのDDC
 32bit I2S DSD出力オーディオDDボードとして、Amanero Combo384のオリジナルとするか、電源強化されて廉価なパチモンとするか思案中です。

Soekris dam1021 のビルドその3

Soekris dam1021の動作確認
 マルチビットDACの試運転も佳境に入り機器、音質とも安定期に入りました。
 HDMI(LVDS)によるi2sのフックアップも終えて、連続運転を行ってもトラブルは皆無で正しく評価出来るフェーズに入ることができました。
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 ラダー抵抗の集合分部に簡単な防塵用のカバーを設けました。

仕様概要
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 音質面で明確なった点は、R-2Rからのダイレクト・シングルエンド(RAWデータ)より、バッファーアウトされたシングルエンドの方が、インピーダンスが低く、低域の音が美しく感じます。ダイレクト(RAW)の電流出力は、何らかのバッファー(I/V変換)を付加して、音の変化を楽しむか、電流入力のフロントエンドを持つアンプに接続するなどのバリエーションが、楽しめる仕様です。
 出力ゲイン調整用のポテンショメータをつける事によりデジタル・ボリュームが作動しますが、今回は、操作性と音質を優先して、デジタル分部での情報落ちを避ける為にボリューム無しの方法をとり、0dB/2Vrmsの出力となっています。しかし、このボリューム無しの方法は、一寸ゲインが高く、ハイゲインの時に音の歪を感じますので、今後の課題として、先の楽しみに取って置きます。
 今回採用したTI製のTPS7A4700安定化電源で、唯一気に入らない点として、出力のインピーダンスが高いことです。それを補うべく、880μのタンタルコンデンサーを追加しました。これにより低域の分解能が向上しました。
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マルチビットDACとシングルビットDACについ
 DACには、古くは積分型とかがありましたが、現在はシングルビット型とマルチビット型に区分されます。シングルビット型は、普及機から高級機まで幅広く採用されており、それを並列に繋いだり、クロックを高確度にして、何とか商品の差別化を図っています。それに対してマルチビット型は、超高級機か、自作しか存在せず、極めてニッチな世界と言えます。
 シングルビット型、マルチビット型の動作原理については、それ専用のコンテンツを参照した方が、正確ですので触れない事とします。

音の特徴
 可聴帯域内の特性にはそれほど大きな差はありませんが、シングルビットDACではマルチビットDACに比べてデコードの方式から帯域外ノイズが非常に多くその為に強力なローパスフィルターが必須あり、そのフィルターの出来不出来により音質が大きく異なります。
 強力なローパスフィルターにより損なれた可聴外広域を意識的に補い、エコー感が不自然に感ずるのが、シングルビット方式の特徴と言えると思います。

メリット・デメリット
 マルチビットは、変換の直線性を保つのが難しく誤差を生じやすいと言えます。そのうえラダー型の抵抗の精度でリニアリティーが決定されてしまうため、大量の抵抗からマルチビットDACの商品グレードに相応しい抵抗を選別する力作業があります。
 同様にDAC-ICを量産するという意味では、抵抗の精度を得る為に、抵抗をレーザーによりトリミングの調整を要します。生産コスト的に難しい部分があり、その為に製品が割高になってしまう傾向にあります。
 サンプリングで、処理サイクル毎にその瞬間の電圧や電流を表現可能で、時間的なズレが発生しないので、アタック音などが明確であり、トランジェントの良い音の表現が構造的に可能となります。音に力があり厚いと感じるのがマルチビットDACの特徴であり優位点といえます。
 対する方やシングルビット方式は、⊿Σ変調(ノイズ・シェーピング)により1と0からなるPWM(パルス幅変調)もしくは、PDM(パルス密度変調)に変換しているので静特性において誤差が少なく直線性が良いと言えます。量子化で発生する誤差の蓄積を次のサンプリングへと加算して、その積み重なった誤差が量子化器の敷居を超えた時に初めて出力へと現れるという原理から、どうしても遅延が発生する事は避けられません。やはりシングルビットDACは、エコー感、量子化の遅延から不自然な音に聞えるのは当然で、マルチビットは価格面のみにデメリットがあるものの、抵抗の精度が確保出来れば、理論的には理想的な訳です。一寸言い過ぎですが、シングルビットDACはマスプロ化の為の妥協の産物と言えなくも無いです。

今後の予定
 出力ゲイン調整用のポテンショメータは、Cカーブ又はBカーブを要求しており、設計ミスの様に思えます。又、音質も好ましくありません、ファームウェアーの更新で解決する事を期待します。基本的に不要と思われます。
 近日中に、DACの音を正しく評価出来る環境にて、一世代古いSoekris dam1021、MSB、ES9018S、ES9018K2M、AK4399、上野式ラダー型のヒアリングテストを行う予定です。
 ところで、このDACの名称が "Soekri" とありますが、設計者のデンマーク人 Soren Kristensen からきているのですね。

Soekris dam1021 のビルドその2

Soekris dam1021 の音出し
 一寸苦労しましたが、無事に音が出せました。
 完成基板なので、容易に音出しが出来ると高を括っていましたが、
思わぬ落とし穴にはまり、結線ミスに気づくまで、三日程費やしました。

製作上での考慮点
 今回は、電源トランスと本体PCBを可能な限り隔離することと、電源の低ノイズ化と安定化を可能な限り施しました。結果、素人用オシロで測定不能な程の低ノイズ電源ができましたが、電源の占めるスペースが本体PCBより広大になってしまいました。
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肝心な音
 高級なオペアンプ(LME49724)を出力のバッファーに使って平衡と不平衡の出力を可能としていますが、それを通す前のRAW出力が可能です。
 バッファーを通す前のRAW出力は、SEで1.4Vと低めです、それと比べて、バッファー出力は、低インピーダンスで2.0V(平衡4.0V)を有します。
 RAW出力は、当然ながら極めて鮮度が高く、今後一週間程の稼動で良化する事が期待できます。それと比較して、バッファー出力は力強い音がしますが、一寸煩く感じます、これも今後良化する可能性を秘めています。
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Soekris dam1021のフリンジ商品
 dam1021DACの操作性向上を優先して、音を悪くするサードパーティーのフリンジ商品が発売されています。
 Input, switch and output muting modulesはここ
 https://drive.google.com/file/d/0B5yzwtQVo5opRFhpNURQdERnRnM/view
 入力セレクター、ポテンションメータ、S/PDIFレシーバーのセットに加えて Raspberry Pi による制御が可能です。
 これでは、ノイズの塊であるスイッチング電源を多用したRaspberry Piを使い、マルチビットDACのメリットを無くす駄目なセットと言えます。
 
このDACのお勧め度
 ハッキリ言って、このDACはコアな商品で、入手から稼動まで大変な労力と根性を要します。今後の可能性は未知数ですので、得られたメリットと比較して、手放しでお勧めできません。入手して、二電源を繋ぐのみでは、良い音が得られませんので、個人的にはお勧めしかねます。ES9018Sを用いたDACの入手をお勧めします。

今後の予定
 今回は、一番音の悪いと思われるS/PDIF接続での試聴すが、明日からは、i2s、LVDS(HDMI)接続の試験を行う予定です。

Soekris dam1021 のビルドその1

Soekris dam1021 のビルド

 このDACの設計者である Soren Kristensen の製作記事を見ると、パワーラインのコンデンサーを増量した方が、フィルター効果が改善されて特性上好ましいと記載されています。音出しを行ってない現時点での容量追加は、可逆性を優先した改善を行う必要があるので、各機能別の電圧チェック端子にコンデンサーを追加する方法で行う事としました。
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 電圧チェック端子には、デジタル+1.2V、+3.3V、+-5V、アナログ+-12V の6電源が、アナログの電源から、DCDCコンバーターで各電圧を作り上げられています。この方法は、このDACで唯一気に入らない部分です。表面実装されている電解コンデンサーも大した物で無い事が解っているので、写真の様に大容量の導電性高分子アルミ固体電解コンデンサを追加する事にしました。
VOL.jpg

製作の進み具合
 主電源の準備ができたので、部品の取り付けと、i2s入力の準備を始めました。今回もバラックで組み立てる事としました。

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左から、入力:LVDS(i2s)、S/PDIF、
出力(R/L):R-2R Direct SE、Buffered balanced(XLS)、ヒューズ、電源
 
i2s入力
 LVDS(i2s)入力と、TTLレベルの入力を切り替えて使える様に工夫しました、又、LVDS用に3.3Vのアイソレートされた安定化電源を設けました(黄色い基板)。

今後の予定
 当初、簡単に組み上げられると思ってましたが、手持ちの部品の準備、金属加工等、結構てこずりました。
 この先は、インターコネクト中心の加工で、今月末には当初目標の組み立てが終わる予定です。