ラスベリーパイ その11 音質良化

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 最近入手しましたRaspberry Pi B (左)とRaspberry Pi 2 Model B(以下 2 B) (右)専用S/PDIF基板です。
 何れも大陸製で、ともに送料を含めて、鬼の様に廉価な2,000円です。この価格は秋月で部品を調達しても、この価格での実現は不能です。まして秋月までの交通費を加えたら、逆立ちしても無理です。オリジナルはHiFiBerryで、そのパチモンですが、オリジナルより高機能で、赤外線リモコン機能が付いていて、オプションのパルストランスも標準装備です。名前は「パイファイデジ+」という可笑しな名前でが、なかなかの優れものです。恐らくHiFiBerryのOEM先が直販を行ってしまう、中国、韓国に良くあるケースです。  
 早速volumioというMPDで音を聞き比べてみました。S/PDIFからAES/EBUに変換後、DCX2496にデジタル入力して聞きましたが、明らかに、Raspberry Pi Bの方がSNRが高く静かです。

 その差の原因はRaspberry Pi電源の違いに寄るところが大きいと思われます。Raspberry Pi Bは、LDOによるドロッパー電源です、それに比べRaspberry Pi 2 Bは、効率を追求してスイッチング電源で構成されて、EMIノイズ塗れが原因と推測されます。スイッチング電源の周波数は、4.55MHzであり、そのノイズが基板の全体に拡散されています。オーディオとして、Raspberry Piを採用するなら、取り敢えず、古いRaspberry Pi Bの方が好ましいと断定できます。しかし、このスイッチング電源を無効化して、外付けで、5V 3.3V 1.8Vの電源を供給して、追加のS/PDIF用の5Vとアイソレートすれば、かなり良化する事が見込まれます。しかし、マルチコアーのCPUインターラプトが音質面に悪影響する可能性がり、現時点ではなんとも解りかねます。volumioがマルチコアー用にロジックをマイグレーションしたとは聴いていません。例えば、音楽再生用の専用コアーとか、html処理専用コアーをアサインするとか、出来ると思うのですが・・・
 今、電源を改造して、そこまで頑張るか、古いRaspberry Pi Bで我慢するかが、悩むところですが、今回は、あっさりと、Raspberry Pi Bでいくことにしました。高性能、高ノイズのRaspberry Pi 2 B は、「Raspberry pi 2 のHDMI出力でマルチアンプ」を計画している友人の天川さんのプロジェクトのラズパイ・チャンデバに投入する事とします。

天の川オーディオ研究室
Raspberry pi 2 Digital Crossover and 8ch LPCM form HDMI
 
 アナログ・デバイセズのSHARC®プロセッサを凌駕して世界で最高性能のFIRフィルターのチャンデバが出現する可能性を秘めています。何れ、ラズパイによるチャンデバをログしたいと思います。

アナログ・デバイセズのSHARC®プロセッサ
べリンガーDCX2496(ADSP-21065)、アキュフェーズのDF-55(ADSP-21363)、DEQXなどに使われている、フィルター用のDSP

左側のアクリル製名刺ケースは東急ハンズで上代200円です。強調文肉厚が4mm程あり丈夫で、加工に失敗しても気になりません。
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ラスベリーパイ その10 安定稼動への道

 Raspberry Piの安定稼動への近道は、熱対策と不要不急なソフトの更新を止める事に尽きると思います。
 Raspberry Pi Bは、CPUに700MHzのARM1176JZF-Sプロセッサを搭載して、ヒートシンク等の特別な熱対策が施されていません。
 Raspberry Pi Bは700mA(3.5W)の消費電力で、積極的に熱を発す部分として、CPU、LAN9512コントローラ、LDOレギュレーターがあります。
 特にレギュレータは、micriUSB TypeBから供給される5Vをデジタル系にLDOにより1.8Vと3.3Vを供給しています。
 そこで、 動作中の主要部品の温度を調べてました。
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 Raspberry Pi の CPU 温度は、ログイン後下記のコマンドで調べる事が可能です。
 コマンドライン:# cat /sys/class/thermal/thermal_zone0/temp
 レスポンス   $ cat /sys/class/thermal/thermal_zone0/temp
          47338 
上記は、47℃という事です。 少数部は千分の一ですが、プリシジョンとしては如何なものかと・・・・

 最大の発熱個所は、レギュレータ部分で、ここでは、5V-1.8V×電流分-3.3V×電流分の熱損失が生じます。
 そこで、Raspberry Pi用のヒートシンクと称したニッチな商品が存在します。
  大13x13mm程度:CPU用と、小9x9mm程度:LANコントローラ用で上代で200円程度で、千石電商二階で入手して、シリコングリスを塗布した後、押さえつけて、その効果とやらを測定してみました。
 測定した結果、このヒート・シンクによる効果は、お呪い程度で、無しのときの温度から-1℃から-2℃程度の降下で、全く意味がありません。
 レスポンス   $ cat /sys/class/thermal/thermal_zone0/temp
          46538
 46℃に僅かながら降下していることが解りました。

 まして、プラスチックのケースに入れて蓋をしては、エアーフローが確保できません。
 ファンで冷却すれば、ヒートシンクの其れなりの効果は期待できると思います。

 ところが、それより、指で触れないほど熱い部品があります、それは無線LANのドングルです。この温度は尋常ではありません。

 そこで、以下の対策をとってみました。
 1.無線LANから有線LANに切り替える。
   (放熱と消費電力3Wの削減を目指す)
 2.消費電力の少ない無線LANのドングルに変更する。
   (放熱と消費電力1.7W~2.5Wの削減)
 3.無線LANをUSBケーブル(延長ケーブル)で本体から離す。
   (熱源の分散による放熱効果の期待)

 やはり、一番優れているのは有線LANとすることです。しかし、設置するロケーションの問題があるので、2番のドングルを交換する方法も中々良いと思います。
 ドングルの中には、多少通信速度が遅いものの、消費電力が少なく、又通信状況に応じてダイナミックに消費電力が変化する優れ物がありますので、選定には注意が必要です。

 左は良く見かけるB社製のドングルで消費電力が3Wです、それと比べて右側のドングルは、P社製で最大で1.7W(待機時は0.5W)の省エネです。
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 現在は、1と2を並行して実施していますが、発熱対策後は、極めて安定して動作し続けています。
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 次回は、音質良化の道として、Raspberry Pi B 2.0との音質の相違について纏めてみます。

ラスベリーパイ その9 Raspberry Pi 2 と ES9023

 最新機種のRaspberry Pi 2 Model B SBC Ver1.1.とES9023を用いてMPDを作製する事にしました。
 Raspberry Pi 2 Model Bは、昨年作製したシングルコアベースの旧モデルから最大で6倍のスループットが得られる クワッドコアのCortex-A7プロセッサに1GBのRAM(Random Access Memory)を搭載しています。
 旧モデルのRaspberry Pi Type Bでは、CPUのパワー不足からDSDの再生が出来ませんでしたが、今度は十分期待できます。
 左が、Raspberry Pi 2 Model B SBC Ver1.1 右が、岩野さん設計のDACです。
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 従前プロジェクトのMPDは、バーブラウンPCM5102Aの組み合わせで、良い音のネットワーク・プレーヤーとして、半年間以上に渡り連続運転で、何事も無く安定して稼動しています。
 今度、新MPDに用いるDACチップはESS Technology, Inc.製で、かなり定評の高いDACで、上位のES9018に採用されている、Time domain Jitter Eliminatorが採用されている廉価版です。
 Raspberry PiはGPIOにDAC用のMCLKが供給されませんが、その対策として以下の三方式の選択が可能な仕組みのPCBです。
 (1)Raspberry Piの内部クロックからソフトでMCLKを生成する。※1
 (2)49.152MHzの水晶発信器でMCLKを打ち直す。
 (3)BCLK信号をICS570(PLL)で逓倍してMCLKとする。

※1ほーりーさんの日記
  Volumio で無理やり I2S MCLK を出力してみる

 今回は、迷わず水晶発信器でクロックを作製する方法を選びました。
 三土会で上記三種類を聴き比べましたが水晶発信器で非同期の方法の音が優れている様に思えました。
 特に低音の音の濁りが無くスッキリして好みの音でした。
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 新DACでは、Raspberry PiとDACの電源がアイソレートされている素晴らしい設計ですので、それを生かす意味でローノイズ、低雑音、高速応答の高品位電源(Raspberry Pi とDAC用に2チャンネルの5V)を作製する予定です。又、ケーシングも一寸凝って、厚手のアルミ合金で作製してみたいと思います。

 更なる改善策として、音源のサンプリング・レートに合わせて48kHzfs系の場合はMCLKを1024倍の49.152MHzとして、CDの44.1kHfs場合は1,024倍の45.1584MHzの水晶発信器に切り替える等が挙げられます。
 又、RAMが1GBありますので、再生する直前にRAMに音源をコピーしてRAMから再生すると、外部入出力によるCPUインターラプトが低減されて、更に音が良化することが想定できます。
 完成した暁には、市販のプレーヤーを凌駕した優れたLinux[ˈlɪnʊks](リヌックス)ベースのプレーヤーが出来ると思います。
 手作りアンプの会メンバーの皆様と、岩野さん、ほりおさん、蝦名さん、岩井に大感謝です。

 アナログチャンデバの回路と部品の総てを用意して未だに未着手です。5月にはPARCサウンド鑑賞会があり、その準備があり、多忙な毎日ですが、頑張って結果をだす旨の決意表明です。

ラスベリーパイ その8 i2S接続のAKM4399DAC

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 ラスベリーパイ第七弾 i2S接続で、音質重視のDACとの接続です。
 DACは、誉れ高い旭化成マテリアルのAKM4399EQというDACです。又、ナショナルセミコンダクタ製のLME49720HAというキャンタイプの価値のあるオペアンプでLPFを構成します。
 この組み合わせであれば、市販5万円前後のネットワークプレーヤーの性能を凌駕する事が出来そうです。
 簡易に接続して音出しを行いましたが、結構良い印象です。
 取り敢えず、音の悪そうな青いフィリップスの電解コンデンサー等から、導電性高分子固体電解コンデンサに換装してみて、高音質化を狙います。

コンデンサー換装後の様子です。
 電解→導電性高分子固体電解
 セラミック→WIMAフィルム
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 ラズパイのOSがLinuxなので、WindowsのUSB DACより、さらに高音質が期待出来そうです。
 次のステップは、ラスベリーパイからマスタークロックが得られないので、クロックをルビジウムで打ち直すDACに進む予定です。

ラスベリーパイ その7 DSDの再生

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 二種類のDSD(5.6448Mbit/sと2.8224Mbit/s)をラズパイで再生してみましたが、音がブツ切りれで、全く駄目です。
 CPUもかなり熱を帯びて、好ましくありません、Volumioが悪いのか、ハードの限界なのか解りませんが、DSDの処理を行うと、CPUのユーティライゼーションが、かなりの値となっていると想像できます。
 基本的にDSDの様な膨大なストリーミングを行うにはラズパイでは非力の様です。
 フォアグラを作るのに急いて、稷を胃袋に詰められた瀕死のガチョウの様でかわいそうです。
 まあ、ラズパイでDSDを聴くのは、ライトな感覚で音楽に浸る目的から、私としては、邪道だと思いますので、この辺が潮時かとも思います。
 ラズパイも、WebRADIO、NASの音源再生に限定するのが良く、何時までもラズパイという球を、オーデイオ用にピカピカ磨いても仕方ないと思えてきました。
 それと、MPDの開発競争が盛んで、始終バージョンアップがなされ、不安定な場合があります、バージョンアップ競争に巻き込まれない為にも、音が出たら不必要にバージョンアップを行わず、静観した方が幸せになれます。
 
 やはり節度ある使い方が宜しいようで・・・