RASDAC+ Proの作製 その3

 今日の午後にポーランドから、ビシェイ・スフェルニース ホイルレジスターが到着したので、早速、PCM5122のアナログ音声回路の一次フィルターにシリーズに入る抵抗をタクマンREYから入れ替えました。この部分の抵抗は音質に対して極めて支配的であり、構成が単純なだけに、影響力が大きいと言えます。高調波成分が低歪のホイル抵抗で良い結果が得られる様です。

フィルターの抵抗
 以下の様に一本々、包装されています。
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抵抗の仕様
472.6R 0.1% 5ppm 0.5W
Very Hign Precision Vishay SFERNICE Foil resister RCK02
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フランス・アルプ=マリティーム県にある、ビシェイ・スフェルニース
http://www.vishay.com/landingpage/50year/sfernice.html

実装の様子
 リード線のフォーミング等必要なく、スルーホールに収まりました。
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ポーランドからの配送日数
 ポーランドのワルシャワ郊外のピアストゥフから、注文してから一週間で到着しました。中国郵便ですと、荷物の追跡が出来ず、何時到着するか不明で、一ヶ月程を要する事を覚悟しますが、流石に欧州です。

肝心な音
 肝心な音のインプレションを忘れていました。
 フィルターが、ファースト・オーダーと単純で明快であり、ノイズ対策を徹底的に施したので、静寂感があり、過渡特性が優れています。ノイズフロアーが低く、低位相雑音の発振器、ホイル抵抗等、好条件が醸し出す音は、鮮度が高く、低歪の音で、楽器の質感と空間表現が優れていて、優しい音です。

RASDAC+ Proの作製 その2

 作製したRaspberry Pi のi2S(Inter-IC Sound)信号を横取りして、デッドストックのDAC(ES9018K2M・モノデュアル)を使って、動作させてみました。信号の種類として、ワードクロック(LRCLK)、ビットクロック(BCLK)、シリアルデータ(SDATA)の三種類と、そのグラウンド(GND)の4線で、仕様が合致していれば、それ程に困難でない接続形態です。マスタークロック(MCLK)を必要とするDACもありますが、音は別としてメーカー自称高級と言われるDACは、その傾向にあります。
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接続ケーブル
 接続ケーブルは、フラットケーブル(リボンケーブル)を用い、可能な限り短く接続しました。おおよそ100mmですが、DACシャシー内の立ち上がり等を含めると180mm程度と想定されます。
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i2S TTLレベルの音
 PCM5122の音は鮮度の高い良い音です。PCM5122のLPFはファーストオーダーのLPFで極めて単純で、これに比べて、ES9018K2MのDACは、OPA2107を用いたLPFで、かなり複雑であり、その構造の差が音に現れている事が想定できます。もののついでに、アステルアンドカーンAK100ⅡのDAC部分を使って聞きましたが、淡白系で、悪く言えば情報量の少ない物足りない音で、これにはガッカリしました。

i2Sの問題点
 接続ケーブル長が内部の引き回しを含めて、180mm有り、耐ノイズ特性が良くありません。周辺の誘導性の電気装置(窓のシャッター)の電源オンオフでノイズが乗ります。それに引き換え、PCM5122は、安定していて、中々いい具合です。
 ノイズを無くす(減らす)には、i2S接続のタンパー抵抗値のオプティマイズをオシロで波形観測しながら、カットアンドトライで定数を決めるべきであり、正しく調整されると、もっと音質が良化する可能性があります。簡易的にシールドを施したら、逆効果となり、デジタルの調整は、中々難しいです。
 ワードクロックをオシロで見ると、以下の様にリンギングが生じてます。
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今後の予定
 作成後、長時間の稼働でも安定して、音が良いので、そろそろケーシングを考えたいと思います。表示装置は電源のパイロットLEDのみで、出力は、PCM5122を動作確認用として、本命はi2S信号をLVDSで出力する予定です。LVDSは、HDMIとRJ-45で行い、仕様は、PS-AUDIO社のデファクト・スタンダードとします。

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RASDAC+ Proの作製

 今までのRaspberry Pi を用いた、DACとMPDの殆どが、デジタル信号のBCLK(bit clock)からMCLK(Master Clock)を生成しています。その為か、音質面ではトランジェントは良のですが、音楽を聴いていると、再生される音楽の音程(ピッチ)が狂っている錯覚に陥る事が多々ありました。その様なマスタークロックの致命的な問題とノイズ対策等、改善点のバックログに対して、一矢報いる趣旨で、手作りアンプの会のI氏が設計された、高機能、高性能なRaspberry Pi用のDACです。

製作会の様子
皆さん、ルーペが手放せません。
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機能概要
・アナログ、デジタルの信号の総てが、アイソレータにより分離
・DACのクロック(MCLK)は、Raspberry Piのクロックを用いず、
 独自の低位相ノイズ発振器で供給
・i2SのWDCLK、SCLKは、DAC側からRaspberry Piへ送出
・電源をアナログ、デジタルの2系統に分離
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作製にあたって
 DACを構成する部品の数が多く、又、Raspberry Piの大きさに合わせて、チップ1608を使用しており、ハンダ付けが、極めて困難です。ハンダ付けを行うに際して、ルーペ、実態顕微鏡が必須となり、ハンダ鏝も鋭利な物が必要となります。
 チップ1608とは、横縦幅が:1.6mm×0.8mmの大きさの部品です。

専用電源
 今回の作成したDACを、活かすも殺すも電源次第なので、専用のシリーズ電源を用意しました。電源はLDOを用いた5V、2系統です。デジタル系、アナログ系の2系統の供給に用い、更にクロック用の電源とLVDSのセンダー(送信)用に設ける予定です。
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i2S出力
 今回搭載しているDACは、スペースの狭隘度から、バーブラウンのPCM5122ですが、i2S信号のTTLレベル出力と、LDVSの送信機を搭載して、HDMIケーブルで、i2Sでのフックアップが可能な仕組みとします。それにより幅広く好みのDACと接続が可能となります。

Raspberry Piは2年で塵になる

 毎朝のルーティーンで、ラズベリーパイ(Raspberry Pi)以降ラズパイ、の電源を投入して、 Venice Classic Radio Italia を聴きながらお茶をするのですが、今朝は電源を投入しても音が出ません。ラズパイを見ると、何時も点滅するLEDが点きっぱなしです。早速、フラッシュメモリーのディスク イメージ ファイル (.img)を再度作り直して、再立ち上げを行いましたが、残念ながら、ブートストラップ(Bootstrap)が始まりません。ラズパイに良く有る短命の様です。

完成度の高いラズパイ用の無償MPD(Music Player Daemon)のVolumio
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英国工業製品の出来具合
 ラズパイは英国のRaspberry Pi Foundation(財団)により開発されて、この製品の発想は素晴らしいのですが、その製造もロットにより英国なのです。いかんせん品質管理が酷すぎます。三年ほど前から5台程購入しましたが、猛暑の熱暴走、メモリースロットルの故障など、現在まともに稼動すると思われるのは、1台だけです。まあ、開発のコンセプトが「廉価にパソコンを楽しめる」のが主目的で、RAS(Reliability, Availability and Serviceability)の発想等は、毛頭も無いでしょう。
 やはり、険しい山岳が無い事により英国では、chauffeur-driven car以外の車が駄目な様に、猛暑の無い国の電気製品は温熱帯での使用は駄目ですね。この様な信頼性の低い機器を使って、介護等の人命を託す機器プロジェクト開発エイドしての利用が可能でも、そのまま実用に供することは、極めて危険な事が想定されます。特に、内部パリティーチェック機構、温度保障が無いために、処理エラーの自己判断すら出来ない構造です。 エラーのログと、その活用によりコンピュータが劇的な進化を遂げたのは、1960年代のアポロ計画の頃から始まっていますが、ラズパイのCPUの処理速度が速くても、その50年前のデザイン・フィロソフィーに達して無いのです。

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最近の英国の工業製品
 ボーイング787型機に搭載しているロールスロイス製のエンジン部品に欠陥、それに対して米国製GE・アビエーションのエンジンは問題なし。定期路線の就航率が低いと国交省の指導が行われ、スロット(発着枠)争奪で就航率の高い航空会社を優先される事になります。
 詳細はここ 

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結果としてラズパイは高い
 一台5,000円程度のラズパイですが、結果として、1年から2年で廃品となるとしたら、廉価とは言えません。又、パソコンを廃棄する場合、資源有効利用促進法(通称:パソコンリサイクル法)があり、レアメタル、接点の金の回収を目指してとありますが、面倒なので、生活ゴミ(可燃塵)として廃棄しました。

ネットワークプレーヤーの代替として
 ハッキリ言って現状の信頼性から長期間の利用を目指したら困難です。
 2年程度の寿命の間に楽しむのであれば有りと言えますが、落ち着いて音楽を楽しむ環境に投入するには、余りにもお粗末で、避けたほうが賢明だと思います。日本のオーディオメーカー製で普通のプレーヤーを活用した方が無難です。

結論
 Raspberry Piは所詮玩具であり2年で塵になる事を念頭に置いて活用すべきだと思います。

MoOde Audio Player

 久し振りにラズパイの情報です。

 手作りアンプの会の「DAC分科会」掲示板で、Moode Audio Playerを知り、早速、昨年の盛夏に熱暴走したラズパイを持ち出し、試してみました。リリースは、2.4, で昨年の10月が最終更新日です。又、リヌックスのカーネルは 4.1.10-v7+です。今まで、Volumio、RuneAudio、を試しましたが、それぞれ一長一短で、適当な物が有りませんでした。Raspbianの基本部分に手を加えてMPDを構築する手もあるのですが、そこまでして、Volumioの亜種を作っても仕方ないと思います。

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既成ラズパイMPDの特徴を雑ぱくに言うと

Volumio
 スタビリティーが一番高く、又、バグも枯れていますので、ダウンロードして必ず一発で動作します。Volumioが動作しない様でしたら、動作環境を疑った方が良いほど完成度が高いといえます。
 現在、マイグレーションは足ふみ状態です。

RuneAudio
 このソフトは、中途半端で。特にネットワーク環境にバグが多く、極普通のDHCP環境では動作しません。必ず、エディターでIPアドレスの変更等の環境設定が必要です。
 又、軽くは出来ているのですが、画面の洗練度が低く、これであれば、volumioで、十分と言えます。現在、マイグレーションはvolumioと同様停止状態です。

Moode Audio Player
 今回、初めて使ってみました。最終更新が昨年の10月なので現在も改良され続けている様です。GUIが改良されて、使いやすくなっていますが、基本的にRaspbianのオブジェクトを流用しているので、アペアランスは、volumioと同じで傾向です。このソフトの最大の特徴は、使いやすい、解りやすい、多機能である事だと思います。
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周辺機器の構成と音源の属性、CPUの利用率、コアの温度などが表示される出来るヤツです。

肝心な音
 音の自然さでは、残念ながらRuneAudioがベスト、Moode Audio Player、volumioの順番になります。しかし、音の差はvolumioを除いて極僅かですのでMoode Audio Playerが良い選択だと思います。

ソフトの洗練度
 個人的な好みですが、volumioが、ハードの身の丈に有ってバランスが良いといえます。RuneAudioは根性無しの田舎紳士で、Moode Audio Playerは盛り沢山で頭でっかちで、もう一工夫が必要だと思います。

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改善を必要とする、遅いライブラリー

問題点
 Moode Audio Playerに限らず、総てのMPDに言えることですが、NASのPlaylist取り込みに問題が有り、取り込み速度が著しく遅く、Windowsのエクスプローラに慣れていると、極めて使いにくいと言えます。マルチコアーの特徴を生かして、この辺の改善を行ってくれると幸せになれます。

 それから、ラズパイのハードは、日本の盛夏では熱暴走して使えません、熱暴走で停止する時、必ずSDメモリーの内容が、道連れで壊れます。今年は熱暴走対策を何とか解決したいと思います。
 出力フォーマットが常に16ビットですが、バグである事を望みます。