スピーカーの持つ素の特性を測定して、再検討

 スピーカーの持つ素の特性を測定して、クロスオーバーを再検討してみました。

ATC SM75-150 ダイアフラムの保護とホーン効果を狙ったWaveguide
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素の特性
 ウーファー(黒)Scan-Speak Illuminator 15WU/8741T00は、典型的な紙のダイアフラムで、近代的な設計の特徴のブレークアップが6khzから始まり、剛性の高さを現しています。トゥーイータ(青)Scan-Speak Revelator D2908/7140000は、チタンのダイアフラムながら、それ程高域が延びず、テキスタイルのダイアフラムの様に穏やかな特性です。スコーカー(赤)ATC SM75-150は、思ったほどフラットでは無く、古典的で使いにくい特性です。Waveguideによる位相の回転が800Hz付近に生じて、4,500Hz付近にエッジの共振(反転による打消し)による激しいディップが生じます。
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2Wayの検討
 元々、ウーファーとトゥーイータは、Scan-Speak推奨の組み合わせのため、測定結果の数値を見ると、クロスオーバーの周波数と僅かなゲイン調整で、綺麗に繋がる仕組みとなっています。その証拠が以下の特性で、クロスオーバーの周波数を決めて、トゥーイータのゲインを2~3dB SPL調整すれば、万事上手く行くように出来ています。
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3Wayの検討
 まともに動作する2wayに、無理してスコーカー加えて、しなやかに繋がっている竹に無理して木を間に入れる様です。スコーカーのATC SM75-150は、高音圧と分離を目的としたスタジオモニターの核となるスピーカーで、くつろいで聴くスピーカーでは無い様です。それでも何とか切り貼りして得られた結果が以下グラフです。800Hz付近では、一見レベル的には良さそうですが、スコーカーの位相が回転してウーファーとの繋がりが極めて悪い状態です。800Hz付近のクロスを避けて、48dB/oct.以上の急峻な遮蔽特性でクロスするか、あるいは、Waveguideを取り除いて800Hz以上の軸外応答の改善を行うか必要です。
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3Wayは必要か
 並みの3Wayより良く出来た2Wayの方が、点音源に近く、良い事が想像できます。そこで、良く出来た点音源の3Wayを検討してみることにしました。

久し振りにメイン・スピーカーの調整を行いました。

クワイエットパソコンが順調に稼動したので、スピーカー点検と調整を行いました。低域と中域のクロスオーバーを550Hzから大幅に変更して660Hzとして、中域と高域の3,080Hzは変更しないで調整を行いました。最近ATC SM75の低域の音が好ましく無い印象で、あまり低域を使わないように改めました。又、音圧を95 SPL-dBとして、埋もれた低域のクロスの状態をしらべました。

周波数特性
 中域のATC SM75下限のカットオフが甘そうなので、もう少しFIRフィルターのタップ数を増やして、36dB/oct.から48dB/oct.に若干ですが、遮蔽特性を急峻に改めて再調整が必要と思われます。SOXによるアップサンプリングを行った分のタップ数と遅延時間の調整は盛り込み済みです。
国際規格・IEC263準拠のグラフで表現(軸上1.5m)
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アライメント値
 各ドライバー(ユニット)のインパルス応答値の差から時間を求めてから距離に換算して、チャンネル・デバイダーの遅延値として設定して、測定位置でのスピーカーからの距離間が最小値(近似)になるように調整を行いました。
 遅延値(時間・距離)
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タイムアライメントの状況
 特に問題なくアライメントは取れている様です。FIRフィルターの優れている点として、総ての周波数帯域で、ピッタリと合っています。4.5ミリ秒(1.5m)一次反射が一寸キツイです。
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ATC SM75の問題点
 ATC SM75は、ショートホーンの為か音の存在感と支配力が強く、最近鼻について、もっと低歪の音が聴きたくなりました。予算の許す範囲内で、浮気をしてみたいと思います。アクトンのセラミックは、C50のヒステリックなバイオリンの音で懲りており弦楽四重奏が美しく、かつ優しく聴けるスピーカーが欲しいです。アクトンのダイヤモンドD50の様な音で、廉価なスピーカーは無いでしょうか?
 ある訳無いですね・・・・95から100 SPL-dBの音圧での調整は、煩かったです。丁度、地下鉄車内の音から電車の通過するガード下の音量だそうで、暫くの間、頭と耳が痛かったです。

PARCサウンド鑑賞会のスピーカー 最終

 PARCサウンド鑑賞会に出品したスピーカーの写真を撮り忘れていました。5月27日(土)に開催されて、終了後スピーカーを会場から宅急便で自宅に配送をお願いして、昨日到着しました。このスピーカーは、直ぐに処分する予定で解体を始めましたが、写真を撮ってない事に気がつき、急遽、最後の記念写真を取りました。
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廃棄を待つワインボックス
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スピーカーの概要
 ワインボックスに単純に取り付けたのみです。但しドライバー(ユニット)の取り付け位置は、箱鳴りのドラミングが生じ易い様に、中央から外す意図と、音の回析によりバッフルステップの影響を極力避けるために左右、上下の中心からオフセットしています。

吸音材と内部
 吸音材の量は、音の響きと定在波の具合を鑑みて、少なめに一枚として、そのバランスを取りました。又、上下、左右に支え棒を設けて、盛大な共振を抑える様にホワイトノイズとomnimicで、ピークと偏りを避ける位置を求めて固定しました。この棒の位置で、共振周波数と振幅の大きさを調整します。一寸、斜めに固定しているのと中央では無いのは、調整の結果求められた位置です。バイオリンの魂柱の位置決めと似ています。
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8cmフルレンジでスピーカーシステム作成 その2

 天候が優れないので、一日スピーカーの測定と調整を行いました。

 バスレフのポートの共鳴がうまく行かず、低域が物足りないです。8cmフルレンジにキャビネットが、大き過ぎたことと、ワインボックスに隙間が有るのが原因かと思います。シリコン・コーキングで目止めを施したしたのですが、8mm厚の松の箱では限界が有りそうです。又、Vas値を吟味しないで、箱有りきで進めてきて、最適化しなかったツケが廻ってきた様です。

測定結果
 測定結果のfrdデータとzmaデータを用いて、Speaker Workshopに取り込みシミュレーションを行いつつ、中低域を増強する為に1.5mhのインダクタンスと、それに並列に抵抗(6~10Ω)を加えて、バッフル・ステップ補正を調整を行いました。初めから低域の再生を狙ってないので、後からの厚化粧では無理があります。2kHz辺りから分割共振が始まり、又、その前後では、サラウンド(エッジ)の逆共振が生じます。内部損失が少ないこのPPコーン・スピーカーは、それが結構明確に解るタイプです。音離れを良くして、暴れを許すか、暴れを内部損失で吸収して、大人しくフラットにするかのトレードオフです。オーディオの先進国である、北欧州の著名なスピーカーは大体後者が多いようです。
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  アクシス2mでの測定
せめて緑のカーブの様に低域が出たら良かったのですが・・

シミュレーション結果
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肝心な音
 聞いた感じでは、補正なし(赤い線)はリアル感があります、補正後(黒い線)は、2.5Khzのディップを何とかすれば(実はなんともならない)、低域の迫力は一寸物足りないものの、聴けないことは無い状態です。85Hzカットオフのサブウーファーを追加して、2.1chにすると完成形になります。8cmのスピーカーとしては、音飛びの良いスピーカーです。

今後の対応
 取り敢えず、これ以上深入りしても、限界が見えてますので、無理をしないで早々と終えたいと思います。

8cmフルレンジでスピーカーシステム作成 その1

  PARC Audioから発売されていた(過去形)8cmの廉価スピーカーを使って、スピーカーを作ることにしました。

ドライバー
 ドライバーユニットは、PARC Audio DCU-F081PPで、8cmのPPコーンです。スピーカーのキャビネットは、廃品のワインボックスを用います。早速、バーンイン( burn-in )を10Hzの正弦波で6時間程行い、諸特性を測ってみました。バーンインは、毎日、決まった時間に測定して、特性が劣化しない範囲で、100時間程実施する予定です。特にサラウンド(エッジ)がゴム製ですので、マリンス効果が安定するまでは、特性が変化します。又、スパイダー(ダンパー)に付着している余分な接着剤が、ほどける事によって、音質が大幅に変化します。この時、ゆっくり動作するゴムのサラウンドを見て、接着の不均一な場所が解ります。

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測定した結果
 メーカ公表値と近いのはf(s)のみ、Q値は、メーカー公表値と比べて、だいぶ異なります。これには、一寸ガッカリです。
 普通の小型スピーカーと言った所です。しかし、この値も、バーンインでどの様に変化するか楽しみです。

    実測値         メーカー公表値
f(S) = 104.97Hz        103.4
R(e) = 5.77 Ohms       5.6
Z(max )= 51.07 Ohms
Q(ms) = 5.962        5.866
Q(es) = 0.759        0.499
Qts)  = 0.673        0.46
L(e) = 0.184mH at 10kHz

完成目標
 今月、20日(日)を目処に完成させる予定です。LCRによる補正の必要が無ければ良いのですが、既にキャビネットが完成しているので、次回は、キャビネットにドライバーを格納して諸特性(インピーダンス、f特、ベントの共振状態等)を測定する予定です。