スイッチング電源の真空管アンプ作製

 手作りアンプの会主催の2017年夏お寺大会のお題は、「B電源にスイッチング電源を使用した真空管アンプ大会」です。真空管アンプには、A,B,Cと三種類の電源があります。フィラメントを熱して電子を放出する為のA電源、放出された電子を陽極(プレート)に集めるB電源、電子の流れを制御する格子に掛けるバイアスのC電源があります。その中で、高電圧で、扱いの面倒なB電源を、トランスではなく、スイッチング電源で供給するアンプを作りましょう・・という課題です。結構コアで、ハードルの高いお題です。

手作りアンプの会
 手作りアンプの会は2000年から始まり今年で18年間継続しています。月一回催されるオフ会は、200回に近づいており、年2回お寺で夜通し行う大会がありあります。参加者は、理系大学生、大学教員、プロ、アマ等千差万別です。
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関東お寺大会の案内
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スイッチング電源
 一般的に市販されているスイッチング電源は、5Vから24V程度の物で、12Vとかノートパソコンだと18Vが多い様です。極く普通の真空管アンプの場合の要求+B電圧は、200Vから300V程度が必要ですが、手作りアンプ会員の中にはクレイジーな方がいて、放送用の送信管を用い、+1,000VのB電圧と命を掛ける方が、いらっしゃると思われます。私は250V程で大人しく作る予定です。

具体的な電源
 電源として当初、昔の真空管自動車ラジオに使われていた、トランスとバイブレータ(ブザー)を用い100Hz程度の発信で、スイッチング電源を手作りすることを考えましたが、レギュレーションの中に、「スイッチング周波数は400Hz以上とします。」という条件があって、自作ではハードルが高く諦めました。そこで、以下のようなスイッチング電源を用いる事にしました。DSC02824.jpg

スイッチング電源の仕様
 SG2525AというSTMicroelectronics社の「REGULATING PULSE WIDTH MODULATORS」といICを用い、STP80NF70というSTripFET™ II Power MOSFETをドライブしてパワーを作ります。SG2525Aには、スイッチング電源に関する全ての回路が備わっていて、特段に苦労する部分はありません。ただし発信周波数が可聴帯域外で、170KHz付近なので、ACからDCに整流するダイオードは、普通の物では、スイッチングの損失(熱に変わる)が大きいので、使えません。そこで、高い周波数でも損失の少ない、General Semiconductor(Vishay)社製のウルトラ ファースト リカバリー・ダイオード UF5408( Maximum reverse recovery time:75ns )でブリッジの整流回路を組む事にしました。

 SG2525Aの仕様はここ
 UF5408の仕様はここ

アンプの仕様
 肝心なアンプは、以前に電池で駆動するアンプ大会時に作製した6AB8という3極5極の複合管を用いたプシュプル(PP)アンプを改造する事にしました。6AB8という球は、3極と5極のカソードが共通で、アンプに使うには、とても難儀な球で、これ、又、コアなアンプです。出力トランスは、230V:6Vの電源用トロイダルコアートランスを用い、捲線比からインピーダンス比を求めています。電源、球、出力トランス等、全てがコアなアンプです。

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rejin.jpg トロイダルコアートランスをレジン(2液ウレタン)でトランスカバーに封入

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真空管アンプには、アキシャル型のコンデンサーがスタンダードです。

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回路の基本は、ムラード(Mullard)発表の物です。オリジナルの回路はここ


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レイアウトを考えている時が、一番楽しいです。

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