スイッチング電源のフィルター作製

 お寺大会(2017年夏)のお題が「スイッチングB電源による真空管パワーアンプ」が予定されましたので、早速、スイッチング電源のノイズフィルターの実験を行ってみました。スイッチング方式の電源は効率、レギュレーション、重量等を考慮すると極めて優れた電源方式であり、唯一のウイークポイントとしてノイズ対策が難しく、オーディオでは少々使いにくい側面があります。しかし、最近の優れたD級(PWM)アンプの様にノイズ対策をセオリーどおりに行えば、特に問題の無い方式と言うより、極めて優れた方式と言えます。かのジェフローランドは、IcePower、Hypex等のアンプモジュールを使いスイッチング電源で優れたアンプを生み出しています。

フィルターの構成
DSC02339.jpg
 入力段で低ESR電解コンデンサーとノーマルモード・フィルターでリップルを減らして、後段ではコモンモード・フィルターで、EMI(Electro Magnetic Interference)高周波ノイズをリダクションします。

回路図
In → Out
Yschematic.jpg

フィルターの素材
 EMIのフィルターは、既製品で優れたムラタ製EMIフィルタ(BNX016-01)を用い、リップル対策は低ESR電解コンデンサーのニチコン・オーディオ用として、あわせて日立金属製ファインメット・コアーを用いてコモンモードのフィルターを手巻きで作製してみました。

スイッチングアダプターの周波数
 安物のスイッチングアダプターはスイッチングの周波数が低く、高級なスイッチングアダプター程、スイッチングの周波数が高く可聴周波数から遠くに追いやっている様です。特に、ノートパソコンのアダプターは、容量と小型化に力を注ぎノイズ対策が好ましく無く、オーディオには対策無しでは使えません。それを考慮して、低い周波数で効果が得られる様に、ファインメットコアーを採用しました。

測定結果
スパイクノイズの状況
 スパイクノイズはLT3042やTPS7A4700,ADM7150等のHigh PSRRのLDOでも減衰できずに殆ど出力側に漏れ出てきます。しかし、以下のグラフで青がフィルターの入力の波形で、赤がフィルターからの出力で、スパイクノイズが遮断されている事が解ります。
spick.jpg

スペクトラム・アナライザーの測定結果(負荷電流200mA)
-95dB(青)から-110dB(赤)にノイズが削減されています
-120dB程度まで下がるのが理想です。
speana.jpg

可聴帯域
(~12KHz)では、緑で囲った周波数のピークが削減されています。
speana2.jpg

肝心な音
 フィルターを使うと、高音のヒリヒリする感じが収まり聞きやすくなりますが、まあ~無いより有った方がましかな?と言ったところです。お寺大会用のスイッチングB電源による真空管パワーアンプには、設計段階から組み込みノイズ対策を施します。ノイズ対策を行わないスイッチング電源は、オーディオでは使い物になりません。

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No title

こんばんは!
遅くなりましたが
本年もよろしくお願いいたします。
スイッチングB電源!
良いイメージがありません。
girigiriさんがどのように料理していくのか、楽しみにしています。

Re: No title

コメント有難うございます。
今年もよろしくお願いいたします。

 スイッチング電源は、高周波ノイズをブロックさえできれば、過渡特性が良いので音は良いと思います。
 でも面倒なので、出来たら使いたくないですね。