ベントの測定と調整を行いました

 スピーカーのドライバーの入れ替え等を行い、調整を行ってきましたが、久し振りにベントの測定と調整を行いました。

 ベントを設ける場合、ドライバー(ユニット)"Q"とキャビネット(箱)の応答によって、ベントの長さと、その容積により最適解(Optimal solution)が存在して、それに可能な限り近づけられるか否かによりVented-box low-frequency system (バスレフシステム)の成否が決まります。更にその効果をより確かなものとする為に、以下の様に更なる工夫が必要です。

スピーカーのポート
 バスレフのベントを別名ポートと呼ばれ、またダクトとも言われます、本来の呼称はベントが正しく、ダクトとは、気体を運ぶ管であり、主に建築物内で空調、換気、排煙の目的で設備の事を言い、ポートとは外部との情報の受け渡しを行うためのインタフェースの事を言います。やはり共鳴管と背圧調整の主旨から、ベントが正しいと思います。

理想的なベント
 ベントからキャビネット内の空気が出入りするのですが、その時、異音(ブローノイズ)の発生を抑えて、スムースな動作が求められます。そこで、英国の某有名スピーカーメーカーのベントを見ますと、マグヌス効果を期待したディンプルが有ります。これは、ゴルフボールのディンプルと同じ考えで、極めて有効な方法だと思います。又、ベントのエンドは切りっ放しでは無く、フレアーを付けて、風切り音等のノイズ低減が必要です。更にベントの太さを一定とせず、テーパー (taper) 状として、歪み率の低減を行う工夫が必要です。ウーファー・コーン紙の裏側ノイズは極力前面に漏れない工夫が必要です。

ディンプル加工が施されているベント
Dimple.jpg

非対称でフレアーとテーパーのベント
この加工を施すと95dBSPLの音圧で、6dB程度のブローノイズの削減が期待できます。この辺は、数百年前に既にパイプオルガンで実現されていたノウハウの応用と言えます。
Xbent.jpg

実際の工法
オルガンの例
Xパイプ

自作のMTMスピーカー(可変長ベントで共振周波数を適切に変更ができます)
2012-08-06_21-45-56.jpg

フレアー部分を内部で強固に固定して、ベント自体の共振を避けます。
DSC01926.jpg

測定結果(IEC263準拠)
xBentfull.jpg
 軸上(1m)の音圧とベントの音を同じ音圧で測定しました。
 小口径のウーファーは、ベントから中音域の漏れが生ずるので、ベントは正面より、背面、又は下面が好ましい様です。又、中音域との干渉を避ける為に、少なくとも-48dB/oct.程度の急峻な遮蔽特性が必要です。小口径の場合、正面にベントを設けると、中音域での逆位相での相殺により中抜けの音となる可能性があります。
xbuf.jpg
 軸上で測定した90dBSPLの音圧でベント付近を測定した為、異常に高い音圧となってます。ベントからの音は強力な風が伴うので、正確に測定することは困難です。例えばスピーカーの後部のみを壁を境にして別の部屋で測定する等、工夫が必要かと思います。

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No title

こんにちは。

ベントの音圧測定結果ですが、Near fieldで測定しているのであればウーファーの方もNear fieldで測定した値と比較してみてはどうでしょう。

また、その場合でもベントの音圧はウーファーとベントの直径の比に反比例してベントの方が高くなるはずですので、合成特性を求めるにはその分の補正が必要ですね。この機能はSpeaker workshopに実装されています。



Re: No title

コメントありがとうございます。

 ベントからの音漏れが妥当か、否か不明でした。早速、トライしてみます。
 又、Speaker workshopに合成特性の補正機能があることを知りませんでした。勉強不足がバレましたね、こちらも早速行ってみます。

No title

ベントでのピークは30Hz110dB。
ベント込みの全体で1m離れでは、30Hz出力は92dB。
よって減衰は18dBですね。
ベントの100Hz以上は1m離れでは、すべて減衰して80dB以下に下がります。
音は30Hzのみベントから再生されいる状態です。
ベントのカスレ音さえ有りません。
以上解析でした。

Re: No title

ツトムさん コメント有難うございます。

 ベントからの音漏れ良く調整されていますね。
 ミットバスの漏れがベントからあると、相殺されて、ディップが出来るので、なかなか難しいです。