3Wayから2Wayにチャレンジ その11 密閉箱の薦め

Vented Box VS Closed Box
 先日、株式会社DIASOUL社のスピーカーを聴かせていただきまして、低音の素晴らしさに感銘を受けました。
 何とか、自作のスピーカーが、少しでも近づければとの思いで、改善を検討しました。
 先ず、ウーファーのドライバー毎にパワーアンプを分ける事の優位性は確認できました。次はもっと澄んだ低音を表現出来ないかと考えバスレフ(bass reflex)方式から、密閉(Closed Box)に改めて、同一条件で試聴と測定を行いました。
 バスレフから密閉への変更は、理科実験道具の広口ビン用ゴム製の栓でベント(Vente)を塞ぎました。
 ベント(Vente)をダクトと呼ぶ場合があります。
 
 以下がバスレフのベントでテパー状になっています。
XDSC00272.jpg

 広口ビンの栓で17番
futa.jpg

 そのベントにゴム栓をして、にわか密閉となりました。テパー状なので、機密性を高く保持できます。
XDSC00273.jpg

測定結果
 先ずは、周波数毎の音圧を測定を軸上1mの距離で行いました。
 バスレフ(黒い線)の方が、25Hz~100Hzまで良く再現できています、少々オーバー気味であるとも言えますが、それに対して密閉(赤い線)は、30Hzから100Hzまで40Hzにディップがあるものの、ほぼフラットと言えます。
V VS C
 25Hz~50Hzは主に音楽のスケール感を表現する時に必要なので、少々オーバーで、多少ディップが有っても問題無いと思えます。

肝心な音
 バスレフから密閉にしても、幸いな事にそれ程低音の不足を感じません。それより、低音の質が向上して、低音楽器の音像感が大分良化したようです。又、低域で難しい、スピード感が生じてきました。
 恐らく、密閉にする事により群遅延歪みが大幅に減少して、歪率が改善されたことが想定されます。

歪率の測定
 普段聞く音圧レベルより高く、スピーカーから1メートルの距離で、90dBの音圧レベルで歪を測定しました。
 上のグラフが、バスレフの歪特性です、下のグラフは、同一条件で密閉の状態を測定しました。
DMTM.jpg

X歪率

インピーダンス特性
 あわせて、同一条件で、バスレフと密閉のインピーダンス特性の測定を行ってみました。
IMP.jpg

 位相の回転もなだらかで良い測定結果です。
 紺色のグラフが密閉で、緑のグラフがバスレフです。
 緑のグラフのインピーダンス最小値(5オーム)の場所が共振点31Hzですので、設計の目標値どおりになっています。この特性曲線から、バスレフの方が音の質は別として、低音が豊かに得られることが解ります。

現時点で考察
 強力なアンプと、近代的なウーファーを用いた場合、バスレフは不要とかと思いました。
 スピーカーのダイアフラムの面積当たりの磁力が弱い場合、ユッタリと低音を稼ぐレガシーな方法としてバスレフが存在しましたが、強力なネオジム(ネオジミウム)・マグネットのスピーカーを、強力なデジタル・アンプとDSP(イコライザー)でドライブする場合、密閉で十分であると思いました。
 バスレフのキャビネットで、低域の音質に悩んでいる場合は、バスレフを止めて密閉として、強力なデジタルアンプ(ICEpower)等でドライブする事をお勧めします。

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No title

 密閉中々面白そうですね。一度試し見ましょうか。

 ただし、歪率の読み取りの値は?です。30Hzで3次高調波だと密閉では0.8%、バスレフだと0.3%ぐらいに読め、音圧が5dBぐらい違うので更にバスレフは実質半分ぐらいになると思いますが。
 多分密閉のよさは群遅延の短さと中音のポート漏れが無いことかと。この辺のすっきりさと歪との兼ね合いでしょうか。

Re: No title

 コメント有難うございます。
 歪率(dBc)から率への換算を間違えていました。ご指摘有難うございます。
 
 音圧を揃えて、測定し直してみます。