タンノイの不思議なスピーカーで音出し その1

 一見、何も変哲の無い13cmの安物フルレンジスピーカーに見えますが、このスピーカーは、コアキシャル・スピーカーで有名なタンノイ製です。
DSC04041.jpg
 このドライバーは、英国グッドマン公社で作られたICT(Induction Coupled Technology)方式の1L184というモデルで、仕組みは、かなり凝っており、フルレンジのボイスコイルの動作に合わせてトゥーイータの音源を電磁誘導で作っている、不思議なスピーカーです。
 その構造は、以下のとおりですが、一寸見ただけでは理解できません。

 図をクリックすると拡大されます。
PIC2.jpg

 タンノイのサイトで、製品の仕様をみると、以下の概要しか開示されていません。
 Sensitivity: 90 dB / 2.83 V @ 1m
 Nominal impedance: 6 ohm
 Frequency response: 80Hz - 22kHz
 Power Handling (RMS/Program): 50W / 100W
 Peak SPL (half space): 116dB

 Driver type: 5" polypropylene cone mid / bass unit incorporating a 1" aluminum dome ICTTM treble unit
 Dispersion: 60 degrees conical

このドライバーで、スピーカーシステムを作ってみたいと思います。

特性を測定してみました。
先ずは、周波数特性と位相の測定です。
かなり良い特性です。 この特性だと人の声が明瞭に聞こえます。又、10,000Hz前後にディップがありますが、この周波数に該当する楽器が無いので、問題無いと思います。場合により、小型のドーム・トゥーイータで補填すればOK・・
しかし、高域の位相はグチャグチャで駄目ですね。
CPA-5.jpg

歪み特性を測定しました。
13cmとしては、それ程すくれていません。 特に4,000Hz以上の歪みが85dBの音圧で60dB近くあり、率で言う1%を超えているのは大きいといえます。
Distortion.jpg

波形スペクトラム解析(ウォーターフォール表示)で、リンギングの状態を測定しました。
メカが凝っているので、そのダイアフラムの制止に時間が掛かるようです。
WF.jpg

最後に、インピーダンス特性とTSパラメータを求めました。
Qts:0.574 fs:82.06 といったところです。
CPA5_Imp.jpg


肝心の聴いた感想
 明るい、賑やか、人間の声が良く通る、高音が少々歪みっぽい、低音が出ない・・・
 測定結果そのままです。この中での一番のうりは、ソノリティが良い事です。
 量販店の店頭でお客さんを呼び込むスピーカーにピッタリです。
 耳の感度の高い2,500Hzから4,500Hzの帯域に、ピーク合わせて作られた巧妙なスピーカーです。
 これを何とかピュアー・オーデイオ用スピーカーとして仕上げたいと思います。

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