ネットワークオーディオのコントローラ

ネットワークオーディオで、優れたコントロールアプリは・・・
 オーディオの行き着くところの一つであるネットワークオーディオの形態を考えると、遠隔操縦で選曲して、再生の指示を行うコントロールアプリの完成度で、ネットワークオーディオ全体の評価が決まります。
 美しいアルバムアートを表示して、それを選択して、プレイリストに登録して、そのリストを基に、音楽を再生する。まるで、スモーガスボードの食べ物を選んで、その時の気分、雰囲気で口にする。ネットワーク越しに音楽を楽しむには、ストレスが無く機敏に動作して、アルバム、作曲者、曲目、演奏者、ジャンル等を基に、検索する機能の完成度合いが極めて大切です。
 現在、ネットワークオーディオの常識で言えば、LINNの提唱によりコンソシアムが立ち上がり未完成ながら、それなりの成果が得られている、OpenHomeがその核と言えます。そこで、OpenHome機能のコントロールアプリと、それに準ずるソフトの機能を調べて見ました。
http://openhome.org/

ネットワークオーディオって?
 極めて端的に言えば、「ネットワーク越しに選曲して再生する」事だと思います。音源をNASに格納するか、パソコンの内蔵ディスクに格納するか、又、パソコンを使うか、タブレット端末を使うか、レガシーなオーディオ機器を使うかは、全く関係無いと思います。

優れたコントロールアプリ
 以下、三種類のコントロールアプリを同一環境(負荷)で実際に使って、その性能差を体験してみました。

 LUMIN
 http://www.luminmusic.com/
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アルバムアートのグリッド表示機能は圧巻、左側フレームにプレイリストを表示するが、登録処理が遅い

 アルバムアートの表示に基軸を置いて、アルバムアートから選曲する事に徹しています。従って、項目のクロス検索は、それ程強力な検索エンジンを持たないで、アルバムアート有りきの構成です。アルバムアート表示は機敏で、使っていて楽しいですが、反面、プレイリストへの登録処理が緩慢であり、曲を探すには優れているが、フリンジの機能が遅く、全体のバランスが好ましくありません。又、アルバムDBの構築と更新である、インデックスのリビルドが遅くて、CDを追加する毎に、操作の中断を余儀なくされる点が、好ましくありません。多分にOpenHomeの機能の遅さが露呈しているとも言えます。

 KAZOO
 https://www.linn.co.uk/software
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グリッドのメッシュが荒くて、スクロールが頻繁、さりとて、検索機能は貧弱・・・

 OpenHomeの唱えたLINN自身のソフトでありながら、完成度は低い。KAZOOの前身のKINSKYというソフトがあるが、これに至っては、更に機能面、速度面で全不作で評価に値しない、KAZOOは、一応、OpenHomeを活かしたソフトとしているが、辛うじて機能するソフトと言えます。その最大の弱点は、ipad Pro12.9にマイグレーションされたKAZOOであっても、アルバムアートが無駄に大きいことです。最大の欠点は、プレイリストを確認する場合、画面の切り替えが必要となり、そして、どの操作を行っても、アルバムアートのグリッドの位置を記憶しないで、表示が先頭に戻ってしまう。

 MonkeyMote
 https://www.monkeymote.com/home
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音源DBとその検索、プレイリスト処理を、サバー側(foobar2000)のインテルCPUに処理を任せている。

 今回、用いたMonkeyMoteは、foobar2000の基本機能と連動するコントロールアプリで、上記のものとは一寸異なり、UPnP/DLNA、OpenHomeの複雑なアーキテクチャを用いず、独自の制御方式で構築されており、JAVA、UPnP/DLNA等の設定が不要であり、動作が極めて俊足で軽い事です。機能面では、LUMINよりKAZOOに近いが、最大の特徴は、クロス検索が早く、そのアルバムDBの構築(リビルド)が高速で、アルバムアートの表示速度と機能は、LUMINには及ばないものの、全体のバランスは優れていると言えます。しかし残念ことに、この恩恵は、foobar2000のユーザーのみにリリースされた機能なので、ルームとしてfoobar2000を使うことであれば、特に問題ないと言えます。

独断の評価
Point_Player.jpg
 LUMINのアルバム表示は優れている、Kazooは、特に優れた機能は無い。Monkeymoteは、処理の殆どをサーバー側の処理に依存してるので高速で安定している。どの仕組みも「帯に短く襷に長し」の状態で発展途上と言った様子。残念ながら、日本製のアプリは壊滅状態であり、如何に日本のオーディオ業界が体たらくかを表している。

日本人は標準化が不得意
 本来、日本オーディオ協会が音頭をとって、ネットワークオーディオの標準化を図り、デファクトスタンダードに押し上げるかが問われるのですが、今の協会の能力では悲観的です。日本軍の用いた銃の弾丸が、銃の種類毎に異なり、不足しても使い廻しが出来なかった、とのことに似ています。