LPレコードプレーヤー命の調整

 久し振りにアナログ系(LPレコード再生)を整備しました。アナログ伝送路のRCAコネクタ、シェルリード線コネクターをイソプロピルアルコール(isopropyl alcohol)を使い、丁寧にクリーニングを行いました。又、ターンテーブル、トーンアームのバランスを取り直して、AD変換の調整を行いました。アナログ機器は、調整個所が多くて、面倒見が大変です。しかし調整しろが有るので、最善の状態に追い込める訳で、調整個所の少ないアナログ機器は、ベストな状態に追い込めず、妥協して動作していると言えます。
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RCAコネクタのクリーニング
 前回の保守から半年程の経過ですが、ガーゼを使い、無水アルコールで接点を拭くと、結構黒ずみます。クリーニングを行う度に気になるのですが、接点の金メッキが、本物の金で、役にたっているのか気になるところです。

ターンテーブルの調整
カートリッジの針先にエネルギーを与えるのがターンテーブルの役割です、LINN LP-12の設置・取扱説明書に沿って調整しました。この取説(58頁)は、残念ながらリンジャパン(サウンドクリエイト)の製品には添付されていません。
 ・プリンスの水平出し
 ・回転数(rmp)の調整、モータの高さと角度
 ・モーター隈取コイルバランス調整
 ・電源(AC85V)ヘラクレス(Hercules)の電圧調整
 ・進角コンデンサーの調整
 ・スプリングの向きとバランス調整
 ・アームボードの高さ調整
 ・アナログケーブルの配置調整
 ・フロート・ゲル材の調整
 
トーンアームの調整
SME3009の調整項目が多く、取扱説明書に沿って、丁寧に行いました。
 ・水平バランス
 ・ラテラルバランス
 ・高さ調整
 ・針先の位置調整
 ・カートリッジの角度調整
 ・オーバーハング調整
 ・インサイドフォース・キャンセラー調整

 調整は、結構デリケートです。カートリッジを変える度に調整が必要で、面倒です。取り敢えず、デノンのDL-103用にフィティングしました。

針圧
 針圧は、デノンのDL-103の仕様に合わせて12%増の2.8グラムとしました。針圧は、トラッカビリティーの観点から、仕様で許される最重量にすると、良い結果が得られると思います。

サンプリングレートとゲイン
 RME FirefaceのAD変換サンプリングレートと、ルビジウム・ワードクロックを96kHz/24bitから、176.4kHz/24bitに改めました。又、入力ゲインもAD変換でサチュレーションしない範囲で高めに設定しました。

肝心な音
 聞き慣れたDL-103の音がします。特に歪も聴こえず、何でもない極普通の音です。消耗品の針も交換で、25,000円と廉価なので、こんなものでしょう。結論として、LPレコードプレーヤーは調整が命です。

HDMI(LVDS)を用いたi2Sの伝送 その2

 LVDSを用いて、RASDAC+ ProとマルチビットDAC(Soekris dam1021)の接続を試みました。
 音を出す事は、成功したのですが、クロックが一定間隔で外れて、デジタルノイズが重畳されます。フェージング現象の様に一定時間同期して、定期的に同期のサポートが堪えきれずにバースト・モードに外れます。
 原因が解らず、色々なDACと接続を試みましたが、組み合わせにより、症状が異なり、旭化成のAKMの様に全く問題ない組み合わせもあります。マルチビットDACと、ESS系の組み合わせは、比較的にタイトな様です。
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マルチビットDACのSoekris Europeのサイトはここ
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原因の追求
 残される手段は、LVDSのトランスポンダ(Transponder)の交換が考えられます。問題の切り分けとして、2年程前に入手したトランスポンダを止めて、先ずは、手作りアンプの会のI氏設計の送信機を換装しました。結果は、見事にクロックが外れる障害が解決して、安定稼働に移りました。

肝心な音は
 デンマークの首都コペンハーゲンの郊外に位置するグロストルプ(Gadstrup)から輸入したマルチビットDAC(Soekris dam1021 )と、素性の良いRASDAC+ Proと接続した音は、シングルビット系のΛΣに慣れた耳にとっては、充分にレボリューショナリーな音です。バランス(平衡)の電圧出力で試聴しましたが、電流出力のアンバラもあるので、電流アンプで試してみたいと思います。

ネットワークプレーヤーの電源
 電源は、総てリニア電源として、デジタル、アナログ、クロック、LVDSトランスポンダを各々分離して、アイソレートする予定です。

今後の予定
 RASDAC+ ProとマルチビットDACの音を長時間確認の上、この組み合わせで、ネットワークプレーヤーを構築する予定です。
 完成する頃には、リヌックスのMoodeaudio 4.0の製品版がリリースされて、OpenHome機能を使えるので、コントローラーとしてLinnのKazoo,Luminを活用する予定です。

オルトフォンMC20 Super IIの針を修理

 カンチレバーの折れた、オルトフォンMC20 Super IIに針を継いでみました。針の折れたMCカートリッジの現状復帰は、事実上不可能です。たとえ純正パーツの入手が出来たとしても、接着材による質力の増加、カンチレバーの継ぎによる歪率の変化で、基に戻すことは、絶対に不可能です。カートリッジの音質の支配度は、カンチレバー、スタイラスで決定されるので、順当に移植できたとしても、オリジナルとは、全く異なる物になります。しかし、そこは、お遊び感覚で、「瓢箪から駒」の発想で、カンチレバーの移植を楽しむことにしました。

MC20 Super IIの解体
 先ずは、MC20 Super IIの解体ですが、とてもシンプルに出来ていて、金メッキされた2本の螺を外して、外枠をスタイラス側にスライドすると、外れます。弱いダンプ材で固着していますが、本体に傷が付かない様にプラスチックのドライバーを用いて外します。Unmagneticの工具があれば別ですが、金属のドライバーは、カートリッジの磁力により吸引されて操作を誤ります。
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以下が、コイルとカンチレバーの根元
 磁気回路を構成するプレートは、簡単に外れるので、移植のし易さから外します。赤いダンパーはシリコン系のゴムのようです。このゴムのヤング率と、手前の四角いマグネットの磁束密度、コイルの線材の組み合わせで、製品のバラエティーを構成している様です。
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移植する針
 移植する針は、オリジナルのカンチレバーより少々太い事が肝要です。今回は、得体の知れないカートリッジの針より、廉価な新品のMMカートリッジの針を移植する事にしました。廉価で音の良い針を探したところ、オルトフォン「Omega」というカートリッジが、巷で好評なので、早速入手しました。スタイラスは、楕円針ですが、無垢のダイヤモンドでは無いようです。
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針の摘出
 針をニッパーで、カットする様な荒いことはできません。切り口が潰れて広がり塵となります。今回は、ルーターで少しずつ切削して、針を摘出しました。針が無傷で取り出せたら、針の後部にある、マグネットを外します。ここまで来たら20%程の進捗です。 

針の接合
 カンチレバーの接合は、最大の難関作業と言えます。ここで、移植の成否が決定される一発勝負です。接着剤は、固まるのが遅く弾性の低い無機系の物が良いと思います。今回は、メタルロックというエポキシ系を使いました。移植する側のカンチレバーをテーパー状に加工(広げる)為に、縫い針を使って、丁寧に広げます。そして、折れたカンチレバー移植するカンチレバーがスッポリ収まる状態に根気よく調整します。
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移植終了
 移植が成功したMC20 Super IIです。
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肝心な音
 オリジナルのオルトフォンMC20 Super IIの繊細な音とは全く異なります。シュアーのMM、オーディオテクニカVMシリーズの様な力強い太い音です。一寸聴き込んでみますが、お遊びとしては、先ずは成功です。それにしても、オルトフォンのカートリッジは、日本製、米国製のそれと較べて、精度が高く良く出来ています。今回は、初めてのカートリッジの修繕でしたが、とても楽しかったです。しかし、実体顕微鏡が無く裸眼では少々辛いです。
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