消音パソコン(クワイエットパソコン)へ移行 その3

消音パソコン(クワイエットパソコン)の電源の改善

 クワイエットパソコンの電源は、12V/160VAのパワーパックによる供給です。160VAというと13Aの比較的大型のスイッチングレギュレータで、高負荷の時には、盛大なスイッチングノイズが拡散される事が想定されます。 それよりもっと深刻な問題として、ATX電源をパワーパックからDC-DCコンバータで生成して、そのコンバーターが、ATX基板の電源供給のコネクタ付近に鎮座する事です。 折角、クワイエットパソコンを導入しながら、DC-DCコンバーターによるEMIノイズ対策が、全くなされて無いという重大な欠陥が判明して、早速対策を行う事にしました。 そこで、方法としては、DC-DCコンバーターをATX基板から隔離するとともに、EMIのフィルタリングを行って、可能な限りクリーンな、ATX電源の供給が可能な仕組みとします。その後に、12V/160VAのパワーパックの対策を考える事にします。通常のATX電源の場合、スチールケースでシールドされているので、問題点が少ない状況です。

DC-DCコンバーター
 ISL6440 300kHz Dual, 180°Out of Phase, Step Down PWM Controller を使ったスイッチング電源で、高効率ですが、ノイズまみれの真っ裸な基板です。これは、EMIフィルターと併せて、アルミダイキャストのケーシングが必要と思われます。それにしても、汚い基板です。ハンダ付けで、綺麗なフィレット(fillet:JIS規格 溶接用語 JIS Z 3001)が出来て無いです。
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ATX電源のフィルター
 手作りアンプの会の重鎮であるケンさんに、ATX電源のフィルター基w板を分けていただきまして、それを基に進める事にしました。先ずは、組み上げる前に、ファインメット・ビーズと6穴フェライトコアを繋いで、実際にスイッチング電源によるスパイクノイズの削減を体験する事にしました。

ATX電源フィルター基板
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テスト基板
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テスト環境
 入力電源:AC/DC Adapter 15V・1.2A
 負荷:純抵抗負荷 600mA
 スコープで入出力のノイズを比較してみます。
 純抵抗では、実態に合わないと思いますが、差を比較する事に主眼をおきこの方式としました。

得られた効果
 スパイク・ノイズが減衰していますが、使用するAC/DCアダプターや負荷電流でノイズ・スペクトラムは異なりますが、ファインメットの抑制能力は安定しているようです。

高負荷の状態 青:入力 赤:出力
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 高負荷の場合、スパイク状のノイズが現れますが、見事に削減されてます。

低負荷の状態 青:入力 赤:出力
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低負荷の場合は、全体的にSNRが改善されるようです。高負荷より低負荷時の電源の挙動が不明で、効果は薄れます。

ファイメット・ビーズ
 ファインメット・ビーズはFT-3AM B4AR
 ファインメット・ビーズは、FT-3AM材を用いた小型のビーズコアで、リバース・リカバリー電流などの半導体スイッチング素子のスイッチング・サージ電流・電圧のサプレスに最適で、今回の消音パソコンの電源ノイズを押さえるのに最適です。それと併せ技で、六孔のフェライトコアーを用いて、フィルターを形成します。ファイメットとフェライトコアーは、効果を成す周波数帯域が異なり、シリーズに繋ぐ事により、カスケード状に効果を発する事を目指します。
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6穴フェライトコア・チョーク
 Wurth Elektronik WE-UKW
 詳細はここ
 
パッケージタイプ ラジアル/アキシャル両用
インピーダンス @ 25 MHz 920Ω
インピーダンス @ 100 MHz 961Ω
定格電流 3A
タイプ フェライトビーズ
寸法 6 (Dia.) x 10mm
高さ 10mm
直径 6mm
材料 フェライト
適応範囲として、PC、テキスト処理機器などのデジタル機器の基板上のコンポーネントを無線周波数干渉から保護
リード線 ニッケルメッキ無酸素銅

今後の予定
 ノイズフィルター基板にビーズとチョークを実装してから、アルミダイキャストケースに格納後、再度測定を行う予定です。スイッチング電源のPWM 300kHz付近の減衰を意図したら、ムラタ製のBNX016を併用した方が、効果的に思えます。又、更に理想的には、出力側の電源ケーブルのシールド対策と、ケーシングとしては、肉厚10mm程のアルミダイキャストが良いのですが、先ずはタカチ工業の既製品で進めてみます。