リレー式アッテネーター とりあえず最終

 チャンネル間のレベル調整の為にマルチCPU方式に拘りましたが、ロストインターラプトによりステータスの不一致が生じて、残念ながら最後は玉砕状態で、シングルCPU方式に改めました。
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 ゲインの表示装置が一つになりました。

シングルCPU方式への改造
 以下の様にリレー駆動をバスラインで同期する様に改造を行いました。 Reversible Moter Driverでラチングリレーを駆動してますが、改善によりリレーの負荷が三倍になりますが、耐負荷では問題ない範囲です。
 改造に要する時間は、半日フルに掛かりましたが、特に問題なくステディーに動作しています。
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 リボンケーブルがリレーを駆動するバスラインです。

減衰特性の測定
 今回のプロジェクトを終えるにあたって、改造も正常に終わりメインシステムに投入する前に、体力測定を行う事にしました。
 以下の様に抵抗の変化特性は、綺麗な指数関数で得られていて、各チャンネル間の電圧の差は1mV以下の範囲内に収まっています。そして、今回採用した肝のVishay MELF形無誘導金属皮膜固定抵抗(±0.02%の許容差)が精度に寄与している様です。
Vishay MELF形無誘導金属皮膜固定抵抗の情報は、ここ
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X軸:ゲイン(回転角度に相当)、Y軸:出力、Z軸:チャンネル(12チャンネル)
特性曲線の誤差が少なく綺麗なリボン状に見えます。
上記のグラフを片対数で表現すると以下の様になり、粗が見えてきます。
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肝心な音は
 音質の変化が極めて少なく、無色透明と言う表現が相応しいと思います。以前より音量を下げても細かい音が良く聞えます。 最後に消音処理を簡単に行いこのプロジェクトの最後とします。今日は、ざる蕎麦と恵比寿で、ひっそりと乾杯をします。

リレー式アッテネーター 改善 その11

IRリモコンデータのリクロック(フォーマットの立て直し)を行いました。
 IRフィルターで改善を行った結果、マルチCPU(台湾製のSTC15 seriesの LQFP)で、問題のロスト・インターラプトが皆無にならないので、手作りアンプのI氏により、IRリモコンのフォーマットの検証と建直しを行うPIC12F1501(16MHz)とソフトを用意していただきました。
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IRデータのリクロック
 IRリモコン(NECフォーマット)のIRデータを受信して、解析して正しいフォーマットのデータのみを、きれいなパルス列にして送出する機能のPICです。 その信号の出力は、IRセンサーと同等の38Khzに変調された出力を行います。これにより、ノイズ等により、壊れたデータの除去を行い、正しいフォーマットのデータのみ転送して、IRデータのクロックの揺らぎ、信号の減衰による誤動作を避ける事が出来ます。又、この装置(機能)は、1系統の入力で、複数の機械に並列で送信したりインピーダンスが高くて、信号線を延ばせないIRセンサーの出力ケーブルを延長する等、応用範囲が考えられます。

回路図とソフト
 回路図は以下の通りで、400ステップ程のソフトで構成されています。
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取り付け
 以下の様に、IR受信機と、本体制御部の間にリモコン、リクロック装置設置しました。データを受信した時、青いLEDが点灯します。右端の5Pコネクタは、ソフト更新用です。
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改善状況
 ロスト・インターラプトによる、ステータスの不一致(ズレ)は、大幅に改善されました、しかし、未だ0.5%程(200回に1回)のエラーが生じます。それも特定のキーの組み合わせで生じます。具体的には、電源オン/オフ、ミュートオン/オフ、リセット機能を行った直後に生じて、通常の音量アップ/ダウンでは、皆無となりました。これらにより、IR受信機能の問題点が改善されたものの、STC15 seriesの LQFPのコントローラーに内在するソフトのバグがあり、それが最後の問題点として残った様です。ロスト・インターラプトを皆無に処理するのは至難の技で、Windows等は、頻繁にロスト・インターラプトを起こして、再入力で成り立っているシステムですから、それに比べれば、可愛いものです。

今後の進め方
 最終的に、試験と改善を行い、コントローラーのバグでまでは判明できましたが、当方としては直ぐに対処できません。従いまして、現在のマルチCPUの方式から、シングルCPUの制御方式に改める事にします。これによりチャンネル間のレベル調整に手間取りますが、アッテネータとしての機能は問題ないと思います。そして、このリレー式のアッテネータは、I氏設計の新バージョンが出来るまで、暫し繋ぎで利用することとします。

リレー式アッテネーター 改善 その10

太陽光と蛍光灯からのガード
 インバーター式蛍光と太陽光下でロスト・インターラプトとなる件について、対策してみました。赤外線透過ガラス(R2)で赤外線に至る可視光線をカットしましたが、カットのスロープが緩やかで、それが一つの原因かと想定して、IR受信機側にシャープな赤外線フィルターを用いて実験してみました。

赤外線フィルター
 富士フィルムのIR(Infrared sharp cut) IR90(900nm)とIR78(780nm)を用いて実験を行いました。
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フィルターの性能
 フィルターのカットオフ性能は以下のとおりで、赤外線送受信機の38kHz(950 nm)を通過させて、それより波長の短い可視光線から紫外線を完全にリジェクトします。
IR90(900nm)を用いた場合、38kHz(950 nm)は75%の透過率となりIR78(780nm)の場合は、減衰無し(透過率約100%)となる筈です。
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   赤い線のアノテーションが、38kHz(950 nm)の位置です。

IR送信機の改善
 右がオリジナルの送信部分で、左側はミラー加工を行い指向性を付けました、これで、実質送信出力が+3dB程度アップしたので、0.75に減衰した分の補填が出来たかと思います。
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バッテリーを新品に交換して比較(上:オリジナル、下:加工したもの)
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実験結果
 送信機の発振部分に指向性を設けて改善を行いました。さんさんと太陽光が降り注ぐ室内と、インバーター蛍光灯の直下で実験をしてみました。結果は大分改善されたものの、未だ々と言ったところです。照明に対する改善はこれで様子を見ることとします。

リレー式アッテネーター シェイクダウン その9

 リレー式アッテネーターをメインシステムでシェイクダウン(Shakedown)しました。念願のマルチチャンネル・アッテネータですが、完成まで後一歩と言いたいところですが、問題は基本的な制御機能にあり、見直しが必要です。
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肝心な音は
 最大の課題である、音については全く問題なく、今まで作製した電子ボリューム、8連ポテンショメータに比べて、ベストだと思います。パッシブですので、入力ゲインに制限が無く、音は、静かであり、音量を変えても音質が変わらず、音量を下げても楽しめると言った感じです。例えれば、良く設計されたパッシブネットワークの様な感じです。

唯一の問題点
 唯一の問題、しかし最大の問題点は、IR(infrared)受信機能が誤動作する事です。特に、インバーター式の蛍光灯、強い太陽光の下で顕著に生じます。IR受信機は、38kHz程度(950 nm)の赤外線パルスで動作でしますが、太陽光と蛍光灯は原因が異なるようです。部屋を薄暗くすると安定動作します。又、IR受信機を複数買い求めて交換しましたが、改善する事が出来ませんでした。

IR受信の改善
 IR(infrared)受信機能を改善する方法として、IR受信機の受光部にレンズをつけて指向性を付ける方法が考えられます。又、メーカー製の機器を見ると、何らかのカバーが有って、正面のリモコンの光軸に合わせて、斜めの光を遮っている様に思えます。

根本的な問題
 今回のアッテネーターは、低域、中域、高域と3個のマイコンチップを搭載して、自由に減衰量の調整を可能としましたが、これが憾めとなり誤動作の原因にもなっています。

今後の予定
 やっと形になりましたが、細かな問題があり、一寸、憂鬱です。早々と見切りをつけて、新たなアッテネーター のプロジェクトに進んだほうが幸せになれそうです。手前味噌ですが、音が最良なだけに残念です。
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DAC馬鹿一代

DAC基板三枚も買ったぜ~俺ってワイルドだろ~ いや、阿呆なだけです。

 何、とち狂ったのか、不要なDACを大人買してしまった、それも三枚も
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 TI製PCM1792を使ったDAC基板で、I-V変換部のOPアンプとして別途購入が必要との事で付属してません。それも推奨のOPアンプが、OPA627APが4個とのことです。又、このPCM1792はソフトウェアー・コントロールで、マイコンチップにより機能の設定を行います。
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 電源を投入した初期状態でも動作しないことは無いのですが、入力フォーマットは24bitのI2S信号のみ、DSDフォーマットの音源は再生できない、Delta-Sigma Oversampling は64fs のみ、内蔵Digital FilterはSharp Roll off のみという制約の基に動作します。これらのパラメータを有効活用するには、マイコンチップ(PIC16F876A等)によってSPIドライバを製作する必要があります。
 こんな面倒なPCM1792の基板を購入しないで、素直にハード設定のPCM1794を選択すれば良かったと後悔しています。
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 悲しい事にTIのサイトを見ると「この製品は新規設計へのご使用を推奨しません」とあります。PCM1792は、もう時代遅れなのですね。

miniDSP用DAC
 miniDSP社のminiSHARC Kitを購入してi2Sで接続してデジタルチャンデバを構成する予定でした。しかし一寸重装備で、モチベーションが沸きません。何と、このDAC基板は日本製で、電源、信号線がアイソレートされている高品質機種です。中華製のレジストの色とアースのビアが異なり、産業用と思える程に美しく丁寧な作りです。
 http://www.ratocaudiolab.com/product/kit/rex_k1792da1/

 以下がminiSHARC KitのURL
 https://www.minidsp.com/products/minidspkits/minisharc-kit

リレー式アッテネーター 完成 その8

 動作確認と、レベル表示窓のガラスを入れて、工作の最終としました。
 赤外線透過ガラスを取り付けるのは、結構難しかったですが、時間を掛けて丁寧に行ったので、綺麗に取り付けることが出来ました。
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試聴の結果
 とり合えず試験システムのAVアンプを適当なボリューム位置(比較的大きな音)として、バランスではなく、アンバランスで試聴しました。音は今まで作製したボリュームとしては、ベストだと思います。減衰量が2のバウンダリーの場合、実質的に機器間に入る抵抗が1本となるので、これ以上の単純な仕組みは望めません。それが音の良化に結び付くと良いのですが・・・
 明らかに、AVアンプ的な音で、特性上で歪を伴う電子ボリューム(PGA2320、MUSES72320系)とは、抵抗だけで歪の無いアッテネータの音とは、だいぶ異なります。

電子ボリュームの歪特性
以下が、電子ボリュームのPGA2311Aの理想的な動作状態での歪特性で、入力2V(+4dBV)強で猛烈に歪みます。他の電子ボリュームも電圧違いがあれ、スレショルドを超えると歪が生じて、単なる抵抗のアレーだけで無い事が解ります。その証拠に1Vの入力に利得が生じており、何らかのバッファーが仕組まれています。
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音の良さを順番で表現すると
  甲 : 抵抗切り替え式アッテネータ
  乙 : デジタルボリューム(倍精度浮動小数点数制御)
  丙 : 電子ボリューム
  丁 : デジタルボリューム(短精度浮動小数点数制御)
  戊 : 摺動式のカーボン・ポテンショメータ
 
抵抗固有の音質
 摺動式のポテンショメータの音は論外として、固定抵抗の種類により音が異なります。音の良い抵抗の代表として、ビシェイ(Vishay) 無誘導金属箔抵抗Z201とか、VSRがありますが、かなり高額です。今回採用したVishay MELF形無誘導金属皮膜固定抵抗は、特に問題無さそうです。
VishayのMELF(Metal electrode leadless face)
http://www.vishay.com/docs/48035/_vmn-sg2207-1507.pdf
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リレー式アッテネーターの仕様
アッテネータのステップ数 :64ポジション
レンジ : -62.9dB~0dB
平均ステップ当りの減衰量:0.999dB
入力抵抗: 47k~52.58k
出力抵抗: 0~23.17k

抵抗の仕様
 以下の図をクリックすると拡大されます
XDesign-Resisters.jpg

デザインの不出来
 縦横の比が、黄金比でもなく中途半端で最悪です。この横幅の要件は、格納するリビングボードの大きさに合わせて作製したので仕方ありません。綺麗には出来きましたが、デザインは良くないと断言できます。仮設置してみましたが、縦が長くて締まらないデザインです。少なくともLPプレーヤーの厚さには合わせたかったです。
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今後の予定
 メインシステム投入の準備として、バランスケーブル12本を作製します。又、高さは、50mm以下としないと、形になりません。
次の製作では、横幅250mm以下,縦50mm以下で、再作製を行いたいと思います。その時はSPL Volume8の時に購入したマルチトラック用ケーブル(D-SUB25)が活用できます。
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第二回 KICAD講習会に参加

 本日、手作りアンプ会主催の第二回 KICAD講習会に参加に参加してきました。前回からの引き続きで、自動配線から、細かい調整、そして基板製造会社に作製を依頼するガーバーフォーマット(Gerber Format)の作成と、データ作製の講習とハンズオンを行っていただきました。ガーバーフォーマットとは、ジョセフ·ガーバーによって設立されたGerber Systemsにより開発された、プリント基板作製データのデファクト・スタンダードで、印刷業界に置ける、Acrobat(PDF)とか、イラストレータのEPSデータと同じような位置のデータ・フォーマットです。

講習の様子
 KiCADをインストールしたパソコンで前に座学で行わました。
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 複雑な基板を基に詳しい説明
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作製したプリント基板
 回路図を基に、自動配線を行いました。
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基板の3D表示
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講習を受けて
 今回の講習会は、肥後@中野さんにより実現しましたが、2日間延べ16時間に渡り丁寧に教えていただきました。プリント基板の作製なんてとても無理だと思っていましたが、実際、順序立てて丁寧に教えていただくと、それ程に困難では無く、何とか習得の糸口を見つける事が出来たようです。
 肥後@中野さんありがとうございました。

しだれ桜

 今日は東京都文京区にある六義園の桜を見に行ってきました。
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© 2017 grigri. Carl Zeiss Compact Prime CP.2 85mm/T2.1

 ここの桜は、薄紅色の花が流れ落ちる滝のように咲き誇るしだれ桜が有名です。第5代将軍徳川綱吉の信任が厚かった川越藩主柳澤吉保が7年の歳月をかけて造り上げた回遊式築山泉水庭園の中央にあって、高さ約15m、幅約20mあります。
 残念なことに、ここは、お酒の持ち込み禁止なのです。

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© 2017 grigri. Carl Zeiss Compact Prime CP.2 85mm/T2.1

リレー式アッテネーター 完成直前 その7

 ケーシングを終えて、動作確認を行いました。メインシステムに投入する前に、サブシステムで、十分に試聴、負荷試験、最終調整を行う予定です。
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操作概要
 音量の増減は、リモコンを基本とします。正面の三行の数字は、上からトゥーイータ、スコーカー、ウーファーの音量を表します。減衰量をデシベルで表すと、∞、-63dB~0dBと表示する事になりますが、音量の把握という点では、ミュート(ゼロ)、1~64とした方が自然ですので、単なる尺度として表示します。
 音量は、リモコンの増減ボタンで調整します。電源オンオフを行ってもラッチング形リレーを用いているので、電源断の状態を物理的に記憶しています。電源投入して、立ち上げ時点で、マイコンが、その状態を調べてソフトのテーブルの同期を行いその数値を表示します。
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 左のノブは、3Wayの内、個別に音量を微調整したいチャンネル(左右))を選択します。
 右のノブは、左のノブで選択したチャンネルの音量を増減するロータリー・エンコーダーです。
 例えば、3Wayの内、トゥーイータのみ1dB減衰する事が可能です。同様にスコーカー、ウーファーの音量も個別に調整可能です。そして微調整した状態で、リモコンにより増減する事が可能です。良くある例として、「一寸高域だけ下げたいね」と言うときに効果を発揮します。最近は余り見かけませんが、左右の音量を個別に調整してロックする同軸型のボリュームが有りました、それと似てますね。

ミュート
 ミュートスイッチはリモコンのみに存在して、全チャンネルを即座に無音状態にします。リリースするとミュートした直前に戻ります。

パワースイッチ
 ミュートスイッチと同じ機能ですが、ホトモス・リレーを用いて、他の機器の電源を制御できますが、今回は、配線しないで、隠し機能としてしまって置きます。電源投入のシーケンサー付きの電源モジュール(コンセント)を用意すれば、この機器から連動可能です。
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本体の電源
 本体の電源スイッチは設けませんでした。個人的にオーディオ機器個別の電源スイッチは不要だと思います。

製作途上でのトラブル
 ロータリーエンコーダーのエンコードでアンダーランが生じました。今回使用した光学式のエンコーダーが精細すぎて、マイコンの処理が追いつかず、ロスト・インターラプトが生じます。対策としては、廉価なメカ式(スイッチ式)のエンコーダに変えたところ、解決しました。マイコンの処理能力(サンプリング時間)に合わせたブルアップ時間を有するエンコーダの選択が必要です。 シングル・ステイブル形のリレーに比べて、ラッチング形リレーの場合、メイク/ブレークのパルス幅が広いので、サンプリングを早くする事が出来ません。
 IR受信機に対するノイズ処理が必要な事が解りました。後でわかったことですが、インバーター式の蛍光灯からのノイズが、IR受信機に乗り、動作がランダム動作になり、一時は製作の放棄を考えました。IR受信機はインピーダンスが高く、ケーブルを少しでも長めにすると問題が生じる事が解りました。
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今後の予定
 4月の三土会(4月15日)までランニングを行い、問題点を出し切ります。その後、連続運転等、負荷試験、試聴を行い、メインシステムに投入する予定です。それから、表示が明るすぎるので、LEDの抵抗値を調整して、中の配線が見えない程度まで明るさを下げる予定です。左右のレベル調整を考えましたが、聴く曲毎に左右のバランス調整を要したアナログLPの事は、考慮しない事にしました。