Soekris dam1021 のビルドその2

Soekris dam1021 の音出し
 一寸苦労しましたが、無事に音が出せました。
 完成基板なので、容易に音出しが出来ると高を括っていましたが、
思わぬ落とし穴にはまり、結線ミスに気づくまで、三日程費やしました。

製作上での考慮点
 今回は、電源トランスと本体PCBを可能な限り隔離することと、電源の低ノイズ化と安定化を可能な限り施しました。結果、素人用オシロで測定不能な程の低ノイズ電源ができましたが、電源の占めるスペースが本体PCBより広大になってしまいました。
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肝心な音
 高級なオペアンプ(LME49724)を出力のバッファーに使って平衡と不平衡の出力を可能としていますが、それを通す前のRAW出力が可能です。
 バッファーを通す前のRAW出力は、SEで1.4Vと低めです、それと比べて、バッファー出力は、低インピーダンスで2.0V(平衡4.0V)を有します。
 RAW出力は、当然ながら極めて鮮度が高く、今後一週間程の稼動で良化する事が期待できます。それと比較して、バッファー出力は力強い音がしますが、一寸煩く感じます、これも今後良化する可能性を秘めています。
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Soekris dam1021のフリンジ商品
 dam1021DACの操作性向上を優先して、音を悪くするサードパーティーのフリンジ商品が発売されています。
 Input, switch and output muting modulesはここ
 https://drive.google.com/file/d/0B5yzwtQVo5opRFhpNURQdERnRnM/view
 入力セレクター、ポテンションメータ、S/PDIFレシーバーのセットに加えて Raspberry Pi による制御が可能です。
 これでは、ノイズの塊であるスイッチング電源を多用したRaspberry Piを使い、マルチビットDACのメリットを無くす駄目なセットと言えます。
 
このDACのお勧め度
 ハッキリ言って、このDACはコアな商品で、入手から稼動まで大変な労力と根性を要します。今後の可能性は未知数ですので、得られたメリットと比較して、手放しでお勧めできません。入手して、二電源を繋ぐのみでは、良い音が得られませんので、個人的にはお勧めしかねます。ES9018Sを用いたDACの入手をお勧めします。

今後の予定
 今回は、一番音の悪いと思われるS/PDIF接続での試聴すが、明日からは、i2s、LVDS(HDMI)接続の試験を行う予定です。

Soekris dam1021 のビルドその1

Soekris dam1021 のビルド

 このDACの設計者である Soren Kristensen の製作記事を見ると、パワーラインのコンデンサーを増量した方が、フィルター効果が改善されて特性上好ましいと記載されています。音出しを行ってない現時点での容量追加は、可逆性を優先した改善を行う必要があるので、各機能別の電圧チェック端子にコンデンサーを追加する方法で行う事としました。
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 電圧チェック端子には、デジタル+1.2V、+3.3V、+-5V、アナログ+-12V の6電源が、アナログの電源から、DCDCコンバーターで各電圧を作り上げられています。この方法は、このDACで唯一気に入らない部分です。表面実装されている電解コンデンサーも大した物で無い事が解っているので、写真の様に大容量の導電性高分子アルミ固体電解コンデンサを追加する事にしました。
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製作の進み具合
 主電源の準備ができたので、部品の取り付けと、i2s入力の準備を始めました。今回もバラックで組み立てる事としました。

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左から、入力:LVDS(i2s)、S/PDIF、
出力(R/L):R-2R Direct SE、Buffered balanced(XLS)、ヒューズ、電源
 
i2s入力
 LVDS(i2s)入力と、TTLレベルの入力を切り替えて使える様に工夫しました、又、LVDS用に3.3Vのアイソレートされた安定化電源を設けました(黄色い基板)。

今後の予定
 当初、簡単に組み上げられると思ってましたが、手持ちの部品の準備、金属加工等、結構てこずりました。
 この先は、インターコネクト中心の加工で、今月末には当初目標の組み立てが終わる予定です。

久し振りにメインスピーカーの健康診断を行いました

 何時も様にOmnimicでの定点観測です。
 今日は天気が良く暖かな日差しに囲まれて測定すると汗ばみます。空気が乾燥しているせいか、低音がスッキリして加速感があり、音楽を聴くと気持ち良いです。スピーカーの音(特に低音)は、日本の様に多湿な環境下では、その時の室温、湿度でかなり音のイメージが異なります。

測定結果 
 以下の測定結果を結果は、軸上1メートルで、イコライザーによる補正は行っていません。各ドライバーのゲインだけの調整結果ですが結構フラットです。
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 1kHzと3kHzにピークが有りますが、無理して潰さなくても、気持ちよく聴けるので、触らない事にしました。

秘密兵器
 ミッドのスピーカーを以下の様な、シリコンのクッション材で浮かせました。
 クッション材はハリボー(ここ)のグミの様に柔らかく、乗せたミッドを指で触ると、ウネウネ、ヌルヌルと動きフローティング状態です。これはTakeさんに教わった方法で、とても効果があります。ミッドに手を触れて調べると、ウーファーの振動が全く伝わりません。
 効果を一言でいうと、静かになり雑味が減少しています。
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フローティングの状態は以下の動画で


イコライザー
 foobar2000のイコライザイには二種類あり、一つは当初から添付されている18バンドのFIRの Equalizer と、コンポーネンツとして取り込む、31バンドのIIRの Graphic Equalizer があります。いずれも使用すると音の劣化は避けられません、特に使いやすい31バンドのIIRフィルターのイコライザーは、過渡特性が悪化して鮮度が落ちて猛烈に音が悪化します。これは位相が直線で無いのが原因です。未だ18バンドのFIRフィルターの方がましと言えます。
 イコライザーは基本的に補正ですので、よほど特性が悪くて、聴くに耐えない部分のみの補正に使うべき物だと思います。
 foobar2000のイコライザーは補正を行わなくとも、DSPに追加するだけ音質が悪化します。

Graphic Equalizer 31バンド IIR
出来たら使わないほうが良いです。
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Equalizer 18バンド FIR
上記のイコライザーより大分ましですが、使わない方が良いです。
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 イコライザーを使わない場合は、DSPのプラグインから外した方が、音が確実に良化します。

R-2R DAC Soekris dam1021の電源準備

 TPS7A4700という出力電圧可変のLDOを用いて、マルチビットDACに用いる電源を作製しました。折角、希少価値の有るR-2RのDACを入手したので、思いっきり凝った二電源を用意しました。
 +-二電源で、TPS7A4700のANY-OUTプログラム・ピン(アクティブ・ロー)のグラウンドに落とす組み合わせにより出力電圧の設定が可能です。リニアテクノロジーのLDO等は、外付けの抵抗、ポテンショメータ等で電圧を調整しますが、それらの抵抗群が内蔵されおり、それを選択する構造です。
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肝心なノイズ対策
 ノイズ対策は、ムラタのEMIフィルタ(BNX012)と、未来のデバイスである東芝製のシリコンカーバイド・ショットキバリアダイオード(SiC SBD) TRS6E65C 8個をブリッジ構成にしてノイズ対策をおこないました。
 電解コンデンサーの間に鎮座しているEMIフィルタは、1MHz~1GHzで40dB以上の損失が得られながら直流抵抗が0.8mΩと、かなり効果的です。
ムラタのEMIフィルター(BNXシリーズ)はここ

電源トランス
 電源トランスは、ドイツ製 Nuvotem Talema 製のトロイダルトランスを用い漏れ磁束の最小化を目指します、部品の性能には不足は無く、後は実装の知識とテックニックが問われるだけです。
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実装
 殆どの受動部品がチップです。特にTPS7A4700のハンダ付けが難しく、新たなハンダ鏝を購入する事になりました。
 又、ヒートシンクの取り付けが難しく、熱伝導性シリコーン系接着剤(熱伝導率7W/mK)で装着する事が出来ました。
 二電源のノイズの基となるパイロットランプのLEDは、動作確認後、片足を切りNull化する予定です。

今後の予定
 DAC、電源、i2sアイソレーター、LVDSトランシーバーが揃ったので、今週から音出しを行い、動作確認が出来次第ケーシングを開始する予定です。

ハンダ付けの補習(リハビリテーション)

 テキサス(TI)のTPS7A4700は外付けの抵抗値を組み合わせて、希望の電圧を得るLDOとして有名です。そのICのハンダ付けを失敗して、初心にもどり、ハンダ付けの知識のリハビリテーションを行いました。
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 参考にした書籍は「目で見て解る はんだ付け作業」基本編と、鉛フリーはんだ編で、この本から以下の知識を得る事ができます。

 1.目的に合ったハンダの選択
 2.熱の伝導方法
 3.ハンダ時の温度管理
 4.適切なハンダの量
 5.目的に合った鏝先の形状
 6.フラックスの適切は使い方
 7.ハンダ鏝の良し悪し

欠落していた知識
 久し振りに読み返して、ハンダ付け作業で思い当たる節が見つかりました。
 それは、熱の伝導方法で、糸ハンダを鏝先に直接当てて溶かして、それを母材に付けていましたが、これは大きな誤ります。正しい方法は、鏝先で母材に当てて温めて、「母材の温度が上がるのを見計らって糸ハンダを供給する」が正当です。これにより、ハンダが毛細管現象により濡れたように浸渡り、きれいなフィレットが形成されます。

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ハンダ鏝の種類
 正直言って、素人が使うハンダ鏝で、日本製で、これと言って良い物が有りません。日本製で強いて言えば、一番下段のHAKKOの自動温調のハンダ鏝です。上の鏝は、使用しやすいと思う順番に並べました。

 やはり、英国のアンテックス製(上の二つ)は、持った時のバランスが抜きん出ています。一言で言えば、筆記用具(ペンより鉛筆)の様です。ケーブルに変な癖が無く、ケーブルが無い様に感じます。三番目は米国のアンガー(Ungar)製もとてもバランスが良く使いやすいです。それに比べて、HAkkOの鏝は自動温調で酸化膜ができにくい所が良いのですが、持った時のバランスが、今ひとつと、最大の問題点は、グリップの黒い部分(写真の赤い丸の部分)が触れないぐらい熱くなり長時間使うと低温火傷を負い、指先の皮膚が剥けてきます。
 アンテックス、アンガー製は、熱くなる部分がグリップより少々小さく出来ており、この部分を触ることは有りません。
 残念ながら、この手の道具の日本製は未だ々改善の余地がある様です。
 それから、時々母材への熱の伝わり方が極端に悪い事があります。

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 この縦の出っ張りが、指にシックリきて滑らず、素晴らしいグリップ感です。
 HOZAN(ホーザン) 15W H-130がアンテックスに形状に近いですが、ケーブルの存在感が無いと良いのですが・・・
 昔から船具、馬具、スポーツ用品、道具は、日本人が器用な為か欧米の様に真剣に改善されてこなかった様です。

ハンダ付けの例
https://youtu.be/rBB3c254pOQ