Soekris dam1021 Sign Magnitude R-2R DACの入手

 ケンさんにマルチビットのDAC基板の存在を教えていただきまして、Soekris dam1021 Sign Magnitude R-2R DAC(0.02% resistor version)を早速入手しました。入手先は、米国のSoekris Engineering, Inc.から直販で入手しました。Soekris Engineering, Inc.はカリフォルニア州 Scotts Valleyにあり、FedEx International Economyで5日程で入手できました。
 R-2R network型式のDACの場合、そのラダー抵抗の相対精度により分解能が異なり音質に直に反映します。製品として、0.01%、0.02%、0.05%の三種類がありますが、Price/Accuracy から、バランスの良い0.02%を入手する事としました。

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 R–2R resistor ladder networkですので、基板上に相対誤差0.02%のチップ抵抗がビッシリ並んでおり、青大将(Elaphe climacophora)の鱗の様です。24ビットですが、そこまで分解能を有すほど精度が確保されているか気になるところです。ラダー抵抗の誤差が0.02%だと13bit~14bitの精度が限界かと思われます。
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 マルチビットDACは、テキサス(BURR-BROWNブランド)のPCM1704が有名で、製造の歩留まりが悪く、今でも6,000円ほどの価格で入手可能です。これとは別に現在でもマルチビットDACを主力商品としているMSB Technology Corporation(1986年創立)が有ります。 「何時かはクラウン」ではなく、「何時かはマルチビットDAC」の音が聴きたくて、入手に至りました。 MSBのDACと同じとは思いませんが、少しでも同じ方向の音が出せれば幸せです。

MSBのDAC
http://www.msbtech.com/

機能概要
 基本機能としてR-2R (加算型)DAC機能をサポートするフリンジの機能が盛り沢山です。詳細は追って少しずつ理解しながらハンズオンするとして、概要は以下のとおりです。ハイライトは、R-2RDAC他に、シリアルインターフェース(RS-232C)とWindows Tera Term を用いて、ファームウェアーの更新が出来て、DSD、FIR(カスケード状のデジタルフィルター)、マスタークロックの出力等が出来きます。
 この基板を3セット入手して、FIRのフィルターでi2s入力のチャンネル・デバイダーを構成する事が可能ですね。

初期機能
The initial release (“v1) of the firmware together enables the following features:
 1. I2S input up to 384KHz sample rate (tested to 192KHz)
 2. SPDIF input up to 192KHz (tested to 96KHz)
 3. Automatic De-emphasis for 44.1KHz material
 4. Built-in set of simple FIR filters for all sample rates
 5. Digital volume control through simple potentiometer
 6. Automatic input selection
 7. Data reclocking: s/w PLL with 0.02 Hz low pass filter
 8. S/W interface (serial interface) allows:
  1. Volume control (e.g. with Arduino and RS232 interface)
  2. Input selection (e.g. with Arduino and RS232 interface)
  3. Loadable FIR filters including bypass filter for NOS support.
  4. Firmware update/upgrade

ファームのアップで実現する機能
 1. DSD support
 2. Filter cascading for digital crossover
 3. Filter cascading for balanced use
 4. Master clock output
 5. 4 FIR1 filters for each sample rate selectable through
     the serial port with a default selection (#2)
  o Linear Phase
  o Medium, optimized mix between Linear Phase and
    Minimum Phase
  o Soft, mostly Minimum Phase but not that good alias rejection
  o No filter, also called non oversampling, no alias rejection
 6. Improved response for FIR2 filter which will be modified to be
    pretty soft….
 7. Enabled TTL-level serial port on the isolated side (3.3v)

マルチビットとシングルビットの音
 ・ マルチビットDAC :力強い、重厚、芯がしっかりしている、鮮やか
 ・ シングルビットDAC:繊細、さわやか、エコーが不自然、一部の音が欠落

今後の計画
 先ずは、R-2RのDACとしてトラポとi2s(Non LVDS)で音出しを行い、ケーシングを行います。
 次のステップはファームウェアーを更新して、DSDの機能を実現する予定です。
 しかし、DSDを聴いて良い印象が無く、96kHz/24bitの方が好感触を得ています。
 さて、どうしたものか・・・

i2sケーブルの耐ノイズ対策

  i2s(Inter-IC Sound)は、基本的に、LRCLK、BCLK、STATAの3本の信号線(リターンを含めると4本)で構成され、それ以外にデジタル信号の動作基準となるクロック信号MCLKが方式により追加される場合があります、MCLKは無くても伝送は可能です。i2sの規格は結構古く、1986年2月にPhilips®セミコンダクターにより定められたシリアルバス・インターフェースで事実上のデファクトスタンダードと言えます。
 そのi2sを用いてトラポとDACを長め(200mm)程度の極普通のバラ線で繋いで、ハイサンプリングの曲を聞いたところ、スッキリしないばかりか、クロックが外れるエラーが生ずる事が判明しました。そこで、i2sケーブルの耐ノイズ対策を行う事にしました。

耐ノイズ対策ケーブル
 早速、ケーブルを作製しました。
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以下は、短すぎの失敗作
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ケーブルの概要
 1.ケーブル長は、150mm以下としました。
 2.ケーブルをシールドして、それをセンダー側のグラウンドに落として、
   レシーバー側はシールドのグラウンドを落としません。
 3.隙間を埋める為にシールドと銅箔をハンダ付けしました。

肝心な音
 効果絶大で、クロックが外れるノイズが皆無となり、雲が晴れたように音がすっきりしました。
 i2sは、USBのアイソクロナス転送と同様で、エラーコレクションがされないストリーミング伝送なので、エラーが生じたとき、音に結果がでる方式と言えます。
 USBのバルク転送の様に生成多項式(サイクリック・チェック)でビット化けを検出して再送する方法で無い故、音の良し悪しはケーブルの出来にディペンドすると言えます。

今後の問題
 i2sは音が良いものの、ケーブルの扱いが、とても難しいと言えます。それもその筈、同じ筐体内に基板を格納した場合のインターフェースですから、無理もありません。筐体の外に信号を取り出す事自体、不測の事態に遭遇するリスクを背負い込みます。そうゆう意味では、S/PDIFは音質より可要性と汎用性を優先した方式と言えます。

i2s(Inter-IC Sound)のトランシーバを作成

 i2s(Inter-IC Sound)でトラポとDACを繋ぐには、100mm程度以内で繋げる環境の場合、LVDS(HDMI)を用いずに直接フックアップする方法が、音も良いしi2s本来の繋ぎ方です。しかしトラポ、DAC等をそれなりの筐体に納めると、TTL間同士で、少なくとも300mmは必要となります。そこで、必然的にLVDSで繋ぐでのですが、今回は、やなさん基板の受信機基板を入手しましたので、これでトランシーバの環境が備わった事になります。
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 今回のレシーバーにはアイソレータとして、TIのISO7640FMを用いて、LRCLK、BCLK、SDATA、グランド、PCM/DSD識別の計5チャンネルとして、MCLKはDAC側で叩きなおす(Reclock)事としました。
 部品が比較的に大きくて、廉価でとても作りやすい基盤です。

HDMIコネクター
 製作を行う上で一番困難なのは、HDMIコネクタの形状でシャシーを加工する事なので、適当な丸穴で綺麗に収まるリヒテンシュタインのノイトリック製とする事にしました。
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パワコン
 ところでIEC規格の台形型インレットに代わる物としてノイトリックからパワコンという商品が有るのですね。
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 これでシャシーの穴が総て丸となり加工が楽になります。

i2s用のデジタル・アイソレータの作製

 トラポとDACをi2sで接続しています。
  パソコンと接続すると必ずUSB周辺のノイズとの戦いとなるので、今回は、 デジタル・アイソレーションを行うことにしました。アイソレーションは、TI製 ISO7640FM 4チャネル 150Mbps デジタル・アイソレータを用いて行います。
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 アイソレートする信号は、BLCK,LRCK,DATA,DSD/PCMの4チャンネルの予定で、グラウンドはアイソレートしない事としました。
 DSD/PCMの切り替えのアイソレートを止めてグラウンドをアイソレートに含んでも、フレーム・グラウンドに電位差を生じてノイズが乗る可能性があるので、グラウンドは直結としました。

使用した部品
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 RSオンラインから丸一日でISO7640FMが到着しました。たった三個の注文なのに弁当箱ぐらいの箱に入っていて振り回しても無音です。
 ダイセンの変換基板(16P)にハンダ付けを行います。
 ISO7640FMのデータシートの仕様書で、0.1μのパスコンを「2mm Max from Vcc」とデータシートに赤文字で注意書きがしてあるので、チップコンデンサーを(セラコン)を用意しました。
 廉価に出来て総額 800円です。

完成したデジタル・アイソレータ
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 ピン番号1-2、15-16間に0.1μのチップセラコンを乗せてあります。

肝心な音
 全く変わりません。
 変化が無いと言うことは好ましい事で、変化が有ったらその方が問題で、原因のリサーチが必要となります。

今後と疑問
 グラウンドをアイソレートしませんでしたが、これで意味が有るのでしょうか?
 i2sで接続すると音が良いとの事ですが、色々と実験して、そうとも限らないという事を感じました。
 i2sでの接続以前に、接続する機器のレベル(完成度)に問題であると感じました。又、良く出来たトラポ、DAC等はS/PDIF、AES/EBUであってもi2s接続と音の差が僅かであり、汎用性を考えるとi2s接続の必要性に疑問を感じます。特にクロックの確度が高いとその傾向になるようです。この件は、Takeさん宅でMSBのDACを聴かせていただいた時に気づきました。

MoOde Audio Player

 久し振りにラズパイの情報です。

 手作りアンプの会の「DAC分科会」掲示板で、Moode Audio Playerを知り、早速、昨年の盛夏に熱暴走したラズパイを持ち出し、試してみました。リリースは、2.4, で昨年の10月が最終更新日です。又、リヌックスのカーネルは 4.1.10-v7+です。今まで、Volumio、RuneAudio、を試しましたが、それぞれ一長一短で、適当な物が有りませんでした。Raspbianの基本部分に手を加えてMPDを構築する手もあるのですが、そこまでして、Volumioの亜種を作っても仕方ないと思います。

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既成ラズパイMPDの特徴を雑ぱくに言うと

Volumio
 スタビリティーが一番高く、又、バグも枯れていますので、ダウンロードして必ず一発で動作します。Volumioが動作しない様でしたら、動作環境を疑った方が良いほど完成度が高いといえます。
 現在、マイグレーションは足ふみ状態です。

RuneAudio
 このソフトは、中途半端で。特にネットワーク環境にバグが多く、極普通のDHCP環境では動作しません。必ず、エディターでIPアドレスの変更等の環境設定が必要です。
 又、軽くは出来ているのですが、画面の洗練度が低く、これであれば、volumioで、十分と言えます。現在、マイグレーションはvolumioと同様停止状態です。

Moode Audio Player
 今回、初めて使ってみました。最終更新が昨年の10月なので現在も改良され続けている様です。GUIが改良されて、使いやすくなっていますが、基本的にRaspbianのオブジェクトを流用しているので、アペアランスは、volumioと同じで傾向です。このソフトの最大の特徴は、使いやすい、解りやすい、多機能である事だと思います。
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周辺機器の構成と音源の属性、CPUの利用率、コアの温度などが表示される出来るヤツです。

肝心な音
 音の自然さでは、残念ながらRuneAudioがベスト、Moode Audio Player、volumioの順番になります。しかし、音の差はvolumioを除いて極僅かですのでMoode Audio Playerが良い選択だと思います。

ソフトの洗練度
 個人的な好みですが、volumioが、ハードの身の丈に有ってバランスが良いといえます。RuneAudioは根性無しの田舎紳士で、Moode Audio Playerは盛り沢山で頭でっかちで、もう一工夫が必要だと思います。

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改善を必要とする、遅いライブラリー

問題点
 Moode Audio Playerに限らず、総てのMPDに言えることですが、NASのPlaylist取り込みに問題が有り、取り込み速度が著しく遅く、Windowsのエクスプローラに慣れていると、極めて使いにくいと言えます。マルチコアーの特徴を生かして、この辺の改善を行ってくれると幸せになれます。

 それから、ラズパイのハードは、日本の盛夏では熱暴走して使えません、熱暴走で停止する時、必ずSDメモリーの内容が、道連れで壊れます。今年は熱暴走対策を何とか解決したいと思います。
 出力フォーマットが常に16ビットですが、バグである事を望みます。

AKM製のAK4399を使ったDAC

 AKM(旭化成エレクトロニクス)製のAK4399を使ったDAC(i2s入力)を入手してながら、すっかり忘れていました。i2s出力のトラポをを入手したので、試しに音出しをしてみました。
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 AK4399はエソテリックSACDプレーヤー「K-05」に使われていて、それなりに評価されているDACチップです。同じチップを使っているから、同じ音が得られることは絶対に無く、フリンジの回路定数により大きく変化します、生かすも殺すも設計次第ということです。
 今回のDACは、DACの仕様書に記載されているティピカルな使い方に準じた回路です。差動とLPFのオペアンプは、特に拘りも無く手元に有ったLT1364を用いました。

一つの摘要回路
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肝心な音
 DACチップ其の物の音より、周辺の回路、電源の品質により大きく評価がかわりますので、ES9018と比べて云々と言う話は好ましくないので、止めておきます。AK4399のリファレンス回路の音は、特に癖も無く聴きやすい音です。特に女性ボーカルの音が良かったです。

今後の予定
 このDACはi2sの実験に用いる為に用意しましたので、何れ納戸行きになる予定です。
 旭化成建材でみそをつけた旭化成のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)が高くなりつつありますが、同じグループ会社であるAKMのDACの仕様は信用して良いでしょうか?

オーディオに関する書籍

 オーディオに関する書籍の感想です。

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 現在、座右の書は「Vance Dickason著のLDC(Loudspwaker Design Cookbook 7th edition)」です。この本はスピーカービルダーにとって、避けて通れない内容が記載されてます。Loudspwaker Design Cookbookを一通り読んで、オーディオ雑誌を見ると如何にオーディオ雑誌が、機器を売らんかなの洗脳を目的とした猛毒書かが解ります。
 もちろん、音響に関する専門書を読破して正しく習得する事が望ましいのですが、知るべき事が知れるオーディオの楽しさ、を感じながら読むには、最適な書籍と言えます。この本を読むと、正しい情報を得られていると言う実感と、その喜びを感じながら読むことが出来ます。

 最近入手したペーパバックでFloyd Toole著「Sound Reproduction: The Acoustics and Psychoacoustics of Loudspeakers and Rooms (Audio Engineering Society Presents) 」という書籍です。
 Floyd Tooleは、ハーマン・インターナショナル・カナダ リサーチセンターの顧問を業としている時に得た知識を基に書かれたもので、自己の経験の集大成で技術書ではなく読み物です。
 内容は、上記のLoudspwaker Design Cookbookとは異なり、ハーマンの販売戦略に基づいた音響心理に関する読み物と言えます。一般的な専門書と異なり、図、写真、数値の表等が乏しく、文章が長く理解するのに多大なエネルギーを必要とします。内容は、Floyd Tooleがハーマンに在籍していた頃のオーディオ・コンサルテーションの部署に在籍していた頃に、販売拠点からのスピーカー、アンプ等、オーディオ機器の設置部屋に関する、問い合わせ、トラブル等の解決を行った経験則から書き上げた内容に尽きると言えます。特に都市伝説をバッサリと切り、何が正しいか誤りかの判定能力は長けていると思いますが、その反面、その結果のレポート、何故そのような結果が得られたかの説明が無いので一寸不満に感じます。又、オーディオシステムとして、2チャンネル(ステレオ)に関す分析が不足する代わりに、サラウンドについては、かなりのページを割いています。 これは、北米のオーディオの環境がサラウンド(映画音楽)が中心で、2チャンネルはニッチな分野に縮小されつつある事を現しています。
 Floyd Tooleは学者ではなく、オーディオの一愛好家のレポートである事を納得の上で読むべき本だと言えます。
 ベル研H.F.オルソン著の「音響工学」の様な書籍を期待すると、大きく期待が外れます。

RME firefaceの電源改善

 RME firefaceの電源改善を試みました。

 firefaceというオーディオ・インターフェースの電源がスイッチング電源で、EMIノイズが電源から本体に漏れて、悪影響を与えてないか、導入当初から気になっていました。何度かレガシーなトランス式の電源に交換しては、音を確かめてきましたが、何らかの問題が生じて、オリジナルのスイッチング電源に戻してきました。
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 その中でもヤマハ製のPA-6という楽器用の電源が良い旨の情報をWebから得て、入手しました。しかし無残にも電力の復帰速度が遅く、ピーク時にデジタルノイズが頻発する事が解りました。
 オリジナルのスイッチング電源の容量は12V/24VAで、これと同等の容量と速度をレガシーなトランス式で求めると、最低でも120VA程の容量の電源を必要とします。この容量の電源を作るとなったら一寸大変なので、先ずはスイッチング電源でのEMIノイズ対策を真剣に行うことにしました。

 以下の様にスイッチング電源ケーブルの両端にフェライト・コーアのフィルターを取付けました。ケーブルを通す回数はワンターンで十分だと思いますが、ケーブルが余っているので、適当に回数を重ねました。
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 その先に、日立金属製のファインメット・ビーズと、多孔(6穴)フェライトをシリーズにして、アダプター化して取付けてみました。
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肝心な音の違い
 SNRが良化したと言いたいのですが、正直言って良く解りません。希望的観測を言えば、長期間に渡り使用して、外した時に違いが解る様な気がします。

オシロスコープでの観測
 ファンクション・ジェネレータで1,000Hzの正弦波を観測してみました。明らかに、何も対策しない状態と比べて、髭の様なノイズが減少していることが解ります。
 ノイズが減少して音が良くなっていると思いたいです。

ES9018K2Mを使ったDACを入手しました

 マルチビットのDACを入手するまでの場繋ぎとしてES9018K2Mを使ったDACを入手しました。
 ES9018K2Mは定評のある、ES9018Sの後継チップではなく、名前は似ていますが全く異なるものです。K2Mはチップサイズが約4分の1、ES9018Sは8CH、K2Mは2CHで、チャンネルあたり2DACの差動パラではなく、潔いステレオ構成です。
 電子ボリュームが内蔵されている事を思うと、据え置き型のDACより、モバイル機用に省電力を狙ったチップと言えます。
 ES9018K2M内にもジッタ―クリーナ機能を内蔵しており、I2Sの信号のジッタ―をクリーニングできる等、廉価で高機能なDACチップと言えます。又、ASRCを使わない同期方式を持つという点では、使い方によってはES9018Sより優れていると言えます。
 ES9018Sは非同期(A)SRCが避けられない事により、常にオーバーサンプリング、直線補間や畳み込み演算等、演算の嵐となってデータが乱れるリスクが満載となります。それらにより、音にエコー等のカラーレーションが重畳されるのは確かです。
 ES9018Sの最大のウイークポイントは、マルチビットDACと比べると、妙に不自然な音に感ずる部分だと思います。
 
ES9018Sのブロックダイアグラム
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ES9018K2Mブロックダイアグラム
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コネクティビティー
 ・i2s(ピンヘッダー)×2  
 ・S/PDIF(Coaxal、EIAJ optical)
 ・Analog RCA output

早速の改造
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 電解コンデンサーとして、ニチコンFGから導電性高分子アルミ固体電解コンデンサに換装しました。 オリジナルのオペアンプとして日本無線製NJM5532DDが搭載されていましたが、LME49720HAに交換しました。
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肝心な音
 i2s入力時のアイソレータを未だ経由していませんが、トラポと繋いでPCMとDSDを再生してみましたが、音はとてもクリアーです。音の傾向は、ES9018Sと共通して、不必要にエコー感が強いくオーディオ向けに作られた音です。MSB等のマルチビットの音とは全く傾向が異なります。
 それでも確実に言えることは、CDPより遥かに鮮度が高い事は良いのですが、音の定位が悪く、音が団子状態です。
 当初のNJM5532DDの音は俗事言う「ドンシャリ」でありながら、繊細な高音が出ないでPAの音に近い下品な音でしたが、LME49720HAに交換して24時間ほど経った時点では、NJM5532DDとは全く次元の違う音です。しかし、音が雑然として、このDACは、早くも納戸行きになることが決定しました。
 本来OPアンプ毎に最適な周辺回路定数として比較すべきで、厳密な意味での比較では無い為一概にNJM5532DDが悪いと言う意味ではありません。

LME49720HA
 このオペアンプは不思議な事にホンノリ暖かい程度ながら熱を持ちます。最近の民生用のフルモールド型のオペアンプは熱を帯びる事が無い様に思えます。フルモールド型の場合、足から基板に伝導で放熱しますが、キャンタイプの場合は、どの様な構造でしょうか? 現在、9Vで発熱しますので、予定の±15Vに電圧を改めた場合の放熱が心配です。

今後の予定
 恐らく音の悪さは、100mHzの発振器の品質の悪さが原因かと推測できます。JYECと書かれていますが、怪しさいっぱいです。
 Amanero Combo384でUSB~i2s接続を検討していますが、スタビリティーとリライアビリティーの高さは評価できるのですが、音の評判が、いまいちなので悩ましいところです。USBの限界でしょうか?
 オーバー・サンプリングを前提とした、シングルビット方式の勇であるES90XXシリーズは、何か音が不足しています。音の自然さを求めるとマルチビットのDACの方が、遥かに音としては自然で優れていると思います。
 このDACで遊べますが、どうやら塵を購入したようです。

SDカードトランスポート その6(水晶発信器の換装)

 デジタルは、クロックと電源で決まると言う定説に基づき、今回は、クロックの精度と確度向上を行いました。
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 SDトラポには、44.1kHz(CD、SACD)用には22.5792mHz、そして48kHz系用には24.576mHzの水晶発信器が搭載されて音源にあわせて自動選択しています。
 購入当初の水晶発信器はNDKのキャンタイプで、それ程酷い物ではないのですが、0.1ppmの精度、位相雑音が-125dBc/1KHz の物に換装しました。より高確度な水晶発信器NZ2520SD(-152dBc/1kHz)が存在するのですが、2.5mm×2.0mm×0.9mmと極小で、取付けで必ず失敗すると思われるので、米国ワシントン郊外に有るバンガード社(Vnguard)のTCXOにしました。
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換装の方法
 英国アンテックスの40Wセラミックヒータ・ハンダ鏝と、半田吸引器でオリジナルの水晶発信器を外しました。当初、熱量が不足する事が想定されたので、準備周到のうちに行いましたが、思ったほど苦労をせずに短時間に終わりました。
手前グレーがオリジナル水晶発信器
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肝心な音
 電源のアイソレートとフィルターを施したSDTrans384と、このSDトラポを聞き比べて、最大の違いは低音の分解能と静寂さでしたが、今回のクロックの改善により、どの程度近づいたか知りたいところです。一寸聴いた感では、低域がスッキリして、特にハイサンプリングの音源に顕著な差が現れました。
 マルチビットのDACとi2sでフックアップした場合の差ですからS/PDIFの場合は、既にSDTrans384の音を凌駕していると思えます。

今後の課題
 クロックの低位相雑音化が進むとSNRが向上した様な感じがします、この先、i2sでフックアップした状態で対策版のSDTrans384の音を凌駕するには、電源のアイソレートしか残されていません。いよいよ最終段階の5.0v 3.3v 2.5V 1.2V電源のアイソレート化を行う工程です。
 この加工は電源を分離する為に基板に傷つけることになるので、その第一線を超えて基板が汚くなります。その前に何か良い方策があるか、又、そこまでやる必要があるか冷静に検討したいと思います。
 これ以上に経費を掛けて、基板に傷つけてまで行う価値が有るか否かです。
 球をコテコテと磨くのは、これ位にして、ケーシングへのインプリメンテーションに移るほうが得策かと・・・