無帰還(Non-NFB)アンプ作製 プロジェクト その5

無帰還アンプ作製の進捗
 やっとケースが形になりヒートシンクの仮止めを終えて、これから電源、基板、トランスの取り付けの工程になります。
 ヒートシンクが切りっぱなしで、鋭利なので、鑢で丸めました。
 削った所と木口が、アルミ剥き出しのままで、腐食して汚くなりそうです。
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構造
 基板が二階建てで、調整に難儀する事が想定されますが、平屋で作ると、平面積が大きくなり、実用性に欠けるので、敢てドライバー段、エリミネーターともに二階建てです。
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最終組立て
 トランスは、オーダーしたドライバー段を除いて揃っています、総てのトランスが揃ったら、組み上げる予定です。それまでは、基板の完成度を上げるしかありません。オーダーのトランスは、注文から納品まで1ヶ月程要して、入手は11月中旬です。11月の三土会に間に合うか微妙なところですが、年末のお寺大会には余裕をもって間に合う予定です。

外観
 それにしても酷いデザインです。
 完成したら改めて、もう少しマシなシャシーに移植する予定です。
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来年のことを言えば鬼が笑う

 第6回PARCサウンド鑑賞会が、来年の3月21日(月)に行われます。よせばいいのに今年と同様に参加する事にしました。
 現在、無帰還アンプ作製中で、とてもスピーカーの事まで考える余裕がありません。とりあえず、エントリーの申請だけは行いました。

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 最近は秋も深まり気温差が大きくなって、紅葉が綺麗です。春には白い花を咲かせる我が家のハナミズキもいい色になってきました。朝は野鳥がやってきて、元気な声で鳴きながら赤い実をついばんでいます。冬になる前の穏やかな秋の日が続いて、紅い葉の色が秋の終わりを告げる信号灯の様です。
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 「来年のことを言えば鬼が笑う」と言う格言を英訳すると、Talk about next year and the devil will laugh. これでは直訳過ぎて真意が伝わらないと思いますね。
 正しくは、Don't count your chickens before they're hatched. 「明日のことさえわからないのに、まして来年の事は予知不能」 この様に訳した方が、相応しく伝わるような気がします。

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無帰還(Non-NFB)アンプ作製 プロジェクト その4

エリミネーター(eliminator)の準備
 無帰還アンプの作製も終盤に近づき、エリミネーターの作製を始めました。
 今回の無帰還アンプの要求電源は、電圧増幅段:45V/18VA二電源、パワー増幅段:25V/160VA二電源です。
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 電圧増幅段は、DC45V二電源ですので、AC35V二電源を整流・平滑を行います。 AC電源を整流して平滑すると、サイン波の最大値付近のDCを得ることが出来ます。実際には、ダイオードでの損失があり、√2≒1.4倍では無く、1.3倍程度となり以下の様にDC電源を得ることができます。

 ドライバー段 :AC35V×1.3≒DC46V
 パワー増幅段:AC21V×1.3≒DC27V

  予定では25Vとしたかったのですが、手頃なトランスが見つからず、2V程高いですが、チョークで電圧降下を期待しつつ、ドライバー段のバイアスを司るツェナーダイオードの設定で、問題を回避を考えています。

 整流素子として、ショットキーバリアダイオード(SBD)を使いたかったのですが、電圧が少々高めなので今回は極普通のシリコン・ダイオードのブリッジとしました。SBDを使うと整流時の損失が少なく29V程度になり、益々整流後の電圧が高くなってしまいます。

平滑回路のコンデンサ容量
 コンデンサの容量は以下のとおりで、一寸少ないかな?と思いますが、試聴を繰り返して、必要に応じて増強する予定です。
 先ずは、音出しの環境を整える事が先決です。

 ドライバー段:  4,700μF/63V耐圧×2  9,400μF×二電源
 パワー増幅段:12,000μF/35V耐圧×2 24,000μF×二電源

放熱対策
 整流ダイオードが熱を帯びる程、電流を連続して流すことは、調整段階以外に無いと思いますが、安全をみてパワー増幅段のダイオードブリッジにアルミブロックを放熱シートを介在して取り付けました。
 ドライバー段は、要求電力が18VA/0.4Aなので、特段の放熱対策は必要無いと思います。
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安全対策
 パワー増幅段の過負荷によるオーバーカーレントに対しては、整流のブリッジダイオードの耐圧が低く4Aですので、その時はこのブリッジがパンク(損傷)して、ヒューズ代わりとなります。
 又、コンデンサーに電荷がチャージされている事を忘れて、ドライバー、テスター棒で短絡して、先を熔かす過ちが多々有りますので、LEDのパイロット・ランプを設けて、チャージ状態を表示します。
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今後の予定
 次は、カティング・ボードの設計と端子盤の加工を行う予定です。

無帰還(Non-NFB)アンプ作製 プロジェクト その3

部品の取り付けが終わりました
 部品の点数が多いのと、部品の間隔が狭いので、物凄く大変でした。
 特に抵抗を縦に取り付けることが前提なので、リード線のフォーミングが、抵抗のワット数に応じて調整が必要です。
 又、コンデンサーの仕様が同一なのに、リード線の長さが異なる事により、煩雑さが増した様です。
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半田付け
 半田鏝は、英国のアンテックス製の15W、25W、米国アンガー製の60Wを使い分けて行いました。
 日本製の自動温調の半田ごての方が、優れている様ですので、次回は日本製の半田ごてに更新する予定です。
 半田付けを行った後、リグロインとアセトンを用いて、ネルのウエスで裏面のクリーニングを行いました。
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ささやかな工夫
 フロントエンドのトランジスタ(K117)をエポキシ接着材(アラルダイト)と銅箔を用いて、熱結合を行いました。又、音質に関係する抵抗(5本)を音が良いと定評のある抵抗を取り付けました。
 Vishay(ビシェイ) 無誘導金属箔抵抗にしたかったのですが、これは後の楽しみにとっておきます。
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今後の工程
 ドライバー段のトランスと、パワー段のトランスが入手され次第、シャシーのレイアウトを行う予定です。
 それまでは、木製のカティング・ボードにレイアウトして、動作確認を行います。
 電圧の高いドライバー段のトランス(36V/0.2A)は、市販品で最適な物が無く、カットコアーの仕様で特注しました、パワー段のトランスは、ドイツ・ブロック社製のトロイダル・トランス(160VA)にしました。
 作製したドライバー段の検証と調整を11月1日に行う予定です。それまで、エリミネーター(eliminator)の完成と、誤配線が無いか念を入れて検証する予定です。 

無帰還(Non-NFB)アンプ作製 プロジェクト その2

 部品点数の検証を終えたので、基板に部品の取り付けを始めました。先ずは、背の低い部品から付けます。

順番
 1.調整の対称でないツェナー・ダイオード、低電流ダイオード、整流ブリッジ
 2.取り付けた部品を保護する為に、ターミナルブロック、ピンヘッダー

明日からは
 3.取り付けたダイオードの極性の検証
 4. 1kオーム以外の抵抗、電解以外のコンデンサーの取り付け
 5.トランジスターの取り付け
 6.トランスと放熱板、シャシーの選定

結構部品を取り付けつもりですが、まだまだです。
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観想
 何しろ部品が多いです、シャーシ、トランスを除いて、2チャンネルで500を超えています。
 取り付ける部品が減らないです。
 肌寒い夜長、部屋をぬくぬくにして、音楽を聴きながら作るのが楽しみです。

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3Wayから2Wayにチャレンジ その12 調整

自宅のメインシステムの調整を行いました。
 
 スピーカーからの一次反射の調整にOmniMICのWaveletの有用性について、ケンさんのホームページを拝見して知ることが出来ました。
 自宅の場合は、自由度が無いものの、左側は遮光カーテン、右側はソファーが有り、適度な反射のコントロールが実現していますが、フロアーに関しては、家族の好みからセンターラグを置く事が出来ませんでした。その為にフロアーからの一次反射は、諦めていて対策を怠っていました。
 今回は、フロアーからの一時反射を、OmniMICのWaveletとセンターラグでコントロールして、その有用性について検証しました。

未対策持のWavelet
 軸上1m
 2mmSec.に反射によるゴーストが表示されています。
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センターラグと遮光カーテンによる対策後
 軸上1m
 2mmSec.の反射は、ほぼ消すことができました。
 又、床と天井の間で生ずる100Hzの定在波による音圧のムラも減少しました。
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最新の特性
 ベントを塞いで、密閉化した場合の周波数特性(紺)と位相特性(緑)
 音圧、位相共に穏やかです。
 軸上1m
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 歪の特性も密閉にして大分改善されました。
 軸上1m
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肝心な音の変化
 バスレフから密閉にする事により、すっきりした音に変化した事に加えて、センターラグによる一次反射がコントロールされて、より静かです。
 一寸物足りない感じがしますが、低歪で聴き易く、ゲインを上げた事を忘れてしまい、室内の置物の共振で、慌ててボリュームを下げる事が多くなりました。
 天井と床の反射は、家族の同意が得られないので、雲を吊るす事は出来ませんが、振動に関しては、家を建てた時に天裏の吸音材を普通の三倍の量(厚さ)にしたので、それなりの効果は得られていると期待していますが、検証方法が解りません。

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3Wayから2Wayにチャレンジ
 今回の調整を行っても、まだまだ、3Wayの方が音が良いです、2Wayで満足する音出しの道程は長いです。

無帰還(Non-NFB)アンプ作製 プロジェクト

 手作りアンプの会は、「もの作りの原点に戻って、自作オーディオを楽しみ、その楽しさを次の世代に伝える」をのモットーとしています。会主催の無帰還(Non-NFB)パワーアンプ作製プロジェクトに参加することにしました。

普通のアンプと無帰還の相違
 市販品アンプの殆どは、普通の部品を用い大量の負還を掛けて、目標とする特性を得る手法です。それに対して帰還を行わない無帰還アンプは、適切な品質の部品の使用して、巧みな回路設計により、薄化粧で素直で音の良いアンプが作れる手法です。
 負帰還の説明は一言ではなかなか難しいのですが、並みの特性の部品を使って、回路の特性を改善する為に負帰還(Negative FeedBack:NFB)を掛けて、出力信号の一部を入力に戻し、入力信号と逆位相で合成する事によって、出力の振幅を適度に抑えて、特性を見かけ上改善する方式です。
 負帰還によって回路の増幅度は低下しますが、全帯域で均一な増幅度を得る手堅い手法で、その音は一寸詰った感じで、大量にNFを掛けるとエコーが掛かった様な音になり、不自然さが目立つ場合が多々有ります。

無帰還アンプの回路図 
 以下が、その無帰還アンプの回路図(一部)で1チャネル分です。
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© 2015 Ebina.

無帰還アンプの作製
 今回の無帰還アンプは、ディスクリート部品を用いて、出力から入力にオールオーバーの帰還を行わないという仕組みの難易度の高いアンプを作成します。
 最大の難関である回路の設計、プリント基板の設計、プリント基板の設計を手作りアンプの会の方々で準備していただきまして、プラモデルはないですが、それを半田付けして、ケース収めた後に調整を行い完成です。

イーグルによるPCBパターン(1チャネル分)の作製結果
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© 2015 Ebina.

 半田付けも高度な技術を要しますが、部品が大きいので何とかなりそうです。
 しかし、部品の点数が多いので、時間と根気を要します。

基板
 基板(1チャネル分)で100mm×150mmサイズとしては、ディスクリートの限界です。
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© 2015 Ebina.

数々の部品
 受動部品のほんの一部です。
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無帰還と帰還アンプを例えるのならば
 無帰還(Non-NFB)アンプは、薄化粧で清楚な日本女性。
 帰還(NFB)アンプは、グラマラスでエネルギッシュな欧米女性の様です。
 

3Wayから2Wayにチャレンジ その11 密閉箱の薦め

Vented Box VS Closed Box
 先日、株式会社DIASOUL社のスピーカーを聴かせていただきまして、低音の素晴らしさに感銘を受けました。
 何とか、自作のスピーカーが、少しでも近づければとの思いで、改善を検討しました。
 先ず、ウーファーのドライバー毎にパワーアンプを分ける事の優位性は確認できました。次はもっと澄んだ低音を表現出来ないかと考えバスレフ(bass reflex)方式から、密閉(Closed Box)に改めて、同一条件で試聴と測定を行いました。
 バスレフから密閉への変更は、理科実験道具の広口ビン用ゴム製の栓でベント(Vente)を塞ぎました。
 ベント(Vente)をダクトと呼ぶ場合があります。
 
 以下がバスレフのベントでテパー状になっています。
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 広口ビンの栓で17番
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 そのベントにゴム栓をして、にわか密閉となりました。テパー状なので、機密性を高く保持できます。
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測定結果
 先ずは、周波数毎の音圧を測定を軸上1mの距離で行いました。
 バスレフ(黒い線)の方が、25Hz~100Hzまで良く再現できています、少々オーバー気味であるとも言えますが、それに対して密閉(赤い線)は、30Hzから100Hzまで40Hzにディップがあるものの、ほぼフラットと言えます。
V VS C
 25Hz~50Hzは主に音楽のスケール感を表現する時に必要なので、少々オーバーで、多少ディップが有っても問題無いと思えます。

肝心な音
 バスレフから密閉にしても、幸いな事にそれ程低音の不足を感じません。それより、低音の質が向上して、低音楽器の音像感が大分良化したようです。又、低域で難しい、スピード感が生じてきました。
 恐らく、密閉にする事により群遅延歪みが大幅に減少して、歪率が改善されたことが想定されます。

歪率の測定
 普段聞く音圧レベルより高く、スピーカーから1メートルの距離で、90dBの音圧レベルで歪を測定しました。
 上のグラフが、バスレフの歪特性です、下のグラフは、同一条件で密閉の状態を測定しました。
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X歪率

インピーダンス特性
 あわせて、同一条件で、バスレフと密閉のインピーダンス特性の測定を行ってみました。
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 位相の回転もなだらかで良い測定結果です。
 紺色のグラフが密閉で、緑のグラフがバスレフです。
 緑のグラフのインピーダンス最小値(5オーム)の場所が共振点31Hzですので、設計の目標値どおりになっています。この特性曲線から、バスレフの方が音の質は別として、低音が豊かに得られることが解ります。

現時点で考察
 強力なアンプと、近代的なウーファーを用いた場合、バスレフは不要とかと思いました。
 スピーカーのダイアフラムの面積当たりの磁力が弱い場合、ユッタリと低音を稼ぐレガシーな方法としてバスレフが存在しましたが、強力なネオジム(ネオジミウム)・マグネットのスピーカーを、強力なデジタル・アンプとDSP(イコライザー)でドライブする場合、密閉で十分であると思いました。
 バスレフのキャビネットで、低域の音質に悩んでいる場合は、バスレフを止めて密閉として、強力なデジタルアンプ(ICEpower)等でドライブする事をお勧めします。