DIASOUL i の試聴会

 三菱電機に在籍されていた寺本浩平さんが、退職後に興された株式会社DIASOULというオーディオ・ブランドの第一作目のスピーカーとなる「DIASOUL 」を、九段下にある三菱グループのショールームにお伺いして聴かせていただきました。

株式会社DIASOUL

CESでの評価
 手作りアンプの会のKさんに紹介されるまで、このブランドの存在ついて全く知りませんでした。既にアメリカのCESで「Best Sound Show」を獲得した評価に加え、ユニークなスピーカーの外観でもあり、大いに期待して試聴させていただきました。

CESコンシューマー・エレクトロニクス・ショー (Consumer Electronics Show, CES)

スピーカーの外観
 寺本さんが開発された DIASOUL は、以下の写真の様な外観で、一寸見プラネタリウムの投映機の様な形で、かなりのインパクトがあって、ダイナソー(Dinosaur)に見えなくも無いです。
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構造
 このスピーカーシステムのクロスオーバー遮蔽特性をお伺いしたところ、ウーファーからミッドバス間は80Hz、ウーファーの口径が25cmで同じモデルを対向結合されておりウーファーは、300WのICEpowerデジタルアンプでドライブされている様です。
 キャビネットは異形密閉でDSPでバスブーストが行われていおり、その内部はドライバー毎に分かれている(独立空気室、デュアル・キャビネット)との事です。
 そのオプティマイズはキャビネットの背後にあるUSBポートからパソコンで行います。
 ミッドは16cmのカーボンケブラー・ダイアフラムで十数リットル異形キャビネットに収められて、ドライバー背後には、1.6kgのデッドマスを背負い込んで、バスケットの振動軽減を実現しています。

遮蔽特性
 ミッドとハイはパッシブネットワークで、12dB/Oct.近似バターワース(Butterworth filter)で周波数分割と周波数特性のイコライズをしているとのことですが、遮蔽の周波数については、最後まで語られませんでした。

トゥーイータ
 トゥーイータは三菱グループが開発した、炭化ホウ素 (B4C)の結晶・ボロン(原子番号:5、原子量:10.81、元素記号:B)のダイアフラムを用いた36mmφで、球体にダイアモンド状に四個配置した独特の形で、ほぼミッドバスの口径に合わせて配置されていることが、高域のエネルギーが一点集中することなく、ミッドと一体感をもって再生されている様に思えます。これを寺本さんは「パワード球面波」と説明されていました。
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競合商品
 このスピーカーシステムの外観が極めてユニークであることが、デザインに拘る購買層であるオーディオファイルの好みが分かれるところだと思います。
 アバンギャルド、B&Wノーチラス、ランシェ、又、レガシーなJBLエベレスト、TAD、アバロン等、なみいる銘スピーカーと、音質面、デザイン面、先進性で競合する事が想像できます。

肝心な音
 スピード感のある音です、特に低音はバスレフ等の共鳴を応用していないので、素直です。
 中高音は、力があり聴きやすく、高音のトゥーイータは、粘度の低い磁性流体を使っており低ノイズ・低歪で静かです。
 磁性流体を使っている事と、間隔が狭いもののトゥーイータを横に並べていることが、このシステムの音を決定付けている要因の一つと思われます。
 音の特徴は音場感より音像感にベクトルが合っており、スタジオ・モニター的な音でも無く聴きやすいです。
 又、クラシックよりジャズに向いている様に感じました。
 
 磁性流体:1960年代にNASAでPapellにより宇宙服の可動部のシール材や無重力環境での物体の位置決めに使用するなどの目的で研究・開発された。 磁性流体はここ

 素晴らしい音を聴いていると時間の経過が解りません、気がついたら二時間が過ぎていました。

3Wayから2Wayにチャレンジ その10(アンプのノイズ)

 アンプの構成を変えてから、中高音が芳しくありません。
 高音がきつく(硬質)自然な感じがしません。

クロストークの悪化
 従前では、全チャンネルを アイスパワー(Bang & Olufsen ICEpower a/s) のアンプを用いて、一台のアンプで左右を賄わず、クロストークを気にして左右毎にアンプの筐体を分離していました。その構成から中高域に Crown D-45 を投入したところ、総てが悪い方向になって、酷い音になってしまいました。

ノイズ対策
 アイスパワーアンプはツインモノ構造で、一つの筐体の中に、電源を含めてモノラール・アンプが二台で構成されており、平衡入力で、かつトランス入力により電磁妨害 EMI( Electro-Magnetic Interference )の対策が厳重なされていました。
 その構成からノイズ未対策のCrown D-45のEMI 無防備なPA用のアンプに変えた為に、大幅にSNRとチャンネル間のクロストークが悪化した模様です。

 早速、オシロスコープでノイズを測定してみました。
 その結果は以下のとおりで、Crown D-45の耐ノイズ特性が劣悪である事が解りました。
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    が中高音のCrown D-45、がアイスパワーのノイズです。

 そして、極めて残念な事に、Crown D-45はEMIの影響を受けており、5mV~10mvの可聴帯域外のノイズが出力に重畳されています。
 このノイズは、スイッチング電源からの飛散であり根源は、パソコンの電源とRME firefaceのスイッチング電源である事は想像に難いと思います。
 やはり、巷で好感触のアンプとは言え、PA用のCrown D-45は、設計が古く、スイッチング電源が多用されている現在では、デリケートな音楽を聴くシステムには全く不向きで、大味のPAシステムに向いている事が、改めて再確認する事ができました。
 現在の白物家電に限らず、殆どの電子機器がスイッチング電源を用いており、そのノイズから逃れる事が出来ないので、自衛対策が必須です。

改善策
 これはでは、従前の構成に戻すしか無い様です。
 そして、元の構成に戻した後、手作りアンプの会で作製する無帰還アンプを投入するか否かですが、この方法も、自作の為に博打的な要素が残されており、悩ましい問題が山積しています。

 一番手堅い方法は、総てのアンプをアイスパワーで揃えて、EMI対策を徹底的に施す事がベストのソリューションかと思えて来ました。

アイスパワーアンプの内部
 10mm厚のアルミ合金、真鍮、トランスで、EMI対策がなされています。
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アンプの選択基準
 アンプで音は変らないと言われる方がいますが、それ以外の判断基準として、アンプは単なる増幅器ではなく、安全対策、耐ノイズ、耐クロストーク、スピーカーの保護等、総合的に判断すべきであると思います。

Minnさん宅にお邪魔しました

 新しくFPS(Flat Panel Speaker)を導入されたとのことでminnさん宅をケンさん、takeさんとお邪魔しました。
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 ATMハイルドライバをトゥーイータに、ミッドには新しいFPS2030M3P1Rを、ウーファはFostex CW250Aです。
 最初の構成は、Accuton C158-8-085をミッドで聞かせていただきましたが、マッシブな中低音で、ジャズ、フュージョン系にぴったりです。例えれば、ハイエンド・スピーカーのアバロンを彷彿させる感じで、とてもバランスが良く、低歪で高音圧でも聴いていて疲れません。
 後半は、今回お邪魔したハイライトのFPSを使ってクラシックを聴かせていただきました。
 背面開放型でダイポール(Dipolel)特性のキャビネットからの音離れが良く、細かな音が良く聞える素晴らしいシステムに出来ていました。
 FPSの音は、ボイスコイルとダイアフラムがリンケージされているレガシーなコーン型、ドーム型等と異なった、複数のボイスコイルで直接ダイアフラムをレンダリングしてる為に高い分解能を有します。音質の傾向は、コンデンサー型に近いと思いますが、それより優れています。
 投入して、未だ3日目という事ですが、十分良い音で、この先の調整で更に素晴らしくなる事が期待できて、どの様になるのか楽しみです。 
 又、今回は、RME fireface UCXの電源を高SNRで高速応答のレギュレータ電源に交換されましたが、十分に静寂感があり、曲の始めと終わりの緊張感を楽しむ事ができました。FPSの良い点が生かされて、素晴らしかったです。
 私もFPSと、シリーズ型レギュレータ電源の導入を検討する事にしました。

音楽は一日1時間までとWHOが警告

 街中や電車の中でイヤホンで音楽を聴いている姿をよく見かけます。
 大きめの音量で音楽を聞いている人で聴力低下する人が 世界保健機関(World Health Organization, WHO) の調査で増えているそうです。
 そんな聴力を調査した WHO が音楽を聞くのは一日に1時間までにしましょうと呼びかけています。

 以下が、 WHO の聴力低下に関する警告です。
 http://www.who.int/pbd/deafness/activities/MLS/en/
 以下が英国営放送BBCのコンテンツです。
 http://www.bbc.com/news/health-31661789

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 WHO はオーディオ装置、携帯プレーヤー、コンサート等の「大音量」「長時間」の騒音によって、世界中で11億人が聴力を損なう危険にさらされていると警告しています。WHO の調査によると、約4300万人が音楽による聴力低下を経験しているとのこと。また、聴力低下を経験する割合が増加している人々の中でも、富裕国および中所得国の50%以上は個人所有のオーディオ機器を「安全ではない騒音レベル」で使用している他、約40%もの人々が普段の生活圏で聴力損失の危険があるレベルの音量にさらされているとの事です。

スピーカーの屍  何ら落ち度も無いスピーカーたち
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 近年、聴力低下を経験した人の割合は、1994年の3.5%から2006年には5.3%へ増加しており、WHO の外傷予防プログラム責任者であるエティエンス・クリュグ博士は「オーディオの音量を下げることも重要だが、一日に音楽を聞く時間を1時間以内にすることが、対処する方法と警告している。又、音量が大き過ぎれば1時間以内であっても危険とのことです。

 音の大きさを表す音圧レベル値が大きければ大きいほど聴力が低下する可能性が高まりますが、「どの程度の音圧レベルなら安全なのか」というのが気になる、そこで WHO は音圧レベルを基準にした「音圧レベルあたりの安全な時間」をホームページ(ここ)に掲載しています。

□音圧レベルの詳細、定義についてはここを参照してください。

 WHO は普段音楽を聞く際には、電車や飛行機等で周囲の騒音が気になるという場合は、ノイズキャンセリングのヘッドホンやイヤホンを使うことで、小さな音量でもしっかりと音楽を聞くことができるとのこと。
 また、ロックコンサートの音量では28秒以上現地に滞在すると危険、ということになりますが、耳栓を着けることや、合間にスピーカーやステージなどの音量発生源から離れて休憩をとるという方法が提案されています。

加齢による聴力低下
 加齢とともに高音域が聞えなくなることは、致し方ないのですが、それを可能な限り先送りしたいものです。
 その為には、普段から大きな音に囲まれる環境から避ける事が望ましいと思います。 なるべく大音量の音楽を聴かないで、サウンドスケープ(自然の風の音、小川のせせらぎ、秋の夜長の虫の声等)を聴き耳を休めて下さい。
 腰を据えて本格的に大音量の音楽を聴くのは、時間制限を課して、程々に控えたほうが良いようです。

外耳道(Ear canal)の共鳴
 85dBを超えた場合の外耳道(Ear canal)の共鳴が生じます。
 外耳道全体は、一方が鼓膜により閉鎖された管なので、閉管として共鳴(共振)します。
 外耳道の長さによりその共振周波数の個人差が大きく3 kHz~4kHzの間に存在します。この共振点では、約10dB程度の音圧レベル上昇効果があるとされています。ところで、ヒトの気導聴力(空気中から入ってきた音の聴力)で最高感度となっているのは、この共振点であり、特にこの共振点での大きな音は、聴力を保つ観点から避けるべきであると思います。

3Wayから2Wayにチャレンジ その9(設置方法の変更)

 MTM(idwoofer-weeter-dwoofer)型式のスピーカーは、通常は、縦にして使います。
 合成音源がツイーターに重なることによって点音源化が得られるうえに、床や天井など部屋の影響を受けにい方式として Joseph D'Appolito が、アコースティック・ロビング(Acoustic lobing)を解決する為に考案されたスピーカーの方式の一つです。

Midwoofer-tweeter-midwoofer - Wikipedia

 この考えから一寸外れますが、縦ではなく横に並べて、その上にMidを置く事により各ドライバー間の距離を最短にしてみました。
 それにより、FIRフィルターによるプリエコーの空間合成と、その疑似点音源を耳の位置に揃えました。
 MTM本体と、Midは直接サイドボードに乗せず、間にゲル状の緩衝材を敷いて、インシュレーター代わりとして相互に振動が干渉しない様にしました。
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肝心な音
 残念ながら、音のエネルギー感が中高音に偏りスカスカの音です。又、チャンネル間のクロストークが、極めて良く有りません。
 omnimicで測定して、パラメトリック・イコライザーで、フラット化を行いましたが、それ以前に音が扁平で物足りなくつまらない音です。

考えられる問題点
 ・部屋(特に床)からの低音が聞えないので、スローブ感に欠ける。
  音楽スタジオの場合、部屋が鳴るのは良くないが、音楽を楽しむ場合、
  ある程度部屋が鳴ってもそれが、心地よい場合は、許されると思う。

 ・スピーカーの軸上に顔が有ると、音で顔を叩かれている様で、
  心地良くない、まるで、ヘッドホンを聴いている様な感じがする。
  固定観念と思われるが、特にクラシックの場合に、前方下の方から低音が
  聞える方が、安心して聴く事が出来る。

 ・MTMをにすることにより、アコースティック・ロビングが解決出来ない。
  音像位置が定まらず定位が不明確になる。

設置方法による特性の変化(参考資料)
 Vance Dickason 著のLoudspwaker Design Cookbook の記述を参照すると、設置方法による特性の変化では、最下段のMTMを縦に置く方法がベストであると判断できます。
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Revophone

 三年前にお寺大会で、真空管OTL大会がありました。
 その時に出品したOTLアンプを大森のオフ会にお持ちして、改めて聴きていただくことにしました。
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 レボホーンという英国製のスピーカーです。
 製造されて、今年で90年目で区切りの良い年になる事と、全く通電しないと、空き家と同じで痛むので、動態保存のチェックを兼ねて音出しをする事にしました。

スピーカーについて
 製造国、会社 大英帝国、Brown Brothers社
 製造年月    1925年 大正14年
           東京放送局(後のNHK)実験放送開始年で、90年前です。
 インピーダンス 2kオーム
 素材        アルミニューム・ホーン アルミニューム・ダイアフラム
 大きさ(W×H×D)mm 305×533×330

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右の円盤がアルミ製ダイアフラムです。

アンプについて
 アウトプットトランス・レス、パワートランスレスです。
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写真➊のトランスは、USBDACのステレオ出力のモノ化と、電源からアイソレートを目的とします。
写真➋のケーブルは、ファイバーケーブルで、USBDACのパイロットランプの光を筐体の正面に導いています。
写真➌は、秋葉原の秋月電子通商のDACです。

クリアー・トップの真空管を半年程探して、やっと揃いました。
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 塗装は、スピーカー本体と同様に焼き付け縮み塗装です。
 最新のデジタル音源を、最古のスピーカーで奏でるため、入力は清くデジタルのみで、RCA等のアナログ入力は有りません。

回路図
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肝心な音
 1920年から1940年の曲をかけると、とても雰囲気が出ます。
 特にFats Waller(Thomas Wright Waller)とか、一寸新しくて、Louis Armstrongがピッタリです。

パッサテンポ マンジャーレ カンターレ
 9月5日(土)大森のオフ会で、音出しを行いました。
 運搬中に破損するか気になりましたが、無事に音がでて、ホットしました。
 オーディオ談義、美味しいお酒と食事、音楽で楽しい一時を過ごさせていただきました。
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 Spozzeria は、大森駅から徒歩5分位の表通りにある、素敵なお店です。
 オーディオ装置が素晴らしく、プリはMark Levinson No.26, No.20.5L、 Sonus Faber Extrema Electaですが、これは一部で、ヤマハのNS、ロジャースLS3/5A、JBLホーン等、沢山あり、効き比べることができます。

お寺大会の半導体無帰還アンプ 駄作につき最終

無帰還アンプができました
 音の鮮度が高く良いですが、もの凄く発熱します。
 周波数特性は15Hz~100kHz迄フラットで、ノイズも問題ありません。
 しかしこのままでは、アンプとは呼べずヒーターです。
 全く実用的で無くお寺大会のホモロゲーションを、クリアーする為のエキセントリックなアンプになってしまいました。
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 正直なところ、やはりディスクリートのアンプは難しいです。
 こんなプリミティブなアンプですが、自身の知識の無さと、アンプ作りの奥深さが、ほんの少しですが理解できた様です。

アンプの設計・製作
 製作記事を見ての追試ではなく、音の良いディスクリート・アンプを自ら設計(ここが肝心)から製作できる方は、本当に素晴らしいと思います。 私の場合は、煙を出さずに音を出すのが精一杯でした。
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スピーカーの能率
 今回、再生に使ったスピーカーの能率が極端に低く、82.5dB/W/mですので、ドライブするのが大変です。電源を投入したとき、ペイントの焦げる臭いがして、発火すると思いました。

お寺大会の場合
 お寺大会のJBLの能率は100dB/W/mは勇に有るので、能率の差が17.5dB/W/mとすると電力比で大よそ50倍に相当しますので、今回作製したアンプの出力が16オームで0.5Wでも25Wに相当しますので、会の標準アンプでドライブした時と同等かと思います。

 唯一のとり得は、何とかの一つ覚えで、小型で螺子が見えない事です。
 その他の工夫点は、電源に日立金属のファインメット・コアーを入れてスイッチング・電源からのノイズの混入を防いだ事くらいでしょうか・・・・
 シンプルな回路ほど受動部品の品質で音が変わると、勝手に思い込みオーディオグレードのコンデンサーを用いましたが、全く関係無い事が解りました。
 他は、ほっかいろ(懐炉)の代わりになり、冬のお寺大会に最適かと思います。
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 下手の考え休むに似たりの見本の様ですね。
 ほっ懐炉アンプは、キッパリ言って駄作ですので、別のアプローチを考えます。
 この一ヶ月間の徒労は悲しいです。