アムクロンD-45の改善 その1

 最近アムクロンD-45のIOCランプが、片チャネルのみ頻繁に点灯して歪っぽく不調な為に解体して点検したところ、半田にクラックがある事が判明しました。
 IOCランプは、入力に対して出力が0.05%以上の歪率になると点灯するものです。そこで、この暑い真夏にエアコンを効かせて、半田の補修を行いました。
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 解体のついでに、中国製と思しき電解コンデンサーをOSコンにして、又、カップリングのバイポーラ電解コンデンサーをフイルムコンに換装しました。
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 換装した電解コンデンサーとダイオード・ブリッジです。容量計で測定したら、表記の50%程度しか容量が有りませんでした。又、右の二つはリード線の根元から電解液が漏れた形跡が有りました。

 乗りかかった船の勢いで、電源の整流ダイオードブリッジを、ショットキーバリアダイオード(新電元製D20XBS6 60V/20A)に換装しました。
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オリジナルの配線より幾分綺麗になりました。

 事前にクラウンD-45(D-75)のサービスマニュアル(回路図、部品表)を入手していたので、一時間程で呆気なく終わりました。
 CROWN D75/D-45の回路図
 
肝心な音
 歪の件は完治しましたが、コンデンサーの換装により、音が変りました。
 良化したのか、悪化したのか解りませんが、高音の抜けが良くなった事は確かです。しかし、オリジナルの音と比べて、やや高域方向にエネルギー感がシフトされて、バランスが悪化した模様です。特性の悪い受動部品でバランス良くバイアス等が調整されていて、それの一部のみ良化すると、著しくアンバランスが生ずる様です。
 しかし、連続で聴いていると、「だんだんよくなる法華の太鼓」の如く、耳が慣れるのか、聴き易い音に変化してしてきます。

 生兵法は大怪我の元です、 やれやれ
 

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極性表示(Polar Displays)の測定結果

 Omnimicの極性表示(Polar Displays)を試してみました。
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 Vance Dickason著のLDC(Loudspwaker Design Cookbook 7th edition)を見ると必ず以下の様な測定結果が掲載されています。
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 無反射室と測定システムのLiner-Xを手に入れる事ができないので、Omnimicを用いて、無反射室の代わりに、疑似無響室測定機能(Gated measurement faculty)を用いて、窓の開き時間を3m秒として500Hz以上で極性表示の作図してみました。

 測定の角度値をファイル名称の一部に含めて、周波数毎の音圧データ(frd.)データを、複数(最低3ファイル)測定して、そのデータの総てをバッチ処理(ポスト処理)を行い画像を生成します。
 今回は手始めに水平角 0度、±22.5度、±45度、±67.5度、±90度で測定しました。そして、慣れたら、仰俯角の測定も行う予定です。
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 極性表示(Polar Displays)の目的は、スピーカの周波数応答がバッフルから、水平角または仰俯角で、周波数毎に音圧が、どのように変化するかを明らかにする事です。
 作製したスピーカーの指向性が設計どおりに出来上がっているかを調べます。
 又、指向性の異なる、コーン、ホーン、ドーム型の音圧が、周波数毎に均等放射されているかを調べる事により、リスニング・サービスアリアが、意図する場所と範囲(広さ)に存在しているかを調べます。又、デジタル・チャンネル・ディバイダーの場合、リスニングポジションで各クロスオーバーのプリエコーが、バランスよく空間合成されているか否かの検証に役立つと思われます。
 スピーカーの設計時、サービスエリアを想定して、スピーカーの指向性を調べてドライバーの選定を行いますが、サービスアリア外の部分は、オフ角度で突出した音の一次反射により、その内側のバランスを崩して、更にサービスエリアを狭める結果となります。

 Omnimicの極性表示のグラフは、フラット(Flat)フォーマット、と筒状(Cylindrical)フォーマットの二種類が有ります。

測定結果・フラット(Flat)フォーマット
 このグラフのY横軸は水平放射角で、色は対応する音圧のレベルを表しX軸は、周波数を現します。
 赤色(0dBに基準化)が広いほど均等に音圧が得られている解釈ですので、この測定結果は、指向性が弱い(広い)と考えられます。
 ±45度の範囲内ですと全域に渡りほぼフラットですので、サービスエリアとしては広いと思えますが、その外の3,000Hz~5,000Hzの音は無い方がクリアーになると思えます。
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測定結果・筒状(Cylindrical)フォーマット
 周波数がY縦軸で、筒状フォーマットは投影されたシリンダ角度で、放射角(シリンダ軸線)からの音圧を表します。
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 このグラフで解ることは、周波数毎に目論んだ指向性でスピーカーが出来ているかを調べますが、作製したスピーカーシステムは、使われているドライバーで、一番狭い(鋭角)な放射により、サービスエリアが決定されるため、リスニング・ルームに応じたドライバーの選択が必要です。
 この測定結果では指向性の問題はそれ程無く、広いサービスエリアが実現しています、但し400Hzと4,000Hz前後の音圧が高いので、この部分のレベルを下げると、更にサービスエリアが広くなると思われます。
 又、500Hz~2,800Hz(測定値)の弱い帯域は、聴感上では感じられないので、中域ドライバーの利得調整が課題かと思われます。

無帰還アンプ作製 その1 カップリング・コンデンサーの工作

 カップリングコンデンサーとしてフイルムタイプが音響的に優れていますが、大きな容量で小型の物が存在しません。
 そこで、チップコンデンサーにリード線を付けて、クリスタル・レジンで保護と固定を行いました。それにより基板に半田付けした時に、コンデンサからリード線が、剥がれない工夫が出来ました。

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© 2015 grigri

 コンデンサーは、ルビコン製の「薄膜高分子積層コンデンサ(PALCAP) 22μF16V」を用いて、高透明エポキシ樹脂で固めました。
 耐圧が16Vですが、使用個所をわきまえて、小信号の場所に使えばよい結果が得られると思います。

 薄膜高分子積層コンデンサについては、以下のサイトを参照して下さい。
 薄膜高分子積層コンデンサ“PMLCAP”の特徴と活用

  秋月での上代が200円で、22μFのフィルムコンデンサーとしては、極めて廉価です。

ラスベリーパイ その最終 Raspberry Pi の熱暴走

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© 2015 grigri
 英国製のリフローが酷い状態です、緻密な日本でしたら製品検査で除けられます。

 ラスベリーパイその最終です、結構楽しく時間の無駄遣いをさせてくれました。
 Raspberry Piに無限の可能性が有る事は承知しているのですが、しかし、英国から見てアジアの果ての日本の気象条件まで設計に加味されて無い様です。
 盛夏を迎えて室温が33℃を超えると、今まで正常に動作していたRaspberry Piの殆どが誤動作を始めます。
 室温が33℃ですと、CPU周り、WiFIのドングルは、優に100℃を超えてしまい熱暴走が始まります。
 対策としては、強制空冷のファンを設ける方法が有るのですが、そこまでしてRaspberry Piを使うことには抵抗があります。

Raspberry Piの今までの問題点
 1.熱対策が完備されていない。
 2.メモリーのソケット部分がヤワで、直ぐに壊れる。
 3.SDメモリーの書き込み頻度が高いとメモリーが劣化して壊れる。

 最大の問題は、リヌックスの長所でもあり短所でもある、オープンソースに起因する問題点です。
 実力がともなった方が、ソースを弄れば良いのですが、不慣れな方がソースを改修して、バグが枯れてないソフトがネット上に山積している事です。 又、その改修のバグが枯れるまで、誠意を持って対処されてないのが現状です。

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 このソケットがよく壊れます。赤いマークのラッチ部分ですが、ラッチでロックする必要がないのですが・・・

 まあ、玩具のロボット制御に用いたり、コンピューターを勉強するには、打って付かとおもいますが、メモリーのパリティーチェック機構の無いRaspberry Piを使って、まともな仕組みを作る事自体危険であり無理があると思います。

 取り敢えず、「色々動きます」と言った感じが、私としての結論です。
 所詮、玩具の域を出ない、頭でっかちの名刺サイズ・コンピュータで、例えで言えば、三輪車にアメ車のV8エンジン乗せたようなものです。

Raspberry Piの回路図 5ページで構成されています。
Raspberry Pi 1
Raspberry Pi 2
Raspberry Pi 3
Raspberry Pi 4
Raspberry Pi 5

ATC SM75-150について

 業務用スピーカーで不慮の事故によりダイアフラムを損傷した場合、メーカー純正補修部品としてリコーンキット(Recone Kit)が販売されています。
 業務用に限らず、Scanspeak、SEASも磁性流体を使って無いトゥーイータの場合に限り、リコーンキットが販売されており、直流を流して飛ばした場合など、ユーザーで補修を行うことが出来ます。
 ATCも例外ではなく、保守部品が販売されていますので、メーカーから保守部品が販売され続ける限り、安心して利用が出来ます。

肝心な SM75-150の音
 低歪で押し出しのある音です、良い意味でも悪い意味でも SM75-150の音になるきらいが有ります。
 EMT-FRANZ #930とTSD15でLPを聴くと、総てEMTの独特の音になる、それに近い状態です。

以下が、その補修部品の一例です。


SM75-150
75mm Textile Dome Midrange
price:705.35 $CAD Each
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磁石強化型のSでなければ、新品のSM75-150の購入は可能です。
円高の時期は5万円(諸税・手数料・輸送料別)を切っていました。



Recone Kit 8ohms for SM75-150 & SM75-150S
price:394.05 $CAD Each
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ダイアフラムが命ですので、ドライバー購入価格の55%とは、結構高額です。



Front Mount Kit for SM75-150 & SM75-150S
price:159.75 $CAD Each
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 23mm厚のバッフル板と155mmの取り付け穴を必要とするところを、このマウントキットで補強すると、その分クリアランスを稼ぐことが出来て、取り付け部分の補強が可能になります。
 これは、簡単に自作できそうです。



Front Plate for SM75-150, replaces the Waveguide, improve the off axis response above 800Hz
price:159.75 $CAD Each
Front-Plate-for-SM75-15008,-replaces-the-horn,
 Waveguideからこのフロント・プレートへ換装することにより3dB程音圧がダウンしますが、 軸から外れた場合 800Hz付近の音圧低下を避けることが出来ます。Waveguideは、音質より95dB以上の音圧を優先して、実現するために設けられた物です。


3Wayから2Wayにチャレンジ その6 (SM75-150に浮気)

 ATCのSM75-150を3Wayの中域に投入して試聴してみました。
 "S"のサフィックスが付いたマグネット強化タイプではないのが一寸残念です。
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○上段:ATC SM75-150 Midrange
○中段:Scanspeak 15WU/8741T00 Illuminator Midwoofer
○下段:ScanSpeak D2908/7140 Beryllium Dome Revelator Tweeter

 メーカーの推奨クロスオーバーポイントは、380Hz~4,000Hzです。又、メーカー発表のfsの公表値が320Hzですが、実際測定してみるとそれより低く305Hz±2Hzの値となっています。
 実際に使う場合は、440Hz~3,500Hz程度が限界かと思います。特に、角60度の4,500Hz付近にはダイアフラムの共振による狭く深いディップ生じており、それを避ける遮蔽特性が必要です。
 今回は、660Hz~3,080Hz、220Hzのバウンダリー(boundary)としました。このクロスポイントであれば、ウーファー、トゥーイータの特性上で美味しいところのみを利用することとなります。

 肝心な音
 今までAccuton C50で聴いていた音と全く異なり、セラミック固有のヒステリックな音がしません。特に、ボーカルが前に出て、人の声をとても明瞭に聴く事ができます。
 もともと、Accuton の製品は、バラつきが多くダイアフラムが割れていたり、ペアーの周波数特性が大幅に異なる等、商品として信用できません。音質的には、ダイアモンドしか無いと思います。
 当初、3Wayから2Wayへの移行を目ろんでいましたが、ATCのSM75-150の音を聴いて、その意思が揺らぎ始めています。

周波数と位相特性
 特に位相の回転が3Wayに拘わらず穏やで、2Wayの時と殆ど同じです。高域の13kHz以上は,軸上から外れているためそれ程伸びてません。
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 上部ウーファーの軸上0.7m 青:周波数毎の音圧 緑:周波数毎の位相の角度

ドライバー毎の周波数特性
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 音圧90dBでの測定結果です、トゥーイータとの繋がりで歪んでいますで、若干の調整が必要です。

Wavelet Spectrogram
 ドーム先端を物理的に合わせて、遅延値を変える事無く、一回でアライメントがとれました。
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 Y:周波数、X:時間 色が音圧を表しています。

歪特性
 測定時の音圧を85dBで、25dBから30dBの歪です。磁性流体を使わないドライバーの構成で、低歪が実現できています。
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SM75-150のインピーダンス特性
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 左右ドライバーの測定結果を同一グラフ上に載せましたが、線が重なっていて違いが解りません。

仰俯角毎の周波数特性
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 800Hz付近にWaveguideによる乱れがあり、60度4,500Hzにダイアフラムの共振によるディプが生じています。

ケーシング
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 重さが7㎏もあり、耐震構造が必要かと思われます。
 SM75-150のダイアフラムとサラウンドには、環境問題で製造、販売、使用禁止のビスコロイドがタップリと塗ってあります。
 又、D2908/714000には、発癌性の高いベリリウムを使っていて、少々罪悪感を感じてます。
 コンパクトで座りの良いキャビネットを作製する予定です。それまで仮設で聴く事にしましたが、割り切ったスケルトンもなかなか良いですね。
 費用は1,800円で、15分で出来ました。
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ラスベリーパイ その13 Raspberry Piによるチャンデバ

 Raspberry Pi 2 Model Bを使ったデジタルチャンネルディバイダー(以降、ディジタル・チャンデバ)の音出しを行いました。
 天の川さん(ホーム頁はここ)のつくられたFIRのフィルターにより2Wayでクロスオーバー周波数3,000Hz、そしてフィルターの設計はGNU Octaveで行われ、演算は倍精度浮動小数点数(Double precision floating point number)で行っています。
 現存するデジタルチャンデバ(PCチャンデバを含む)としては、Minnさんの作られたfoobar2000のコンポーネント(channeldivierF)にならぶもので、高音質が期待できます。
 GNU OctaveはMATLABと互換性をもった数値解析ソフトウェア。

FIRフィルタ計算のプリシジョン(Precision)
 フィルターの設計で用いた倍精度浮動小数点数は、以下の様なデータの構成で、IBM製の汎用機(S/360)が出来た時のワードマシン機能です。特に科学技術計算、数値解析等に用いられた演算機能です。
 ・符号ビット (sign): 1 ビット
 ・指数部の幅 (exponent): 11 ビット
 ・仮数部の幅=精度 (fraction): 52 ビット(暗黙のうちに1ビット追加
  されるので、正確には53ビット)

HDMIとリヌックスの優位性
 hdmiの物理層はTMDS (Transition Minimized Differential Signaling)には、最大8チャンネルのPCMとそれを統括するバランス伝送のクロック信号が存在します。又、Raspberry Piのニュークリアス(Nucleus)はLinux(リヌックス)がベースであり、クロックの無いS/PDIF+Windowsより高音質である事が想定されます。

測定結果
 Omnimicで測定した結果を以下に示します。
 軸上0.7mでの測定で、音圧は90dBです。
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 3,000Hzで綺麗に-6dB/Oct.でクロスしています、完璧です。
 120Hz付近のディップは、部屋固有の定在波の影響です。

イコライザーとフィルター
 FIRの場合、プリエコーを空間合成して相殺するために、クロスポイントにおいてチャネル毎の音圧が-6dB/Oct.で揃っている必要があります。そこで音圧をイコライザで調整します。以下がそのフィルターです。
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タイムアライメント
 タイムアライメントをWavelet Spectrogramで測定してみましたが、これも良い結果が得られました。
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 0mSecを中心にテパーコーン状態で、高・低のタイム・アライメントはピッタリです。
 Y:周波数、X:時間 色が音圧を表しています。

MDPクライアント(Windows)
 MDPクライアントは、レガシーな「Gnome Music Player Clientを用いました。特にこれ限定されるものではなく、普段使い慣れているソフトを活用できます。
 Gnome Music Player Clientは多機能で、とても使いやすい、信頼度の高いソフトです。
 Gnome Music Player Client

肝心な音
 そこで、肝心な音ですが、周波数特性の平滑化は、音の良し悪しの総てではありませんが、一つの重要な要素です。
 敢て一言で言えば、小型モニター的な音です。

問題点と改善
 Raspberry Pi 2 Model Bをオーディオで使う場合の最大のウイークポイントは、以下に示しますように、変換効率を優先して従前のBモデルと比べて電源がスイッチング電源に改善(オーディオ的には改悪)されたことです。
 そこで、スイッチング電源の息の根を止めて、自作のシリーズ電源に切り替えることにより、更なる音質の向上が期待できます。
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  印のインダクターを破壊して、矢印のチップコンデンサーに良質な直流を供給する事により、高周波のノイズ特性が改善される筈です。

天の川さんの「天の川オーディオ研究室」
 以下のサイトで、詳細が公開されています、是非実験してください。
 天の川さんのRaspberry pi 2 のHDMI出力でマルチアンプ!

 ノイジーなパソコンと決別、Winowsの呪縛からエスケープ、あるいは、シャークというDSPから卒業と言う新たな時代の夜明けです。