ラスベリーパイ その11 音質良化

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© 2015 grigri
 最近入手しましたRaspberry Pi B (左)とRaspberry Pi 2 Model B(以下 2 B) (右)専用S/PDIF基板です。
 何れも大陸製で、ともに送料を含めて、鬼の様に廉価な2,000円です。この価格は秋月で部品を調達しても、この価格での実現は不能です。まして秋月までの交通費を加えたら、逆立ちしても無理です。オリジナルはHiFiBerryで、そのパチモンですが、オリジナルより高機能で、赤外線リモコン機能が付いていて、オプションのパルストランスも標準装備です。名前は「パイファイデジ+」という可笑しな名前でが、なかなかの優れものです。恐らくHiFiBerryのOEM先が直販を行ってしまう、中国、韓国に良くあるケースです。  
 早速volumioというMPDで音を聞き比べてみました。S/PDIFからAES/EBUに変換後、DCX2496にデジタル入力して聞きましたが、明らかに、Raspberry Pi Bの方がSNRが高く静かです。

 その差の原因はRaspberry Pi電源の違いに寄るところが大きいと思われます。Raspberry Pi Bは、LDOによるドロッパー電源です、それに比べRaspberry Pi 2 Bは、効率を追求してスイッチング電源で構成されて、EMIノイズ塗れが原因と推測されます。スイッチング電源の周波数は、4.55MHzであり、そのノイズが基板の全体に拡散されています。オーディオとして、Raspberry Piを採用するなら、取り敢えず、古いRaspberry Pi Bの方が好ましいと断定できます。しかし、このスイッチング電源を無効化して、外付けで、5V 3.3V 1.8Vの電源を供給して、追加のS/PDIF用の5Vとアイソレートすれば、かなり良化する事が見込まれます。しかし、マルチコアーのCPUインターラプトが音質面に悪影響する可能性がり、現時点ではなんとも解りかねます。volumioがマルチコアー用にロジックをマイグレーションしたとは聴いていません。例えば、音楽再生用の専用コアーとか、html処理専用コアーをアサインするとか、出来ると思うのですが・・・
 今、電源を改造して、そこまで頑張るか、古いRaspberry Pi Bで我慢するかが、悩むところですが、今回は、あっさりと、Raspberry Pi Bでいくことにしました。高性能、高ノイズのRaspberry Pi 2 B は、「Raspberry pi 2 のHDMI出力でマルチアンプ」を計画している友人の天川さんのプロジェクトのラズパイ・チャンデバに投入する事とします。

天の川オーディオ研究室
Raspberry pi 2 Digital Crossover and 8ch LPCM form HDMI
 
 アナログ・デバイセズのSHARC®プロセッサを凌駕して世界で最高性能のFIRフィルターのチャンデバが出現する可能性を秘めています。何れ、ラズパイによるチャンデバをログしたいと思います。

アナログ・デバイセズのSHARC®プロセッサ
べリンガーDCX2496(ADSP-21065)、アキュフェーズのDF-55(ADSP-21363)、DEQXなどに使われている、フィルター用のDSP

左側のアクリル製名刺ケースは東急ハンズで上代200円です。強調文肉厚が4mm程あり丈夫で、加工に失敗しても気になりません。
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第5回PARCサウンド鑑賞会 その6 本当の終わり

 第5回 PARCサウンド鑑賞会では、根性無くアクティブ・ネットワークで出品しました。 しかし、折角作り掛けたパッシブ・ネットワークなので完成して終わらす事としました。
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SpeakerWorkshopでの設計です。
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 出品の予定は、3次と2次で3,000Hzで、Qノッチフィルターが三個ありましたが、ウーファーのブレークアップの無効化とバッフルステップ補正(4.5dB)のみ残して一次フィルターに改造しました。
 一見良さそうですが、トゥーイータの下限のカットが甘く、歪っぽいです。やはり最低でも二次は必要です。
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周波数特性と位相特性は穏やかです。
バッフルステップ補正が、低域から800Hzまで3.5dBほど効いています。
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Wavelet Spectrogramは、パッシブでありながら、良く繋がっています。
これはウーファーにバッフルリングの下駄を履かせて、15mm(5.1ms)のタイム・アライメントを稼いでいる為です。
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Toneburst Energy Storage 5 Cycles (TES)
 何か変です、こんなに特性が良い筈が無いです。
 アクティブネットワークの時は盛大に数サイクルの残響が有ったのですが、パッシブだと生じないです。
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 肝心な音は、少々歪っぽさがありますが、低音も良く出ていて、まあ使えない事は無いです。
 後は、家族にスピーカー作製趣味の理解を得るために、キャビネットの処分を行い、来年の準備を行う事です。
 

3Wayから2Wayにチャレンジ

 ベリリウム・トゥーイータが、デンマーク・コペンハーゲンから300Km程離れたベズベック(Vedbæk)という場所から、米国ウイスコンシン・ミルウォーキー(シカゴの近く)のMadisound Speaker Components, Inc.経由で遥遥、アジアの果ての東京まで来ました。

 開梱して第一印象は、「美しくて精密」と言った感じです。色も黒ではなく、シックなコバルト・ブラックです。
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ScanSpeak D2908/7140 Beryllium Dome Revelator Tweeter
 このトゥーイータを選んだ理由は、高域が伸びて指向性が強くない事です。又、ダイアフラムを保護しているメッシュが、音響工学的に透明との事でイルミネータではなく、このリベレータにしました。

 以前から、角付きと、レガシーなドーム型のトゥーイータを使っていたのですが、ウーファーとの繋ぎが今ひとつで、2Wayから3Wayに移行したのですが、見事に失敗して、メインシステムから半年程距離を置いていました。

 未完成のまま放置する事が出来ない性分ですので、一矢を報いる趣向で、本格的に2Wayにチャレンジする事にしました。
 先ずは、角付きテキスタイルから、ベリリウムのトゥーイータに換装して、3Wayから2Wayにチャレンジする予定です。


 余談ではありますが、何故にデンマークから米国経由で入手した事をわざわざログしたかったと言いますと、実はこれ程複雑な流通経路を経ても、日本国内で購入する価格の半額なのです。
 何故日本国内で購入するとユーザーサポートも無く高額なのでしょう。

ミッドレンジのドーム型スピーカー

 お払い箱ミッドレンジスピーカーのScan-Speak Discovery D7608/920010を久々に持ち出して、Omnimicを用いて、再度調整を行ってみました。
 以前に試した時は、ポリプロピレンの音が耳につき、10分と聴かず潜在能力を知らずして、短時間で使用を止めてしまいました。又、タイムアライメントをとる事が難しく諦めていました。
 キャビネットとデッドマスを丁寧に作っただけにガッカリしました。
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 そして、最近、Wavelet Spectrogramによる調整方法に多少慣れてきて、程ほどの精度まで追い込む事ができる様になりました。
 早速、Wavelet Spectrogramでアライメントをとった結果が以下のグラフです。
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 3Wayとしては、まあまあ及第点をあげても良いかなと思います。
 この状態で、周波数レスポンスを測定して、可能な限りフラットになる様に、無理の無い範囲内で、クロスオーバー周波数を調整しました。
 今まで、880Hz、3420Hzであったものを600Hz、3000Hzとしてウファーの受け持ち域を下げる事としました。
 その周波数レスポンスが、以下のグラフです。
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 Scan-Speak Discovery D7608/920010は、デッドマスを背後に背負い込み、背面のパネルから螺子でマスを押す構造になっています。
 これにより、アジリティーのあるミッド・ドーム・スコーカーが更に立ち上がりがよくなっています。
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 普通の重さのコーンのフルレンジをミッド代わりに使うケースが多々有りますが、ミッドのドームの音はスピード感があり、指向性が広く、良く調整されたホーンの様です。
 市販品では、英国ATC製業務用のモニタースピーカーがあります。その上位機種用にSM75という、別格のドームスコーカーがあります。それには遠く及びませんが、唯一良い事は付属のショートホーンが無いこと位でしょうか。
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 右の巨大なドームスコーカーがATC製SM75-105Sで、ショートホーンの構造です。このホーン部分は本来無い方が音響的に良いのですが、不慮の事故を防ぐ目的で設けられている様です。このホーンにより音圧が2.5dB程アップして、高域(4.7kHz)に大きなデップが生じています。しかし、400Hz辺りから使える希少なスピーカーで、実際に聞いてみると低歪で素晴らしく良い音のスコーカーです。

第5回PARCサウンド鑑賞会 その6

 昨日、第5回PARCサウンド鑑賞会がおこなわれました。
 毎年、出品されるスピーカーのレベルが高く、今年も昨年以上にハイレベルでした。

 以下が、その午前中の風景で、開始と同時に満席の状態です。
 午後にも大勢の方がいらっしゃいました。
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 聞くことに専念して、皆さんの写真を撮り忘れましたが、PARC冨宅代表によるセンターキャップの構造による音に違いなど技術実験と貴重な説明を頂きました。
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 Mr. Hippo(A&Cオーディオ社の島津代表)による実験的デモがおこなわれました。
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 出品させていただきました、私のスピーカーの肝心な音は、全く駄目でした。
 根本的にドライバーの選定と形状を考え直す必要があります。
 次回は、ペーパーコーンのウーファーと、軽量ダイアフラムのトゥーイータ、フィンランドバーチで王道にチャレンジしたいと思います。

 それにしても、この会は素晴らしいですね、順位をつけない大人の会として、今後も続いて欲しいです。
 主催された皆さん、島津さん、冨宅さん、会場の九州工業大学、田中さん、出品者の皆さんに大感謝です(順不同)。

第5回PARCサウンド鑑賞会 その5

 今週末にPARCサウンド鑑賞会が開催されます。

日時    2015年5月23日(土) 10:00~17:15
場所    九州工大鳳龍クラブ(新橋駅前ビル5F)
参加費   500円(入場時に会場使用料として)
主催    代表幹事 田中さん + 有志 (+ 事務局 A&Cオーディオ)

詳細はこちらから → 第5回PARCサウンド鑑賞会 開催のご案内

 新橋駅前ビルの三基あるエレベータの五階の正面です。



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 恥ずかしながら、作品を発表させていただく予定で、準備を進めてきましが、今ひとつ納得できないので、再度調整を行いました。
 写真のとおり、パンダの「リーリー・シンシン」の様で、みっともないデザインです。
 アンプをAmcrown D45を使う予定でしたが、そこそこ鳴って、ソノリティーは良いのですが、大味で高音の繊細さと、艶やかさがありません。
 そこで、ここに及んでメインアンプをAmcrown D45から、デンマークB&Oグループ企業icePower 社のアンプに交換しました。

 結果は期待通り上品で、そこそこの音がします。
 Amcrown D45で聴くピアノ・ソロの場合、高音ではハンマーが剛性の高い弦を叩く時の鳴りや、低音は図太く長い弦が唸りながら減衰していく様子が、目前にピアノがあるかの様に聞こえます。しかしicePowerは、それに加えて、ピアノの鍵盤に指が当たるノイズが正確に聞こえます。

先ずはf特です。(軸上1m)
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 特に問題なさそうです。 110Hz付近のディップは部屋の影響です。
 又、測定個所が床から1300mmですので、450Hz以下のデータは目安程度です。

位相特性
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 FIRのフィルターの為か素直な位相(緑の曲線)で特に問題無さそうです。

歪特性
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 特に低音に問題が有りそうです。
 この歪の高さにより、音の品位が決定付けされている様です。
 ウーファーとしては、コーンの薄さより剛性が必要かと思います。

Waveletによるスピーカアライメント
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 程よく調整されているので、クロスオーバーの3,000Hzが解りません。
 赤いテパー状のコーンのゴーストが3.5ms、5.5ms、6.6ms、9.5msに現れています。これは部屋の壁、天井、床からの一次反射の距離に合致しています。
 1,000Hz、3mSec.から4mSec.で分割振動により、リンギングを起こしています。
 この辺は、内部損失の大きい、北欧の紙とかマグネシウムのコーンウーファーですと解決できそうです。

 明日、もう一度確認を行う予定です。



ラスベリーパイ その10 安定稼動への道

 Raspberry Piの安定稼動への近道は、熱対策と不要不急なソフトの更新を止める事に尽きると思います。
 Raspberry Pi Bは、CPUに700MHzのARM1176JZF-Sプロセッサを搭載して、ヒートシンク等の特別な熱対策が施されていません。
 Raspberry Pi Bは700mA(3.5W)の消費電力で、積極的に熱を発す部分として、CPU、LAN9512コントローラ、LDOレギュレーターがあります。
 特にレギュレータは、micriUSB TypeBから供給される5Vをデジタル系にLDOにより1.8Vと3.3Vを供給しています。
 そこで、 動作中の主要部品の温度を調べてました。
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 Raspberry Pi の CPU 温度は、ログイン後下記のコマンドで調べる事が可能です。
 コマンドライン:# cat /sys/class/thermal/thermal_zone0/temp
 レスポンス   $ cat /sys/class/thermal/thermal_zone0/temp
          47338 
上記は、47℃という事です。 少数部は千分の一ですが、プリシジョンとしては如何なものかと・・・・

 最大の発熱個所は、レギュレータ部分で、ここでは、5V-1.8V×電流分-3.3V×電流分の熱損失が生じます。
 そこで、Raspberry Pi用のヒートシンクと称したニッチな商品が存在します。
  大13x13mm程度:CPU用と、小9x9mm程度:LANコントローラ用で上代で200円程度で、千石電商二階で入手して、シリコングリスを塗布した後、押さえつけて、その効果とやらを測定してみました。
 測定した結果、このヒート・シンクによる効果は、お呪い程度で、無しのときの温度から-1℃から-2℃程度の降下で、全く意味がありません。
 レスポンス   $ cat /sys/class/thermal/thermal_zone0/temp
          46538
 46℃に僅かながら降下していることが解りました。

 まして、プラスチックのケースに入れて蓋をしては、エアーフローが確保できません。
 ファンで冷却すれば、ヒートシンクの其れなりの効果は期待できると思います。

 ところが、それより、指で触れないほど熱い部品があります、それは無線LANのドングルです。この温度は尋常ではありません。

 そこで、以下の対策をとってみました。
 1.無線LANから有線LANに切り替える。
   (放熱と消費電力3Wの削減を目指す)
 2.消費電力の少ない無線LANのドングルに変更する。
   (放熱と消費電力1.7W~2.5Wの削減)
 3.無線LANをUSBケーブル(延長ケーブル)で本体から離す。
   (熱源の分散による放熱効果の期待)

 やはり、一番優れているのは有線LANとすることです。しかし、設置するロケーションの問題があるので、2番のドングルを交換する方法も中々良いと思います。
 ドングルの中には、多少通信速度が遅いものの、消費電力が少なく、又通信状況に応じてダイナミックに消費電力が変化する優れ物がありますので、選定には注意が必要です。

 左は良く見かけるB社製のドングルで消費電力が3Wです、それと比べて右側のドングルは、P社製で最大で1.7W(待機時は0.5W)の省エネです。
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 現在は、1と2を並行して実施していますが、発熱対策後は、極めて安定して動作し続けています。
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 次回は、音質良化の道として、Raspberry Pi B 2.0との音質の相違について纏めてみます。