PCオーディオとMMCSS

 オーディオに特化したPCの設定を考えてみます。
 PCの電源をスイッチングから、シリーズにする、ハードディスクをSSDに換装する、各種ボードの冷却ファンの電源を外部から得る等々、力技による方法が主流で、これも極めて重要ですが、ここでは、ハードに手を加えずして、音楽再生環境のオプティマイズについて考えて見ます。

PCをオーディオ環境で、使用する場合の最低限配慮すべき点をあげて見ます。
1.メール、Webブラーザーは使わない、又、サービスを停止する。
  但し、WindowsUpdate、ドライバーの更新等、保守時は除く。
2.ASIO以外のサウンド、ビデオ機能を無効化する。
3.ブラーザーを停止した事を条件に、ウイルス・ワクチンソフトを停止する。
4.Microsoft Windows Updateを自動からマニュアル起動に変更する。
5.リモート・ディスクトップで、マウス、キィーボードによるインターラプトを減らす。
6.タイム・イニシエートで動作する保守系のソフトを停止する。
7.MMCSS(Multimedia Class Scheduler Service)を有効にする。
8.仮想メモリーを無くして、メモリー不足時のステージング機能を停止する。

そこでMMCSSの効果について考えて見ます。
MMCSSについては、マイクロソフト社から以下の様に情報開示があります。
URL: Multimedia Class Scheduler Service

 Windowsの基本的な処理は、CPUコアー#0で行います。それに対して、音楽再生ソフト等、アプリケーションは、#0がビジーな時は、#1、#2、#3と順番に処理をシフトする事により、特定のCPUコアーに負荷が集中しないように分散して、スループットの向上が図られます。
 そこで、対策としては、音楽再生に関する処理は、逆にCPUコアー#0から限りなく離れたCPUで処理して、可能な限りインタラプトの機会が少ないCPUで処理する事が望ましいと言えます。
 実は、その方法を実現する為に、MMCSSの設定が存在するのです。
 これにより、CPUコアのユーティライゼーションの平準化と、インターラプト頻度の低減が実現します。

 対処の結果、肝心の音は、音場感が増して、スッキリした音になります。
 これは、クロックの確度を向上して、低位相雑音の環境が実現した時と似た現象に思えます。
 
●foobar2000で、処理の優先順位の指定でMMCSSに関する項目があります。
MMCSS.jpg

●FirefaceのUSB SettingsにEnable MMCSS for ASIOという項目があります。
 この機能を有効にすると、高負荷環境時でもサウンド処理が優先されます。
USB.jpg

 上記の様にRMEのASIOドライバーでMMCSSを指定すると、ASIOがCPU#1で稼働します。又、foobar2000でMMCSSを指定する事により、foobar2000もCPU#3で稼働します。これにより、サウンド機能が安定して稼働する環境が整います。
 以下がその実例です。
asio.jpg

●ASIOとWASAPI環境
 WASAPIに関する定義で、High worker Process Priortyという項目がありますが、ASIOの場合この項目にレ点を入れるとWindowsのオーバヘッドが増えて、ASIOのバッファリングが上手く行きません。
 この項目は必要性が無い限りOnとしない方が幸せになります。
 WASAPING.jpg

●設定項目の基本
 設定して効果が見られない場合は、必ず基に戻して下さい。
 必要で無い時は、基本的にオリジナルのまま、これが原則です。 

 マルチアンプの音量調整その1

RME_convert_20141027000518.jpg
 音楽プレーヤfoobar2000とRME TotalMIXの画面です、firefaceがフルスイングに近い状態で使われています。
 アナログ出力のメイン・スライダーを、0dBまでレベルを上げています。(左の矢印)

 デジタルチャンデバの音量調整は、なかなか悩ましい問題が山積しています。
 私の解決方法は、RMEのfirefaceのアナログ出力スライダーの連動機能に委ねています。
 firefaceのアナログ出力スライダーLow、Mid、High、をグループ設定を行うことにより、出力チャネルが連動して、デジタル・ボリュームとして動作します。(右の矢印)
 ここで重要なことは、TotalMIXというRMEの制御プログラムを使うことにより、音量を絞った時のビット落ちによる、情報欠落を最小にする事が出来るのです。

 RMEのTotalMIXの場合、内部処理が、フローティング・ポイント46ビットで処理を行っています。それと比べてANALOG DEVICESのSHARCを用いているベリンガー DCX2496(ADSP-21065)、同様にアキュフェーズ DF-55(ADSP-21363)、DEQX等は、仮数部32ビット、指数部8ビットの単精度浮動小数点数 (Single precision floating point number)で処理を行った後、アナログ出力のレンダリングを行うため、ビットシフトによる音量調整を行うと、圧倒的に処理する情報量が減少します。

 そこで、Mainの出力スライダーを0dBとしたとき、最適な音量となる様に、firefaceとパワーアンプのゲイン調整を固定抵抗のアッテネータでの調整が必要となります。

 IEEE 754(IEEE 浮動小数点数演算標準)で定められている様に、単精度浮動小数点数は、固定小数点数に比べてより広範囲な数値を表せるようになっていますが、同時に精度を犠牲にしています。精度を少しでも上げるために、RMEのTotalMIXは、46ビットの浮動小数点の演算を行い、ビット落ちを避けています。
 firefaceの音が良いとされている一つの要因であると思います。

 このデジタル・ボリューム機能を、積極的に使わない手は、無いと思うのですが・・・・・

たかがターミナルされどターミナル

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 ごく普通のターミナルで、電子機器(PDB)に取り付けてPCB間の信号、電力のブリッジに用います。
 写真左(青)がAlphaplus Connectors & Cables Corp.製(台湾)で20円、右(浅黄色)が由緒正しき、オムロン製で300円です。
 大きな違いは、左の台湾製は磁石に激しく付きます、オムロン製は磁石に全く反応しません。又、台湾製の最大の問題点は、一度絞めると、金属接点が歪み(曲がり)二度と使用できません。それに接点が鉄ですから接触不良で、音が悪化すると思います。
 更に、クリートする時のネジの感触、締め上げた特のステディー感が全く異なります。
 無論、オムロン製の方が良いのですが、そのオムロン製は、Phoeix Contact(独)のライセンス生産で事実上デファクトスタンダードになっています。
 この値段と品質をどの様に評価するかですが、アナログLPのシェル・リード線、スピーカーケーブル、RCAケーブルに拘るより、もっと気にすべきポイントが有るような気がします。本日、 ご自分のアンプの蓋を開けて、ターミナル、スイッチの接点を磁石でチェックしてみると、今日から落ち着かない日々を迎える事になると思います。

4Way用の電子ボリュームの作製

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 4Way用の電子ボリュームの作製を開始しました。

 何時もの癖で、良く考えずに電子ボリュームの作製に着手しました。
 部品が到着して、先ずは、部品の数が多いことにびっくりしました。
 その筈、マルチウェーの数分だけ作る訳で、完成した暁の事ばかり考えて、楽しい時間を過ごしていました。
 河口湖の合宿には、間に合いそうにありません。
 そういえば、「ラズベリーパイで、ハイレゾ」も作っていないですし、ユニバーサル・プレーヤーのノイズ対策も足踏み状態です。

 一生懸命作って、LINKMANの改造ボリュームより音が、悪かったら・・不吉な予感
 受動部品あり、オペアンプあり、限界値ありで、音が良い訳ないと思っています。

手作りアンプの会10月のオフ会

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 手作りアンプの会10月のオフ会に行ってきました。
 T氏の作られたスピーカーを聴かせていただきました。
 Morel ウーファー(EW536)、Scan speak トゥーイータ(D3004-664000)を採用したバンブーオーナメントスピーカーです。
 聴いた感じは、3.6ℓ小さなスピーカーからは、全く想像を裏切る大迫力の音がします、しかし、音が大迫力なだけでは無く、音質がとても優れていています。
 特に高音に艶があり低歪みで素晴らしいく、音圧を上げても、全く破綻しません。
 久々に、小型でスケールの大きい高音質のスピーカーを、聴かせていただきました。
 知識が豊富に有る人が、思いっきりの遊び心で、作ったスピーカーと言えます。
 今後の課題として中音域の分解能の向上との事ですが、どの様に解決されるのか興味があります。
 聴いた感じでは、結構良いと思うのですが・・・レベルの高い話です。

 Morelはイスラエル製、Scan speakはデンマーク製で、欧州のスピーカーは、やはり良いですね。
 長い冬の夜長を音楽で楽しむ文化が、良いスピーカーを生み出す原動力になっている様です。

ラズベリパイ
 ラズベリーパイで、ハイレゾという基盤です。
 名刺サイズのパソコン・ボード Raspberry Pi で、ネットワーク・オーディオが可能なDAC 基板を、手作りアンプの会の岩野さんが設計され、その基盤を配布していただきました。
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 新たに設計製作された基板は、 Raspberry Piのサイズと同じで、2段重ねができます。上手に作ると名刺サイズのネットワーク・プレーヤーが出来ます。無線のドングルと、小型のD級アンプを使うと、例えば、自動車の中とか、町中とか・・・「どこでもネットワーク・オーディオ」が楽しめます。
 これから、Raspberry Piの購入、DACチップPCM5102を入手して、384kHz/32bitのネットワークプレーヤーを作製します。
 来年4月のおさるの学校合宿で、作製大会を行うかも知れません。
 それまでに、しっかりと勉強して、ネットワークプレーヤーにチャレンジして見ることとします。

 それにしても、手作りアンプの会のレベルは、とても高く、真空管アンプから、最新のネットワーク・オーディオまでカバーして、東芝のキャッチコピー「電球から原子力まで」 と似ていますね。

メイン・システムのチューニングを行いました

 Near fieldで、周波数特性を合わせても、リスニングポイントで聴くと、部屋の影響を受けて、まともな音で聴くことが出来ません。更に部屋の影響を考慮しつつ、単純にリスニングポイントで、音圧を追い込むと、聴くに耐えられない音になってしまいます。
 そこで、手作りアンプの会のI氏、T氏に、リスニングポイントでのチューニングのノウハウをお教えいただきました。
 その方法で、時間をタップリ掛けて、落ち着いてチューニングを行いました。
 チューニングのノウハウを活かして、的確にチューニングを行うと、2wayと3wayの音の差が、あまり無いことが解りました。
 必ずしも、2wayより3way、が優れているという事は無いようです。
 但し、同一メーカーで、高品質で統一性のあるドライバーを用いた場合は、結果が異なると思います。
 残念ながら、この辺は、経験してみないと解りません。

 黒:2Way 赤:3Way (スピーカーバッフル面から3.5m)
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 3Wayの1kHz部分の音圧を下げているのは、この部分をフラットにすると、金切り音が強調されるので、意識的に下げています。2Wayではこの様な癖はありません。

 3Way 赤:Low 緑:Mid 紺:High (スピーカーバッフル面から0.7m)
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黒:2Way 赤:3Way (スピーカーバッフル面から0.7m) 2Wayの方が、3Wayより、音圧、位相共に穏やかです。
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Y氏宅訪問

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 Yさん宅にお邪魔させていただきました。
 目白の閑静な住宅街で、徳川義親侯爵の徳川ビレッジの近くで、近くには目白庭園と赤鳥庵があります。
 Yさんのオーディオ・ルームは、木材で制振処理が施されており、ウェルフロートの導入等、徹底的にアコースティック・コントロールが行われています。
 システムの構成として、Scan Speakのベリリュームツィータ D3004/66400、ミッドバスはAccutonのC79、ウーファはATCの24cmSB75-234SCを密閉のキャビネットで使用しています。
 Yさんは、foobar2000プラグインのチャンネル・デバイダーの作者であり、一度お会いしたいと思っていました。 
 早速、音を聴かせていただきましたが、歪みが少なく、音量を上げても破綻せずに、素晴らしい音です。
 デジタル・ソースが中心のシステムで、MSBのマルチチャンネル用のボリューム、fireface UCX等を使われて、随所にデジタルオーディオに対する配慮とノウハウが投入れています。
 途中で、もう一セットのメインシステムで、ATM ハイルドライバーを聴かせていただきましたが、音場型でこれも素晴らしかったです。
 システムを見てのとおり、選択されたドライバーでも解るように、大ベテランです、同席された、Tさん、Kさんの話のレベルも高く、私自身いささか、消化不良でしたが、すばらしいオフ会でした。
 

ICEpower 50SX2SE

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 ICEpowerは、既にMid用に投入済みで、音が良くコンパクトで安定しているので、たいへん気に入ってます。
 このアンプを3台入手出来ましたので、マルチアンプに仕立てる予定です。
 アンプのサイズが、L:110mm×W:80mm×H:35mmなので、1Uのラックマウントシャーシーの高さがEIA規格ですと44mmですが、JIS規格の場合49mmですので、平置きで横に3個入ります。
 DCX2496とこの1Uのアンプを、SKBの2Uラックケースに入れて、オフ会用の移動マルチシステムとしたら良いですね。
 スイッチング電源で軽く、実験用に最適です、又、音量の調整は、APLSの電動六連ポットを投入する予定です。
 このアンプで、一番背が高いパーツは、見てのとおり、左上の電解コンデンサーです。このコンデンサーを5mm短縮すると、30mmに収まり、EIA規格のラックマウントシャーシー(1U)に、余裕を持って収まります。この点をICEpower社が改善すれば応用範囲が、もっと広がると思うのですが・・

台風一過の東京

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  Canon EOS-1Ds Mark III EF70-200mm F2.8L IS II USM
  © 2014 grigri.

 台風の災害が少なくて、何よりでした。
 台風一過のサンシャイン60ビルから、新宿方面です。

試聴と測定のクローズドループ

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 第5回公開オフ会も終わり、ほっと一息してしています。
 
 時間の余裕が出来たので、迷宮入りしている、自宅システムのチューニングを行いました。

目標として
 1.膨らんでいる中低音を先ずは、スッキリとさせる。
   ウーファーのレベルを0.5dB落とし、トゥーイータのレベルを1dBアップ、
   200Hz~360HzをPEQで0.5dB下げて、何とか解決しました。
 2.紙臭い低音を無色に近づける。
   低歪みのMidLowを投入して、クロスを300Hz以下として解決する方法
   が、有力かと思われます。

現時点のチューニング結果です。
 111Hzと974Hzのディップを色々工夫しても、なかなか消せません。
 丁度3mと0.35mに相当します、0.35mは、MTMの2台のウーファーの間隔が、29cmなので恐らく干渉して、ディップが生じていると思われます。
 問題の切り分けの為に、MTMの片側の結線を外しても、ダイアフラムの振動を止められないので、確かなところは解りませんでした。
 111Hzのディップについては、スピーカーから、後部壁までの距離90cmを起因とする、一次反射波によるキャンセレーション・ノッチが生じている様に思えます。
 しかし、111Hzのディップは、20Hz幅なので聴感では、問題無い様です。

周波数特性
  クロスオーバー 880Hz、4,400Hz
  リスニング・ポイント:スピーカーから4m離れた中央
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アッテネータの調整 
 キヤノンのプラグ側に組み込むウーファーとトゥーイータの、パイ型平衡アッテネータ(俗称O型)を早速、固定抵抗で作り直しました。
 抵抗は音質より精度を優先して、金属皮膜抵抗にしましたが、安定後はVishay製金属フィルムに変更する予定です。
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PEQ無しでの調整とPCの排除
 200Hz~360Hz付近の調整でPEQを使用しています。これを全廃することにより、現在PEQとして用いているPCを無くす事が出来て、デジタル・チャンデバをアナログチャンデバに入れ替えることが出来ます。
 PCを無くす事が出来ましたら、操作面、音質面で理想的になり、ネットワーク・プレーヤーを導入し、やっと完成です。