消音パソコン(クワイエットパソコン)へ移行 最終

 クワイエットPCの調整をそろそろ終えて、スピーカーのセティング等、部屋の音響の調整に力を注がないと、音質を支配する最大の部分の改善が、なおざりで、バランスを欠いた結果になっています。珠玉のPCでは無いけれど、「PCをコテコテと磨く」のも終りにしたいと思います。

最終の機器構成
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クワイエットPCの感想
 クワイエットPCを組み立あげて、振り返れば総て妥協ばかりの産物です。資金の都合による妥協が最大であり、次いで、自分のスキルの無さから来る妥協と、設置スペースの狭隘さから来る妥協の産物です。しかし、絶対に譲れない、クーリング・ファンレス(CPUファン、ケースファン、電源ファン)が実現出来たので、電気信号の低ノイズ化に加えて、ファンの風切音よる暗騒音の低ノイズ化も実現できて、導入して良かったと思います。以下がその一例です。

ファンの電源5Vにブラッシュレスモータのファンを接続して、速度制御がなされていると、以下の様なノイズに汚染されます。
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ファンの電源ケーブルを外して、BIOS上でファン無しに設定すると、見事にノイズが重畳されず、クリーンな5Vになります。
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オーディオの音質の支配の割合
 音の良否を支配する割合は、悲しいかな、大半が部屋(リスニングルーム)とスピーカーで決まります。アンプに至っては、余程に酷いアンプで無い限り、そこそこの再生が可能なので、支配の割合に合わせてオーディオ機器に投資するのが望ましいと思います。1,000万円の資金が有ったら、部屋に400万円投じて改善して、アンプは30,000円程度の物にするか、部屋に30,000円で改善を行い、アンプに一点豪華主義のアンプを備えるかですが、結果は想像がつくと思います。
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残すは部屋とスピーカーの調整
 Floyd e.Toole著のSound Reproduction: The Acoustics and Psychoacoustics of Loudspeakers and Rooms (Audio Engineering Society Presents)を参考にマルチチャンネルオーディオ、スピーカと部屋の音響、心理音響とその評価プロセスを参考に改善してみることにします。 Sound Reproductionという書物は、オーディオ機器(ハード面)については殆ど記載されてなく、与えられた、スピーカー、部屋、什器のレイアウトにより、音響面、心理音響面で、どの様な事が生じて、それをどの様に解決するかが記載されています。特に、音の直接音、反射音に対する記載が、550頁の内、7割を占める力の入れ様です。この様な書物は国内では殆ど無く、又、国内では一番遅れている部分だと思います。オーディオセット、部屋、什器の設置方をトータルに研究した成果です。

オーディオのあるべき姿
 やはり、スピーカーの存在が無く、オーディオ機器が部屋の中央に鎮座せず、選んだ曲がシームレスに優しく流れる・・これが理想です。 電源投入の儀式もなく、飽きたらブッツり電源を切り部屋を後にする・・・これも必要です。良質なミュージックソースをタブレット端末から選択して、音量は、聞いてる場所から自在に調整する・・・又、リスニングエリアが広大である、これがあるべき姿で、最終目標です。
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次へのステップ
 偶然にもイコライザーによる帯域毎のマグネチュードの調整を行わないで、フラットな特性が得られています。次のステップでは、PCを廃止して、チャンネルデバイダーに置き換えて、プレーヤーをLINN等にすれば、脱PCが実現すると思います。

消音パソコン(クワイエットパソコン)へ移行 その13

USBのノイズ対策を強化しました。
 USBからFirewire400(IEEE1394a)に切り替えて、正常に動作することが出来ず、玉砕状態で諦める事にしました。そして、USBに戻してからは、極めて安定した稼動状況が得られましたので、USBのノイズ対策を徹底的に行ってみました。

PCとオーディオインターフェースの繋ぎ方
 基本的にPCとオーディオインターフェースのデジタル信号は、INTONAでアイソレートする事にして、5Vのバスパワーは、INTONAへの電源供給の範囲に留めて、その先のRME Fireface UCXには供給しない事にします。Fireface UCXへの電源供給は、直接トランスを用いたドロッパー式の安定化電源から供給します。これにより電源もデータともにパソコンから完全にアイソレートされました。

緑のラインが差動の信号線で、朱色のラインが5Vのバスパワー、赤色のラインがFirefaceの電源(12V)です。
下図をクリックすると拡大されます。
Qsignal line

EMI Filter Aの回路
D+、D-のラインにコモンモードチョークコイルDLW21SN900SQ2」で、信号ラインのコモンモードノイズを削減します。バスパワーとグランド間にはチップフェライトビーズインダクタ「BLM21PG600SN1」と、0.1uFの積層セラミックコンデンサと超低ESRの導電性高分子タンタル固体電解コンデンサ(POCSAP)でノーマルモードノイズを低減させ、さらにコモンモードチョークコイル「ACM7060-701-2PL」でコモンモードノイズを低減させています。
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EMI Filter Bの回路
D+、D-のラインにUSB2.0対応 コモンモードチョークコイルDLW21SN900SQ2」で、信号ラインのコモンモードノイズを削減してRME Fireface UCXに送り込みます。INTONAからのバスパワーラインには、外部からキャパシタンス(SEPCコンデンサー1000U/6V)を追加して、ここを終端としています。
下図をクリックすると拡大されます。
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肝心な音の変化は
 今日はあいにくの雨ですので、音質の差が解りません。近日中に測定と試聴を行ってみます。PC本体より後からFirefaceを立ち上げないと認識しない事があり、バスパワーをFirefaceに与えない場合、電源投入のシーケンスに条件が有りそうです。

DCS4194UMZ参考資料
RENESAS アプリケーションノート 資料はここ
Full-Speed USB2.0 基本設計ガイドライン(2015.11.25) R10AN0608JJ0100

後で解った事
 Fireface UCXのバスパワー(DC5V)の供給を止めると、立ち上げる順番により、UCX側とTotalMIX(ホスト側)でのステータス不一致が生じる事が判明しました。販売元のシンタックス・ ジャパンのサポートセンターに問い合わせたところ、「ホスト側から見た場合、立ち上げシーケンスが把握できす、又、UCX側からも、DC5Vのバスパワーで、ホストとのフックアップを確認している」との事です。フックアップのプロシージャーが終れば正常に動作しますが、設定の変更を行った場合の直後の再立ち上げ時には、以下のワーニング・メッセージが表示されますが、落ち着いて対処すれば、問題無いようです。基本的にオリジナルどおり、バスパワーを与えたほうが、スタビリティーは高いと思います。
https://synthax.jp/faq-fireface-ucx-reader/items/totalmixnimismatch-detectednomesezigasaremasu.html

消音パソコン(クワイエットパソコン)へ移行 その12

 リレー式アッテネータが成功裏に終わったので、本丸の消音パソコン(クワイエットパソコン)へ移行に力を注ぎました。そして、USBを止めて、Firewire (IEEE1394a)に移行する予定でしたが、残念な結果になりました。

IEEE1394aの異常動作
 米国から入手したunbrain製のIEEE1394aのボード(FireBoard Blue-e)が、とんだ くわせもんで、正常動作しません。極普通に使って異常な発振を起こして、なんと、その信号がオーディオ・インターフェースのアナログ出力チャネルに0dBVの強さで出力されて、、高い確立でトゥーイータを飛ばす事になります。この現象は、友人のN氏も同様に体験されて、他社製のボードとの、問題の切り分けを行い、unbrainのボードが問題である事は明確になりました。即刻、夢の島に直行しました。その様な訳で、IEEE1394aから、一寸、距離を置いて、実績のあるUSBとアイソレータ (INTONA)とフィルターでいく事ににしました。
以下が、 くわせもんのIEEE1394aボード、結構高額だったので、悲しいです。
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機器構成の暫定策
 以下の様にUSBとアイソレータのINTONAとEMIフィルターで構成して様子を見ます。バスパワーは用いていません。クリックで拡大します。
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IOS11のトラブル
 最近、ipadのOSが更新されて、iOS 10.3.3 (14G60)から11.0.2 (15A421)に誘導されるがままにアップグレードを行いました。一抹の不安が有ったのですが、iCloudにバックアップを取得していたので、気安く更新してしまいました。結果は、心配が的中して、レンダラーソフトのMonkeymortが正常に動作しなくなりました。試しに、DLNA対応のLINN製のKinskyでも試して見ましたが、Monkeymortと同様に安定動作しません。そこで、早速、iOSをバックアップからダウングレードを行い、事無きを得ました。
 現象は、グリッド表示のアルバムアートが表示されない事と、コンポーザー、音楽ジャンル等のオルタネート・インデックスでの検索が不能になる事です。 只でも遅いKINSKYは、それに輪を掛けるが如く、無応答の様になります。
 今更ですが、不要不急のプログラム更新は控えるべきで、蔵出し一番のフルーティーなソフトは駄目です。少なくとも、半年程度の熟成期間は必要です。

PCオーディオの行末
 パソコン・オーディオの最大のメリットは、レガシーな音響機器に比べて圧倒的に廉価に実現できる事に尽きると思います。本来、オーディオ機器はターンキー・システムで有るべきで、何台ものパソコンを連ねて実現するのは、過渡的な処置であり、最終目標ではないと思います。オーディオ機器は、ソリッドな金属と美麗な木目で出来ていて、美しく、かつ優しくあるべきだと思っています。パソコンの圧倒的なパワーは、音楽の選択と管理に活かして、見えない所で頑張って欲しいです。
 

消音パソコン(クワイエットパソコン)へ移行 その11

 そろそろ完成させないと、秋されの候となり、音楽をいそしむにはベストシーズンなので、精力的に進めたいと思います。ようやく、ファンレス、USBレスのクワイエット・パソコンを形にする事が出来そうです。

クーリングシステムの最終確認
 最大視聴時間に合わせ実設置個所で、6時間の連続負荷試験を行いました。結果としては、全く問題ないので、負荷試験はこれにて完了とします。 以下のグラフが、その結果ですが、TDP35WのCPUの選択と、熱容量が大きくヒートパイプ方式の優れたキャビネットの組み合わせ結果だと思います。

画面をクリックすると拡大表示されます。自然対流の冷却で6時間のフル負荷でも安定しています。
X軸が負荷試験時間(分)、Y軸が負荷100%試験のCPU温度です。100分頃から安定期に入ります。この手の試験は最低6時間は必要です。
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エンタープライズ用のNIC
 オンボードのNICを用いてWindows Server 2012 R2 Essentialsの導入を試みましたが、最新のマザーボードのチップセットでは、Windows Server 2016 以前のサーバー用プラットフォームのサポートが終了しており、NICのドライバーの導入が出来ない仕組みになっています。ディスクトップ用プラットフォームのWindows7、8、8.1、10は、この限りでは無いのですが、インテル、マイクロソフトの戦略に沿った結果になりました。そこで、エンタープライズ用のNICとして、Intel Pro/1000 PCIe Express Server Gigabit Card NIC D33025 (インテル® 82571EB Redwater、TDP:4.95 W)BoxをeBay経由で米国から入手しました。このNICは、最大負荷で24時間365日に渡り連続運転可能な仕様です。これにより、CPUの負荷が下がり、信頼性の高いLANの通信が実現します。
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更なるノイズ対策
 スイッチング・電源の発振部分と、トランス部分が剝き出しなので、アルミのパンチング・メタルで可能な範囲内で、塞ぐする事にしました。
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SDメモリー対策
 新たな音源をSDメモリーから取り込む場合、USBのSDカード・リーダーを用いれば、いともたやすく取り込めるのですが、USBをBIOSレベルで無効にするので、その方法は採れません。考えられる方法として、ホットプラグのe-SATAを用いる方法とIEEE1394(Firewire)を用いる方法が考えられます。IEEE1394にはバスパワーの12Vを供給する予定が無いので、消去法で、e-SATAを用いたアクセス方式で、進める事にしました。

SDカードリーダー
 SATAを用いたSDカードを多用したドライブは存在するものの、ホットプラグのe-SATAインターフェースを用いたSDカードリーダーは現存しない様です。そこで、SATAインターフェースのSDカードリーダーをe-SATAインターフェース・カードを用いて、新たに作製する事にしました。
画面をクリックすると拡大表示されます。
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パイロットランプ
 クワイエットパソコンには、電源の表示LEDのみでハードディスクのアクセスLEDは、音楽鑑賞には不必要と考えていましたが、悲しいかな所詮パソコンで、電源を投入しても稼動しているのか否か解りません。現時点でのコンシュマー用のパソコンではキャタストロフィックな障害にあった場合でも状況が全く解らない事が多々有ります。安心の為にディスク・アクセスを示すLEDをIR受信機の窓に取り付けました。サーバー専用のマザーボードの場合は、ディスク・アクセスの他に、サーマルチェック、LANのトラフィックを反映するシグナルが得られますが、今回は廉価版のマザーボードなので、残念ながらそれらは存在しません。
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今後の予定
 明日からは、懸案事項のWindows Server 2012 R2 EssentialsとWindows 7 Proのデュアル・ブートストラプトの環境を整えて、いよいよ視聴を行うことにします。瞬時の切り替えができないものの、3分位の切り替え時間で比較を行う予定です。それから今回インテルのNICを導入しましたが、ドライバーソフトの新たな導入等なく、バスに差し込んで電源を投入したら、LANの全ての環境が整ってました。流石インテル製のNICです。

消音パソコン(クワイエットパソコン)へ移行 その10

 徐々に本調子がでてきました。先ずは、発熱と放熱の関係を調べました。デジタル温度計をチップセットに取り付けCPUの温度はマザーボードに添付の管理ソフトで測定してます。 ランニングを24時間程行い、CPU 温度が36℃で、チップセットが、37℃といったところです。室温が25℃ですので、10%程度の軽負荷では、10度程度の上昇で全く問題ありません。

クワイエットパソコンの印象
 クワイエットパソコンですから、音が出なくて当然ですが、パソコンから音が全く出無いで静寂ですと、とても違和感を感じます。これも、その内に慣れると思いますが、音の出ないボリュームから音が出て、今まで暗騒音の基であったパソコンから音が出ないと、面喰らいます。

負荷試験
 CPU に100%の最大負荷を掛けて、クーリングシステムが飽和状態に達しないで、特別な冷却装置無で、安定状態となるかが、最大の課題です。計測ソフトのOCCTを用いて、最大の負荷状態で二時間に渡り測定しました。
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測定項目
 ・CPU の温度
 ・コア#0の温度
 ・コア#1の温度
 ・GPUの温度
 ・スイッチング電源の温度
 ・ヒートシンクの温度
 ・スイッチング電源の各電圧

被測定チップ
インテル®CORE 3-6300T(Skylake) 3.3GHz TDP 35W
インテル® H110 Chipset Northbridge TDP 6W

測定時間
 9月19日 14時06分~16時06分 2時間
 室温28度 湿度28% 無風状態
 設置場所 床に直置き

CPUの温度特性
 以下の様に100%の高負荷で、67℃を保っています。この状態で盛夏の35℃の室温でもプラス7℃でも74℃を超える事は無くジャンクション温度以下なので、問題ないと思います。

X軸が時間(分)の経過で、Y軸が温度(℃)です。クリックで拡大表示
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GPUの温度特性
 以下の様にCPU より低く、57℃です。

クリックで拡大表示
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ヒートシンクの温度
 以下の様に外付けの温度計を洗濯ばさみでヒートシンクに固定して測定したところ48.0℃まで上昇しました。固定する力が弱く正確には測定できていません。しかしCPUの温度を超える事は無いですが、アルミは銅に比べて熱が篭ると言うか、アルミの材質がダイキャストで良く無いようです。
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スイッチング電源の温度
 最大負荷の状態で50℃前後で、全く問題ありません。スイッチング電源の放熱パネルをPCの筐体にシリコングリースで熱結合したので、10%の過負荷でも大丈夫です。

スイッチング電源の電圧
 高負荷にも拘わらず、12V系:12.0 DCV~12.1 DCV、5V系:5.04 DCV~5.08 DCV、3.3V系;3.30 DCV~3.34 DCVの結果が得られて大満足です。とても良い電源だと思います。問題はEMIノイズです。

今度の予定
 特に致命的な問題は無いと想定できますが、チップセットのTDPが6Wなので、常夜灯(棗球)程度の発熱が有ります。ヒートシンクの熱容量増大の処置が必要かと思います。
 ヒートシンクの試験をWindows7で無事に終える事が出来たので、今度は、最終目標のWindows Server 2012 Essentialsに切り替える予定です。これから、マイクロソフトのEvaluation Centerを参考に、ドライバー類を準備して、のんびり行う予定です。

最終目標
 SNRは、本来は信号に含まれるノイズの量を表しますが、目標は数値ではなく実際聴いた時の透明感や静寂感など、どれだけ音に雑味やノイズが少ないかを期待します。以前に短時間ですが、パソコンに座布団を何枚も被せて、SNRが良化して、音と音に隙間が生まれ、それぞれの楽器が分離して聴こえるようになり、静かな部屋に楽器の音の余韻がフワッと広がるような表現が、より鮮明になった記憶があります。それが最終目標です。