難しいUSBのノイズ対策

 現在、RME firefeceをオーディオインターフェースとして用いていますが、既に導入済みUSBアイソレーター(雑音絶縁器)のintonaに拘わる動作が思わしくありません。常時起きる問題ではなく、間欠的に生じる為、原因追求に至るまで時間が掛かりました。
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現象
 以下の様な現象が生じます、問題切り分けの為にintonaを経由しないで使用すると、問題点の総てが解消します。この事は、RME firefeceだけに拘わる問題であり、ごく普通のDACでは、問題が生じていません。

 ・総てのアナログポートから音声信号が出力されない。
 ・44.1kHz以上のハイサンプリングに限り出力がされない。
 ・アナログポート3,4で異常な発信が起きる。
 ・極めて稀にWindows7自体がハングアップする。
 ・前回終了時の設定内容が引き継がれない。
 
考えられる原因
 USBの情報伝送方式には、以下の4種類があり、機能毎に使い分けられています。そして、RME firefeceを繋いだホストを立ち上げる場合、最初にホスト(ドライバー)とRME firefeceがコントロール転送を用いてステータスの一致化をはかっており、その後、totalMIXというRME firefeceの制御ソフトを立ち上げる事により通常の使用状態となりますが、その当初に何らかの原因によりステータスの不一致(矛盾)が起きる様です。
 
 ・コントロール :主に装置とホスト間の状態遷移等の手順
 ・インタラプト :ホストポーリング/アドレッシングの調歩同期手順
 ・バルク :冗長検査が行われ、速度より正確性を優先した手順  
 ・アイソクロナス :ビデオ、音響機器の再送を行わない手順

なぜステータスの不一致が起きるか
 intonaの二次側(スレーブ側)のバスパワー供給は、センダー側(ホスト側)からのバスパワーによる電源機能がレィディー状態となり、トランス経由で二次側に供給されてからレシーバーが使用可能となります。そこで初めて通信が可能となります。時間にして、7秒程度の遅延ですが、コンピューターにとっての7秒とは、非常に大きい値で、RME firefeceの設計時のスレショルド値は、そこまで遅延することを想定してない思われます。そこで、情報取得のタイムアウトが生じて誤動作につながると想定しました。

取り合えずの対策
 現時点での最も安直な解決策としては、使用を止める事ですが、折角良質な音を聴ける状態に改善して来たので、何とか無い知恵を絞って考えてみました。

解決策は
 intonaの二次側にクリーンな5Vを別途供給して、品質の悪い二次側のバスパワーを用いない方法が考えられます。intonaに内部のDCDCコンバータの使用を止めて、二次側専用のクリーンなDC5Vを供給するコネクタと切り替えスイッチを設ける改善そろそろ考えたいと思います。

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 最近作製したipad専用のDACです。左のUSB(タイプB)はクリーンな5Vを供給するバスパワーコネクタで、右側のUSB(タイプA)は、ライトニングケーブルのデジタル信号コネクターです。この様に出来ていれば良かったです。今回の問題は、intonaが悪いという事ではなく、intonaの優れた特性を知って上手く活用する事を考えてみました。ケースをプラスチックからアルミシャシーに替えるより先ずは一次、二次側電源の品質の改善方が優先課題だと思います。

RME fireface用 高品質電源の作製

RME fireface用の電源
 RME fireface用の電源は12V/24VAのスイッチング電源ですが、秋葉原で販売されている中国製のACアダプターより、大分良い品質です。ダミー抵抗で24VAまで負荷を与えても、12Vの供給は行われ、負荷が高くなるに従いノイズが増えますが、まあまあの性能です。以前、Webで得た情報で、ヤマハの楽器用の電源(PA-6)を入手して使った事がありますが、整流ダイオードと電解コンデンサーのみの非安定化のために、軽負荷の場合15V以上の電圧があり、複数のチャネルから音を出し負荷を掛けると12Vを下回り、デジタルノイズ(プツプツ音)が生じて、歪を伴う為めに直ぐに使用を中止した経験があります。その様な訳で、RME firefacの電源を純正以外のものに交換する事には一寸抵抗があります。

今回作製した電源
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 今回電源を作るにあたり、品質の良いトランスを用いる事にしました。
 耐負荷変動に考慮して、BLOCK社製の40VAのトロイダルトランスにしました。ドロッパー(三端子レギュレータ)は、National SemiconductorのLM338を用いたレガシーな方法です。より高品質なLinear Technology LT1084-Fixedで作製する予定でしたが、調達に時間が掛かるので、一度作製して結果を見てから、改善することにしました。

測定結果
 測定するにあたり、12オームの純抵抗を負荷として、供給するケーブルを含めてノイズをオシロスコープで調べてみました。
 ドロッパー電源の方が、幾分かは低ノイズな事が解りました。


 ・ドロッパー電源ノイズは、以下のグラフの様にP-Pで5mV、実行値3mV程度のノイズがあます。このノイズは30cm程近くに有るパソコンの放射ノイズともおもえますが、LM338が発信している事も考えられます。
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 ・スイッチング電源
  5mVの高周波ノイズが重畳しています、又、P-Pで25mVのパルス状のノイズが乗っています。
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 では、実際に10kHz/0dBの正弦波をfirefaceに入力して、アナログアウトの出力波形をオシロスコープで調べてみました。
 ・ドロッパー電源
以下の様に殆どノイズが乗っていません。
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 ・スイッチング電源
  ドロッパー電源と同様に、ノイズが殆ど乗っていません。RME firefaceの電源とフィルターの品質が良い様です。
  強いて言えば、赤い丸で囲んだ部分ですが、それ程高いノイズレベルではありません。
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肝心な音は
 電源の方式の違いにより電源自体のノイズレベルが大分異なります。しかしRME firefaceの内部で、どの様なフォルターで対処しているかによりその結果が音に反映される筈で、実際に聴き比べてどうなのでしょう?正直言って、徒労と散財に終わった様です。この結果をもって、LDO(LT1084-Fixed)で電源を再工築するのは止めることにしました。RME firefaceの電源は、オリジナルの物で充分で有る事が解りました。
 鰯の頭も信心からと言った心境で、スイッチング電源のケーブルにシールド被服を被せた状態で使うことにしました。ノイズ対策はとても難しいです。もっと優れた方法が有るとおもわれます。
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DDCのクロック対策とノイズ対策

 ケンさん、takeさん、Nさんの何時ものメンバーが集まり、Takeさん邸で、デジタルオーディオの要であるDDCのクロック対策、ノイズ対策を施すと、どの様に変化するか、又、所有している機器により音がどの様に変化するかを試しました。音楽ソースは良く聴かれている「音楽専門」衛星デジタルラジオ「ミュージックバード」のクラシック・チャンネルで、48KHzの圧縮音源です。放送側で正確に送り出したクロックに対して、受信側で如何に確度の高いクロックで、デコードするかで、音質が決定します。俗に言うハイレゾではなく、レガシーな音源を如何に基本部分の整備で、音を良くするかがフォーカスです。クロック対策、電源のノイズ対策、デジタル伝送部分のフィルター、で音がどの様に変化するか、実験を行いました。

実験に用いた機器
 DDCは、M2TECH:hiFace Evo、RME:fireface UCX,、 UC、 400、 Multiface、ケンさん作成のSRC+ルビクロック(スーパークロック)です。

実験に用いた機器の一部
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電源の種類
 メーカー純正(添付品)のスイッチング・電源とTakeさん作成のシリーズ電源を切り替えて試聴しました。

クロック
 機器内部のクロック、ルビジウムのワードクロック、ケンさん自作のルビジウムのスーパークロック(24.576MHz)

接続形態
 USBとIEE1394(firewire)による音の相違

再生装置
 再生装置は、Takeさんのメインシステムで、音の評価を行うには、最高の評価環境です。DDCの先は、MSBのマルチビットのDACですから、これ以上の環境を望めません。

実験して解った事
 RMEの機器は、かれこれ10年前以上の機器を含めて世代別に聴きましたが、RMEの音は一貫しており、機器の新旧による音の違いが極めて少なく、敢えてデフォルメして表現すれば、音の見透しが新しい機器ほどクリアーですが、その差は極めて少ないと言えます。
 又、USBとIEE1394では、USBを接続したままにすると音が明らかに劣化します、 それに対して、電源供給の無いIEE1394は、ケーブルよる音の変化が殆ど無い事が解りました。
 
hiFace EvoとRMEの音の相違
 hiFace Evo+ルビジウムのワードクロックとRMEの内部クロック(ステディークロック)では、hiFace Evoの方が静寂感が有り、聴きやすかったですが、RMEの場合内部クロックのみで良く健闘していると言えます。

今後の対策
 先ずは、firefaceのスイッチング電源を高品質なシリーズ電源に入れ替える事と、USB接続からレガシーなIEE1394(firewire)に切り替えることが肝心かと思いました。その為には、現有のfireface UCから、firewire接続が可能なUCX以上の機器に入れ替えることが必要となりました。それから、ノイズ対策を継続して行うことが重要だと思いました。

RME firefaceの電源改善

 RME firefaceの電源改善を試みました。

 firefaceというオーディオ・インターフェースの電源がスイッチング電源で、EMIノイズが電源から本体に漏れて、悪影響を与えてないか、導入当初から気になっていました。何度かレガシーなトランス式の電源に交換しては、音を確かめてきましたが、何らかの問題が生じて、オリジナルのスイッチング電源に戻してきました。
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 その中でもヤマハ製のPA-6という楽器用の電源が良い旨の情報をWebから得て、入手しました。しかし無残にも電力の復帰速度が遅く、ピーク時にデジタルノイズが頻発する事が解りました。
 オリジナルのスイッチング電源の容量は12V/24VAで、これと同等の容量と速度をレガシーなトランス式で求めると、最低でも120VA程の容量の電源を必要とします。この容量の電源を作るとなったら一寸大変なので、先ずはスイッチング電源でのEMIノイズ対策を真剣に行うことにしました。

 以下の様にスイッチング電源ケーブルの両端にフェライト・コーアのフィルターを取付けました。ケーブルを通す回数はワンターンで十分だと思いますが、ケーブルが余っているので、適当に回数を重ねました。
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 その先に、日立金属製のファインメット・ビーズと、多孔(6穴)フェライトをシリーズにして、アダプター化して取付けてみました。
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肝心な音の違い
 SNRが良化したと言いたいのですが、正直言って良く解りません。希望的観測を言えば、長期間に渡り使用して、外した時に違いが解る様な気がします。

オシロスコープでの観測
 ファンクション・ジェネレータで1,000Hzの正弦波を観測してみました。明らかに、何も対策しない状態と比べて、髭の様なノイズが減少していることが解ります。
 ノイズが減少して音が良くなっていると思いたいです。

firefaceの熱対策

 毎年春になると思いつくのが、firefaceの熱対策です。
 夏を迎えると、RME firefaceの発熱が猛烈で、それが原因で電解コンデンサーのドライアップ等が原因で短命になる事が気になります。
 そこで、パッシブ放熱方式から、積極的にファンで冷却するアクティブ放熱方式に改善する事にしました。
 取り付けはfirefaceの裏面で、ゴム製の粘着ワッシャーでケーブルを固定してます。
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 冷却に使うファンは、定評の山洋電気製のチップクーラーです。
 12V用のチップクーラーですが、あえて6VのACアダプターを用い静寂で、放熱効果が期待できる回転数に落としています。
 ACアダプターは、スイッチングではなく、レガシーなトランス式の物を求めました。
 現在、総ての機器(アンプ、DAC等)を総て平衡回路(バランス)で接続しているので、ACアダプターからのハムは一切乗っていません。これでひとまず、この夏は安全にすごせそうです。

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 保守点検を考慮して、中間コネクターで接続します。