新リレー式アッテネーター  Thin attenuator その2

 新リレー式アッテネーターの製作を本格的に始めました。設計と基本的な基板の動作環境の構築を友人のI氏が行われたので、全く問題ありません。16チャンネルの全リレーの動作は完璧です。減衰用の抵抗を取り付ければ、ほぼ完成状態です。今回は、出来る限り薄く作りたいので、基板間のスペーサーを調整しました。

薄く積み上げた基板
 以下の写真の様に、基板間のスペースは9mmです。基板の厚さが1.5mmですから、(9mm+1.5mm)✕4枚+3mm(シャシーからのオフセット)で、合計45mmの厚さになりました。EIA規格(米国規格協会) ANSI/EIA-310-D 1Uのシャシーに収めるには、基板間のスペースを8mmにすると、41mmとなり1Uに収まります。そして、世界初の1Uサイズ16チャンネル、128ステップのアッテネータを作ることが可能ですが、今回は二重構造のシャシーでSNRを稼ぎたいと思います。
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隙間の様子
 以下の写真の様に、殆ど無駄なスペースがありません。あまり密にすると、チャンネル間のクロストークの悪化に繋がりますので、要注意です。基板間はソケットで連動しています。
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 無駄なスペースが無く美しい眺めです。

今後の予定
 回路の構成上、発熱が無いに等しいので、気密性が高く音漏れが少ないケーシングを行う予定です。

新リレー式アッテネーター 部品集め その1

外部表示装置の導入
 今回のプロジェクトのアッテネータでは、音楽を聞きながら音量を調整する場合、殆どリモコンで行い、アッテネータの近くに行くことは無いと想定しています。各チャンネル、左右のレベル調整等は、本体のコントローラで行い、音楽を聞きながらの音の増減は、リモコンと外部表示装置のみで操作する様にしました。
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外寸:150mm(W)✕55mm(H)✕25mm(DU)、50mm(DD)
窓寸:120mm(W)✕30(H)

表示装置の構成
 ウェンジ( Wenge )と言う木材を外部表示装置に選びました。当初、アルミ合金(AL5052)で考えましたが、表示装置の取り付けが難しいので、今回は銘木にしました。ウェンジは、アフリカ大陸に生息するマメ科で、非常に固くタッピングビスが入りません。穴を開ける場合は、木工用のドリル歯ではなく鉄工用を用います。このウェンジの窓に4桁7セグメントのLEDを斜めにセットします。表面はスモーク色のアクリルを貼り付けます。ガラスでも良いのですが、加工が大変なのと、色つきガラスの価格が極めて高額なので、今回は止めておきます。

コントローラーとリレー本体
 基本的に目に見える所には置かず、アンプの背後(見えない所)に置きます。そして、充分な消音処理を行う予定です。具体策はこれから、楽しみながら計画します。明日からは、徐々にアッテネータ基板へ抵抗のハンダ付けとケーシングを開始する予定です。

新リレー式アッテネーター プロジェクト

 リレー式アッテネーターの悪夢が覚めない内に次のプロジェクトが始動です。前回の製作で至らない点を総て盛り込んだ新リレー式アッテネーター製作を飽きもしないで、キックオフです。

基板とコントローラ
 ラッチング・リレーを1チャンネルあたり7個(bit)128ステップで構成します。白い四角の箱が肝のリレーです。478C6293.jpg

新リレー式アッテネーターの概要
 今度のアッテネータは、0.5dBステップで、0~-63.5dBの減衰で、10kOhmの低入力インピーダンスです。平衡の時は10kOhmで不平衡の場合は5kOhmです。抵抵抗は日本製の音響用でE24です。手作りアンプの会員I氏の設計です。前回作製のアッテネーターのウイークポイントの総てを改善しての取り組みです。
 チャンネル毎の、音圧、左右のバランス、プリセットの音圧、立ち上げ時の音圧、等々細かな設定をバックライトの液晶で行いますが、減衰量の表示も可能ですが、視認性の良化を意識して、大型のLED表示装置で減衰量をあわせて表示可能です
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 液晶に保護シールが貼りつけてあります。

仕様
 平衡伝送(バランス)8チャンネル(4Ways)、不平衡(アンバランス)の場合は、倍の16チャンネル(8Ways)です。128ステップなので、音量調整の段差は解らないと思います。このまま、サラウンドの7.1チャンネルに利用できます。
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不平衡の場合は、8Way可能

外観
 外観は未だ決まっていませんが、レベルの表示装置を別途大型のLEDで追加できますので。かなり使い易いと思います。前回はキャノン・コネクタを使いましたが、業務用音響機器のデファクト・スタンダードであるd-sub25(スネーク・ケーブル)を思い切って採用して、筐体を従前の半分以下の大きさにする予定です。

主な使用部品
 リレーは、高品質、高信頼の富士通高見澤コンポーネント(株のラッチング・リレーを56個用います。d-subコネクタは、日本航空電子工業(JAE)のメタル・タイプを用意しました。

今後の予定
 先ずは、外観のデザインを行いますが。小型でソリッドな雰囲気で、念願の薄型(50mm以下)アン・シンメトリカルな形式にする予定です。世界に一台のリレー式アッテネーター を、明日から当分の間楽しめそうです。

リレー式アッテネーター とりあえず最終

 チャンネル間のレベル調整の為にマルチCPU方式に拘りましたが、ロストインターラプトによりステータスの不一致が生じて、残念ながら最後は玉砕状態で、シングルCPU方式に改めました。
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 ゲインの表示装置が一つになりました。

シングルCPU方式への改造
 以下の様にリレー駆動をバスラインで同期する様に改造を行いました。 Reversible Moter Driverでラチングリレーを駆動してますが、改善によりリレーの負荷が三倍になりますが、耐負荷では問題ない範囲です。
 改造に要する時間は、半日フルに掛かりましたが、特に問題なくステディーに動作しています。
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 リボンケーブルがリレーを駆動するバスラインです。

減衰特性の測定
 今回のプロジェクトを終えるにあたって、改造も正常に終わりメインシステムに投入する前に、体力測定を行う事にしました。
 以下の様に抵抗の変化特性は、綺麗な指数関数で得られていて、各チャンネル間の電圧の差は1mV以下の範囲内に収まっています。そして、今回採用した肝のVishay MELF形無誘導金属皮膜固定抵抗(±0.02%の許容差)が精度に寄与している様です。
Vishay MELF形無誘導金属皮膜固定抵抗の情報は、ここ
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X軸:ゲイン(回転角度に相当)、Y軸:出力、Z軸:チャンネル(12チャンネル)
特性曲線の誤差が少なく綺麗なリボン状に見えます。
上記のグラフを片対数で表現すると以下の様になり、粗が見えてきます。
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肝心な音は
 音質の変化が極めて少なく、無色透明と言う表現が相応しいと思います。以前より音量を下げても細かい音が良く聞えます。 最後に消音処理を簡単に行いこのプロジェクトの最後とします。今日は、ざる蕎麦と恵比寿で、ひっそりと乾杯をします。

リレー式アッテネーター 改善 その11

IRリモコンデータのリクロック(フォーマットの立て直し)を行いました。
 IRフィルターで改善を行った結果、マルチCPU(台湾製のSTC15 seriesの LQFP)で、問題のロスト・インターラプトが皆無にならないので、手作りアンプのI氏により、IRリモコンのフォーマットの検証と建直しを行うPIC12F1501(16MHz)とソフトを用意していただきました。
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IRデータのリクロック
 IRリモコン(NECフォーマット)のIRデータを受信して、解析して正しいフォーマットのデータのみを、きれいなパルス列にして送出する機能のPICです。 その信号の出力は、IRセンサーと同等の38Khzに変調された出力を行います。これにより、ノイズ等により、壊れたデータの除去を行い、正しいフォーマットのデータのみ転送して、IRデータのクロックの揺らぎ、信号の減衰による誤動作を避ける事が出来ます。又、この装置(機能)は、1系統の入力で、複数の機械に並列で送信したりインピーダンスが高くて、信号線を延ばせないIRセンサーの出力ケーブルを延長する等、応用範囲が考えられます。

回路図とソフト
 回路図は以下の通りで、400ステップ程のソフトで構成されています。
NEC_IR_REPEATER.jpg

取り付け
 以下の様に、IR受信機と、本体制御部の間にリモコン、リクロック装置設置しました。データを受信した時、青いLEDが点灯します。右端の5Pコネクタは、ソフト更新用です。
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改善状況
 ロスト・インターラプトによる、ステータスの不一致(ズレ)は、大幅に改善されました、しかし、未だ0.5%程(200回に1回)のエラーが生じます。それも特定のキーの組み合わせで生じます。具体的には、電源オン/オフ、ミュートオン/オフ、リセット機能を行った直後に生じて、通常の音量アップ/ダウンでは、皆無となりました。これらにより、IR受信機能の問題点が改善されたものの、STC15 seriesの LQFPのコントローラーに内在するソフトのバグがあり、それが最後の問題点として残った様です。ロスト・インターラプトを皆無に処理するのは至難の技で、Windows等は、頻繁にロスト・インターラプトを起こして、再入力で成り立っているシステムですから、それに比べれば、可愛いものです。

今後の進め方
 最終的に、試験と改善を行い、コントローラーのバグでまでは判明できましたが、当方としては直ぐに対処できません。従いまして、現在のマルチCPUの方式から、シングルCPUの制御方式に改める事にします。これによりチャンネル間のレベル調整に手間取りますが、アッテネータとしての機能は問題ないと思います。そして、このリレー式のアッテネータは、I氏設計の新バージョンが出来るまで、暫し繋ぎで利用することとします。