RASDAC+ Proの作製 その6

 今年の2月にラズベリーパイを用いたRASDAC+ Proを作成してから2か月が経ち、そろそろネットワークプレーヤーとして最終的な仕上げを行って実用に供したいと思っています。

フィックス ネットワークプレーヤー
 ネットワークプレーヤーとして、LINN クライマックスDS、Lumin S1、スフォルツァート DSP-01等、高価なプレーヤーがありますが、その殆どが、内容的にも価格に相応しい完成度と思えません。既に発売されてから2年程経過しているのに、その機能と性能に全く魅力を感じません。又、それを操る、コントローラーのソフトの完成度も低く、未だに発展途上といったところです。

ネットワークプレーヤーの内部
Lumin S1
美麗な作りで、アナログの出力ステージ(左)は、定番のルンダール(スウェーデン)製トランスを用いています。プロセッサー(右)は、ヒートシンクがついている本格的なCPUで、コンピュータそのものといえます。
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LINN クライマックス DS
左がスイッチング電源、中央がプロセッサー、右がアナログステージで、Luminと同様にルンダールのトランスを使っています。
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スフォルツァート DSP-01
左の基盤がプロセッサー、右ががアナログステージで、ハッキリ言って、試行錯誤の末に、完成した様子が伺えます。雑然とした作りで、インプリメンテーションとコンストラクションともに美麗とは思えません。
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ネットワークプレーヤーの仕様
 ネットワークプレーヤーは、上記、各社の作りからレガシーなオーディオ機器ではなく、廉価なコンピュータを応用して、徹底的なノイズ対策を施した構成に徹する方が、容易に高性能な結果が得られると思います。そこで、自作のプレーヤーは、高額な投資が必要となるアナログ出力は、はなから止めて、デジタル出力のみとします。それも、S/PDIF、TOSLink、AES/EBU、HDMI(PS-Audio)の4種類とします。

 構成図
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デジタル出力ステージの基板
 i2S入力で、上記4種の信号出力が可能な廉価な基盤を入手したので、これと、RASDAC+ Pro、リニア電源(デジタル、アナログ分離)を用いて、作成する予定です。
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ソフト
 ソフトは、Openhome対応予定のMoodeaudioを採用する予定です。

Volumio(MPD)のS/PDIF出力

 今日は、RAS-DAC Proのi2S信号を横取りして、S/PDIF出力を行ってみました。HDMI(LVDS)の結果が好ましかったので、Cirrus LogicのCS8406 音声送信機、受信機、トランシーバーを使いました、動作は特に問題なく安定可動しています。これで、ラズベリーパイから、i2Sダイレクト、HDMI(LVDS)、S/PDIF、アナログ出力の4通りの実績が得られました。

S/PDIF出力
 HiFiBerry Digi+Proと同様に廉価なWolfsonのWM8804Gを使う予定でしたが、折角、クロックを優れたものを実装したので、Cirrus Logic CS8406CSZ を使うことにしました。
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S/PDIFの電源
 動作確認なので、取り敢えず、RAS-DAC Proのアナログ用電源(5V)から供給しましたが、これは、アイソレートされたトランスポンダ専用の電源を用意します。

肝心な音
 想定した以上に良い音がします。下手に構築したLVDSより良い様な気がします。廉価なWM8804GとCS8406CSZを比べると、デジタルで、各々ビットパーフェクトなのに、DACから出力される音が、かなり異なります。CS8406CSZの方が、ふくよかで、艶があり、美しい音がします。それに較べて、WM8804Gは情報量が少なく感じます。以前に、アステル&カーンAK100IIのDAC部分を使って聴いた時の音と酷似しています。現在、Wolfsonは、Cirrus Logicの配下に収まり、WM8804Gの市場の供給は、衰退しています。音の悪い道理が解りました。ICチップの世界は弱肉強食の最たるものですね。英国企業のWolfsonが米国企業の配下となる、現在の英国の工業製品を見ると、あってもおかしくない話です。
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今後の予定
 ラズベリーパイからの出力パスの総てを体験して、感じた事として、当然の事ですが、音の良い順序は、以下のとおりです。

i2Sダイレクトフックアップ<HDMI(LVDS)<S/PDIF<アナログ出力

 そこで、出力として、S/PDIF又は、AES/EBUでフックアップすれば、そこそこの音質が得られることが解りましたので、メインシステムのRME Firefaceの入力となるネットワークプレーヤーの出力としては、HDMI(LVDS)、S/PDIF、AES/EBUの3種類とする結論にいたりました。アナログは、動作確認用のパイロット出力して設ける予定です。

Volumio(MPD)の高音質化

 今日は、Raspberry PiのVolumio(MPD)の高音質化を更に進めてみました。RASDAC+ Proで高音質化が進んで、結構満足できる音質までに仕上がっていますが、飽くなき探求により更に高音質にチャレンジしました。

方法論
 簡単に言えば、Raspberry Piを機能別に役割を分けて、可能な限り負荷を下げて、ノイズレベルを下げる事に徹します。40PinのGPIOを持たない古いRaspberry Piを生かして、それをNASに機能特化します。そのNASには、古いUSBのハードディスク(NTFS)をぶら下げます。そして、最新で、高速のRaspberry Pi 3には、最新のMPDのVolimio2を可動させて、i2Sで接続したDACをレンダリングします。元々、リヌックスの場合、Windowsに較べて冗長が少なく、そしてDebianベースの音楽再生に特化したプラットフォームを機能別に分離する訳ですから、大いに期待できます。

構成図
 ファイル関連のハンドリングと、サウンドシステムのレンダリング、iPad等のタブレット処理を分離します。

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構築の方法
 極めて簡単で、古いRaspberry Piには、Volumio1.5を格納して、設定でプレーヤ名(CPU名称)をレンダリングするRaspberry Piと名称が重複しない様に変更(改名)しておきます。
 例えば、「Volumio」 から、「Volumio15」 の様に変更します。そして、RASDAC+ Pro搭載のVolumio2からマイミュージックのネットワークドライブに前記の古いRaspberry Piを追加して、NASのデータベース更新を行うと完成です。

ネットワーク追加の画面
Volumio15を接続した例
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再生中の画面
VOLMIO2_play.jpg

音源の保守
 音源の保守には、Windowsプラットフォームのアプリケーションである「dBpoweramp」、「Mp3tag」等による実績と保守環境が整っているので、リヌックスとのブリッジ・ソフトのサンバで使分けます。要は、Webに繋いだ重爆撃機のWindowsと、Webとオフラインの戦闘機に相当するLinuxを上手く使い分けるという考えです。機能別に特化しないとノイズ戦争には勝てません。

結論
 最新のRaspberry Piとお役目御免の古いRaspberry Piが有れば、直ぐに高音質化が実現します。古いRaspberry Piでなくとも最新のパワフルなRaspberry PiでもOKで、ミュージックDBのリビルドがその分高速になります。ギガビット有線LANアダプタ経由で、インハウスのLANで完結しているので、極めて安定稼働が期待できます。しかし、盛夏のオーバーヒートは未対策です。

実現できた機能
 ・機能分散による負荷低減によるノイズ減少
 ・ファイル・アクセッサーと、サウンド・レンダラーの分離
 ・デジタル、アナログのアイソレー、電源の分離によるノイズ削減
 ・低位相ノイズの水晶発信器採用による音質の良化
 ・諸悪の根源であるUSBからの完全分離でノイズの低減
 ・スイッチング電源からリニア電源への移行で、ノイズ削減
 ・ギガビット有線LANアダプタ経由で480Mbpsの転送が可能

RASDAC+ Proの作製 その5

 RASDAC+ Proの安定稼働が実現できたので、そろそろケーシングを検討します。ケーシングの最大の難関は、OLEDによる表示装置のマウントと、背面コネクターの穴あけです。ステータス表示装置は、ipad等コントローラーで詳細を知れるので、表示装置の設置は必須要件ではありません。それより、背面のコネクターを、どの様にフィティングするかが、課題と思われます。
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リアーパネル
 リアーパネルに設けるコネクターは、電源、LAN(RJ-45)、HDMI(LDVS)、RCAコネクターの4種類です。S/PDIFによるデジタル信号は、純粋なクロック信号が無いに等しく音が悪いので、今回は採用せず、2種類のビットクロック、ワードクロック、必要によりマスタークロック信号が有る i2S を LDVS で伝送する HDMIケーブルで伝送する仕組みに限定します。

HDMIコネクタ
 HDMIのコネクタの加工を美麗に行うのは結構至難の技です。又、RJ-45(LAN)のコネクタ加工も結構難しいです。そこで、以下のノイトリック(リヒテンシュタイン)のコネクタを用います。ノイトリックの取り付けは極めて簡単で、23φの穴をシャシーに開けて、後から3mmの皿ネジで取り付ければ完璧です。

以下の様に、ノイトリックのコネクタ+オスオス変換のコネクター(ケーブルでも可)+LDVS送受信機→i2S接続
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RJ-45
 以下のコネクタで、HDMIと同様に23φの穴で取り付け可能

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クーリング・システム
 ラズベリーパイのプロセッサ:Broadcom BCM2387が結構熱を帯びます。その対策として、CPUダイの熱をシャシーに逃がす工夫が必要です。シャシーとCPUの間に銅のブロックを挟むとか、ヒートパイプでシャシーに熱を逃がす工夫が必須と考えています。

RASDAC+ Proの作製 その4

 連休に手作りアンプの会で製作会の合宿を行いました。
RASDAC+ Proの作製を川崎市玉林寺に泊まり込みで行い、完成するまで会員による手厚いサポートにより、参加者全員のRaspberry Pi のDACが完成しました。
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製作会の風景
 写真だけを見ると、一寸異様ですが、皆さん楽しい会話を行いながら、製作を行います。中には必死に黙々と作製している方もいます。
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製作会2日目
 翌午前中は、完成したRASDAC+ Proを持ち寄って、共通の音楽ソースを用いて、アレンジの違いによる音の評価をおこないました。
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 作製してから、充分な慣らしを行っていませんが、総じて共通する事は良い音質です。従前のRaspberry Pi のクロックをDACのクロックに流用するバージョンと、今回の低位相ノイズ発振器とアイソレータを用いたDACとでは、一聴して、その差が歴然で、今回作製した、RASDAC+ Proの方が遥かに優れています。

今回、製作会を主催してくださいました、手作りアンプの会、I氏、E氏、又、会場を提供してくださいましたO氏には、本業が忙しいなかで、大変ありがとうございました。