CDリッピングソフトのその後

 Appleの世界開発者会議WWDC 2017のセッションにおいて、iOS 11及びMac OS High SierraがFLACフォーマットのオーディオファイルの再生に標準対応すると表明されました。FLACとWAVは、CDを超える音質のハイレゾ音源によく使われるフォーマットであり、iOSで特別なアプリを必要せずに高音質な音楽を再生できるようになります。Appleには、ALAC (Apple Lossless Audio Codec)とよばれる、アップル独自の可逆圧縮方式のオーディオコーデックが有りますが、Appleの常套手段であるロイヤリティー支払いから敬遠されて、殆ど広まっていません。
 未だ、リリース時期は未定ですが、これでようやく自宅の音楽DBとタブレット端末とがシームレスに動作します。ハッキリ言って遅すぎました。

Appleのコーデック
 現状のiOSのAAC、ALAC、WAV、ビット深度48Kbps/16bit*では、時代遅れ感は否めません。特に、デファクト・スタンダードであるFLACのサポート無しには、ヘッドホン・ステレオのユーザー確保には限界があります。その事を、Appleは悟ったのでしょう。

リッピングソフトの変化
 iTunesのFLACサポートにより、リッピングソフトの優劣の図式が入れ替わる可能性があります。現在、dBPoweramp、Media Go(SONY)、iTunes(Apple)を目的に合わせて使い分けています。通常、潤沢にアルバムアート、CDタグが取得できる場合は、dBPowerampを用い、Gracenoteだけから取得可能なCDタグの場合、Media Godeを用いてリッピングしています。又、iOSで用いる場合は、iTunesでリッピングしていますが、とても面倒です。これが、AppleのFLACサポートにより、iTunesを使わずに済む事になります。やれやれ!

dBPoweramp
 ステディーなリッピング機能に加えて、FLACのUncompressedの属性でリッピングが可能な唯一の有償ソフト。FLACのコーデックのパラメータとして、Uncompressedの機能があり、その機能にブリッジしている。CDのタグ取得は、Gracenote(業務用CDDB)にアクセスできず、取得精度は今ひとつ
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dBpoweramp.jpg

Media Go
 SONYの無償のメディア対応ソフトで、GUIの出来が素晴らしく、CDのタグ取得もGracenoteから取得しており、取得精度は良い。但しFLAC出力はレベル5に固定で、Uncommpressedに非対応で、物足りない、しかし標準的な使い方であれば、全く問題なくバランスが良い。一番気になる点は、CDのリッピング精度が、天下のSONY製でどの程度確保されているか?・・・リッピングに失敗する様な汚いCDは相手にしないとか?
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Mediago.jpg

iTunes
 独特のGUIで慣れが必要、現状ではALAC、AAC、WAVのサポートのみ、CDのタグ取得は、Media Goと同様にGracenoteから取得しており精度は高い。iPhone、ipad、ipodとの連動で嫌々のところ、強引に使わされている感は否めない。FLACのサポートが無い現状では使いたく無い、一人よがりのソフト。
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最近のリッピングソフトの評価

 CDタグの取得
 Media Go:〇 dBPoweramp:△ iTunes:〇
 
 タグ編集
 Media Go:△ dBPoweramp:〇 iTunes:△

 リッピング精度
 Media Go:△ dBPoweramp:〇 iTunes:×

 サポートファイル形式
 Media Go:△ dBPoweramp:〇 iTunes:×

 早い話が、dBPowerampでGracenoteがサポートされば、完璧と言う事です。有償の値段が倍になってもサポートして欲しいと思います。

結論
 現時点では、有償のdBPoweramp、無償のMedia Goを使いこなせば、特段問題無と言えます。

200個のコンデンサアレイ

 連休に、手作りアンプの会の合宿が行われて、コンデンサー400個とコンデンサアレイの基板をいただきました。今すぐ何に使うという予定が無いのですが、何時でも使えるように組み立ててみました。コンデンサーは、16V470Uの小型の物ですが,200個を並列い繋げると、94,000Uのコンデンサアレイとなり、小型のアンプに最適です。製作は至って簡単で、頭は使わずに気力と体力の勝負です。
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手作りアンプ200回記念
 毎月一回、第三土曜に秋葉原で行われている手作りアンプの会(三土会)が来年四月で200回を迎えようとしています。そこで、200回に纏わる作品を作り、発表する予定です。そこで、このコンデンサアレイを使い、200にちなんだ作品を考えています。

200回記念作品(案)

1.200円のデジタルアンプを200個のコンデンサアレイで鳴らす。
2.200個のLEDを使ったペンダントライト
3.200個ピエゾ素子を使った平面スピーカー
4.等々

ピコスコープ オーディオに貢献する

オシロスコープPicoScope
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 手軽なオシロスコープとして、PicoScopeが有名です。廉価で小型なこともあり結構活用しています。PicoScopeのローエンド機種として、Picoscope2204Aで上代 22,000円で、帯域幅が10Mhzしかありませんが、オーデイオ機器の製作には、特に不自由無く活用出来ます。このオシロスコープは単機能ではなく、ファンクション・ジェネレーター機能:DC~100kHz(正弦波、矩形波、三角波、DC、ランプ波形、sinc関数、ガウス関数、正弦半波)の出力が得られ、オシロの時間軸と同期してスイープが可能です。又、簡単なスペクトラム・アナライザー機能があります。
□ picoscorpの詳細はここ
□ 秋月のPicoscopeはここ

FRAで周波数特性測定
そして極め付きは、開発ツールSDK(Software Development Kit)も用意されていて、Analog Discoveryと同様にオーデイオ機器、部品等の周波数特性がワンタッチで測定できます。

SDKの概要
 SDKはPicoScope社から提供されて、A-Dコンバータと発振器、表示機能を制御できるAPIを利用してプログラムを作ります。理系学生の玩具のAnalog Discoveryより遥かに精度が高く、低ノイズ、低歪の知能を持った測定器の開発が可能です。
 当然のことながら自分でオリジナルのプログラムを作ることが可能で、Frequency Response Analysis等、既に開発済みで、その恩恵を直ぐに受けることが出来ます。FRAはボーデ線図を書くだけではなく、フィードバック・ループの解析などにも使えるツールで、グラフの印刷、測定データのCSV出力が可能です。そして、測定に要する時間は、サンプル数にも寄りますが、3分から5分で作図まで終わります。機器のフィティングを含めると10分あれば充分です。

SDKを応用した、アプリケーション各種
3rd party applications for PicoScope oscilloscopesは、ここ

FRA4PicoScopeのWebページ
https://bitbucket.org/hexamer/fra4picoscope/wiki/Home
ツールのダウンロドは、ここ

実際の測定
 サンプルコーディングのFRA4PicoScope 0.6.で、RSコンポーネンツから購入した、トロイダルトランスのFrequency Response Analysisをおこなってみました。以下が、そのグラフで、電源トランスでありながら、出力トランスに利用可能です、NFBを適度に掛けて押さえ込めば、結構良い特性のアンプの製作が可能と思われます。
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DCX-2496の特性
 ベリンガー / DCX2496 ULTRA-DRIVE PROの周波数特性と位相特性を測定してみました。 DCX2496は、アナログ・デバイセズのSHARC®プロセッサを使ったデジタル・チャンネルデバイダーとして有名です。同様にアキュフェースのDF-55,DEQX等、IIRのフィルターを用いてDSPを行っています。その特性は非常に興味があるところです。以下が、デフォルト設定で、ティピカルな設定の3Way中域の特性曲線です。
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 IIRフィルターで位相が4回転しています。高域の場合、これの倍ほど回転しており、スピーカーの極性とアライメントの関係が混沌としています。これがIIRフィルターのデジタル・チャンネルデバイダーの難しさと、音の不明瞭な原因です。IIRフィルターは非線形の位相応答なので、線形位相応答を必要とするオーディオ用のチャネルデバイダーは、理想的にはFIRフィルタを適応すべきですね。

他の用途
PicoScope社提供のSDKを用いて、歪率、ダンピングファクター(on/off法)、FFTの測定ができたら、これ見よがしなオーディオ・アナライザーは不要です。

第二回 KICAD講習会に参加

 本日、手作りアンプ会主催の第二回 KICAD講習会に参加に参加してきました。前回からの引き続きで、自動配線から、細かい調整、そして基板製造会社に作製を依頼するガーバーフォーマット(Gerber Format)の作成と、データ作製の講習とハンズオンを行っていただきました。ガーバーフォーマットとは、ジョセフ·ガーバーによって設立されたGerber Systemsにより開発された、プリント基板作製データのデファクト・スタンダードで、印刷業界に置ける、Acrobat(PDF)とか、イラストレータのEPSデータと同じような位置のデータ・フォーマットです。

講習の様子
 KiCADをインストールしたパソコンで前に座学で行わました。
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 複雑な基板を基に詳しい説明
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作製したプリント基板
 回路図を基に、自動配線を行いました。
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基板の3D表示
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講習を受けて
 今回の講習会は、肥後@中野さんにより実現しましたが、2日間延べ16時間に渡り丁寧に教えていただきました。プリント基板の作製なんてとても無理だと思っていましたが、実際、順序立てて丁寧に教えていただくと、それ程に困難では無く、何とか習得の糸口を見つける事が出来たようです。
 肥後@中野さんありがとうございました。

オムニマイクのマイナー・バージョンアップ バグフィックス 

 omniMICが、昨年の11月末にバージョン5.02から5.03に改版されています。メジャーバージョンアップではなく、バグ潰しのマイナーバージョンアップです。 若し、バージョン5を使われていたら、バグフィックスですので更新が必須です。バージョン4で満足されている場合は、多少操作方が変わるので、更新しない方が良いと思います。
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 バージョン5.02の時は、歪率の測定を行うと、キャタストロフィックなエラーとなり、使い物になりませんでした。その為、ずっとバージョン4で回避してきたのですが、「Polar Displays」、「IEC 263 Frequency Response」が使えなくなり、遊べなくなっていました。その機能が、晴れて名実ともにリリースされた訳です。

Polar Displays
 周波数毎に広がりを立体的に見る3Dグラフです、滑らかな円筒になる事が理想です。
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測定データの修正
 今回のバグフィックスのマイナーリリースに伴い、4種類の測定用のデータの修正が生じており、修正ソフトのホルダーにMP3の形式で同梱されています。リリースノートが無いので、何が変わったか不明ですが、必要だから提供しているのでしょうから、素直に測定データを入れ替えました。以下が差し替え対象データですが、余り使わないです。
  Track01 Pseudo noise sequence
  Track02 Short Sine Sweep
  Track03 Fullrange Sine Sweep
  Track04 Bass Sweep

omniMICのGUI
 機能的に、優れて廉価で素晴らしいソフトですが、GUIが増設に継ぐ増設で、そろそろ限界に達しています。まあ~使う機能は一部であり、その操作は慣れているので、それ程に気にならないのですが・・・下手にMicrosoft .NET Frameworkの様なモジュールを使われ不安定なソフトに再構築されるより、現状維持の方が遥かにましです。

サポート体制
 折角優れたソフトなのに、利用している機能はごく一部です。このソフトを輸入してる、横浜ベイサイドでのサポートは技術面、人為的に期待できないので、それに見合ったソールエージョントが出現する事を期待したいと思います。又、ARTAに関しても現状のエージェントでは絶望的です。世の中には素晴らしいソフトが有りながら、正しいサポートが行われない為に、この手のソフトの敷居を悪戯に高くしています。