大正時代のレコード

SPレコードを納戸から出して、手回し式のプレーヤーで再生してみました。
 このレコードは、祖父與八郎が米国の建国150年記念の博覧会に訪れた時のお土産で20枚程あります。製造は1920年頃ですから、大正末期に制作さた物です。ラベルには、Victor Talking Machine CO.Camden N.J.と印刷され、電気による増幅の録音を示すVE( Victor electrical recording)のマークが無い古いものです。
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スキャナーの読み取りピクセルが不適切なためにモアレが生じています。

 米国の建国150年記念の博覧会は、戦前の1926年6月にフィラデルフィアで催されて、博覧会には日本館として、祖父の経営する工務店が、極めて短期間に五重塔を建設したと記録があります。併設された日本館(パビリオン)には、ミキモト真珠島の御木本幸吉さんが、イルミネーションとして使われる電球の代わりに真珠をつけた小型の五重塔を出品して、後、戦前の外貨獲得に大変貢献したとの事です。

 当時の情報は、以下に
ミキモト真珠島 館長のページ 44.「自由の鐘」は70歳

 その時のお土産として持ち帰った物がこのレコードで、録音されている曲は、当時極めて珍しいフォックストロット(Fox Trot)で、本邦初めての再生で、早稲田大学の大隅講堂で学生の前で再生したとの事です。レコードの中には、ハロルド・クレイトン・ロイド・シニア(Harold Clayton Lloyd, Sr., 1893年4月20日 - 1971年3月8日)の肉声の物もあります。

米国の建国150年記念の博覧会の入場券
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 写真の左にあるピンバッチが、入場券を兼ねたノベルティーです。 
 下にぶら下がっている鐘は、アメリカの象徴「自由の鐘」 (フィラデルフィアの割れ鐘)で、バッジには52nd Imperial - COUNCIL SESSION PHILADELPHIA.PA. - JUNE 1926と記されています。
 右下の記念章(勲章)は、五重塔建設を労われて国から頂いた物の様です。

肝心な音
 現在のオーディオと比較する事自体全くの無意味です。
 盛大なスクラッチのノイズに消されて聴けないと覚悟していましたが、あに図らんや、とても聴き易く美しい音です。
 当時としては、最高の録音・再生技術であったと思われます。当然の事ながら一発取りで、演奏者のパッションが感じられる素晴らしい演奏です。当時のレコードの録音は,Western Electric社の電気式によるカティングではなく、テパー状の筒の中に音を送り込むアコースティック録音方法でカティングしていましたので、録音の音圧が極めて低く、スクラッチノイズの影に隠れて、良く聞こえません。当時、米国と日本では、技術面では大分差が有りましたが、どちらも、それなりに素晴らしい演奏とえいます。大切な事は、音の良し悪しより、録音と演奏の良し悪しですね。
 

Beogram4002

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© 2015 grigri
 はっきり申し上げます、デザイン史上最高、音は最低です。
 このプレーヤーは、LPを聴くものではなく、部屋のオブジェとして下さい。

 Beogram4000は、デザインのみの素晴らしさで、1972年ニューヨーク近代美術館に永久保存品されました。
 その事実をニューヨークに出張した時、作為的にオフザビートン( off the beaten )を作り確認に訪れました。
 確か真空管を使ったオブジェの反対側にあり、誇りだらけだった記憶があります。
 未だBung & Olufsen Japanが無く、その後継機としてBeogram4002が個人輸入を頼りに日本に輸入されていた頃です。
 1976年の上代は25万円ですから、当時の冬のボーナスを総てを使って購入した記憶があります。当時の価格は、テクニクスSP-10の三倍程でした。
 カートリッジは、MMC20CLという専用の物が付属していました。別売オプションとしてサファイア・カンチレバーのMMC6000が4万円程で別売され、アップグレードは、そのカートリッジの交換しかありませんでした。

 ところで、肝心な音は、はっきり言って最低の音質で、特に、SX-68でカッティングしたCBSのレコード、DGGのレコードのトラッカビリティーが悪く、SX-74については、アームが共振してお手上げ状態でした。そして、その頃、製造中止になりました。
 レコードのサイズを検知するために、ターンテーブルに24本の黒いプラスチックの下駄があり、その上にレコードを載せると、レコードが浮き上がり「ビリビリ」と共振します。
 又、サファイア・カンチレバーのMMC6000の高音が全く出ないのです。
 上記に加えて、酷い話として、当時の東芝EMIの赤く透けたレコードを乗せると、レコードが無いと判断して、針が下りません。
 ビートルズのLPとかEMIのカラヤンのレコードが再生できないのです。
 
 デザイン最優先のオーディオ機器で、機能としては三流以下です。当時日本でもテクニクスがフルオートプレーやを初めていましたが、総て光学式のセンサーで、Beogramの様なアホな事は無かったです。
 このプレーヤーに合ったBeomaster4000というレシーバーがありましたが、これも更に酷くて、日本のFM放送の周波数帯にチューニング・スケールが合ってなく、周波数を直読み出来ずに勘頼りでした。恐らく輸入業者が製造元に交渉しないで、安直にOSC(局部発振)の周波数を適当に弄って販売したと思われます。まあ、NHKFMと、FM東京、FM横浜の三局しか無かった頃ですから・・・

 修理に至っては、麻布飯倉片町のドラキュラ(後のクレージーホース)前の輸入代理店に、宅急便等が無いので、自家用車で持ち込む方法しか無く、部品をデンマークから取り寄せるため、最低で半月掛かり、費用もかなり高額だった記憶があります。

 デザイン上の問題点
 折角、ここまで作ったのだから、以下の件を商品企画に取り入れて、ポスト・ベオグラム4002を作って欲しかったです。

 1.横幅が大きすぎる。
   (レコードジャケットサイズで実現できる筈)
 2.アームは二本あるが、一本で実現可能。
   (読み取りセンサーをカートリッジ側に設ければ良い)
 3.レコードサイズ検知の下駄は、アルミの研磨のパターンで実現可能。
 4.操作パネルのマッドの塗装が直ぐに剥げる、ヘアーライン仕上げに改める。
 5.カバーをバネで支えず、オイルダンプが妥当。
 6.レコードが終了した時、プランジャーの音が「ガチャ」と大きすぎる。
   オイルダンプにすべき。
 7.センサーで、回転数を知り、右中段のディスプレーに回転数を表示する。
 8.曲の間をセンスして、ワンタッチで、次の曲にフォワードして欲しい。
 9.レコード針の再生累計時間を表示して欲しい。 

 ところで、このプレーヤーは、5年程前に豊島区の粗大塵として500円で引き取ってもらいました。
 既にLINNをメインに聴いていたので、当時、この機器の廃棄については、全く惜しいと思いませんでしたが、今は少々後悔しています。その理由は、カートリッジをユニバーサルの物がつけられる改造を行うサービスが、米国アトランタ郊外に出現しているからです。

Beogram 4002 modified to take a p-mount cartridge

 素直に、Garrard (ガラード) Model301とかThorens TD124を購入しておけば良かったと思いますが、その時代の評価と現在は全く異なっていまして、エンパイア 598 New Troubadourとベオグラムのどちらを購入するか、悩んだのが懐かしいです。
 ちょうどSP-10が発売された頃です。

LINN LP-12のメンテナンス

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 LINNのLP-12を購入したとき、バルハラ(Valhalla)という50HzのAC電源を水晶発振子から分周による作り出す基板が搭載されていました。
 この基板の出来が悪く、一個所設計ミスが有り、電解コンデンサーの±が設計の間違えとおりに、逆に(正しく)付けられていて、時限爆弾(LINN Timer)を積んでいました。そのせいか、時間とともにモータのトルクが落ちて、最後は手でフリクションをつけないと、回転しないほどになりました。そこで、MAJIKの構造と同様の東京電力発電機と同期する方式に改めました。
 仕組みは、単純で、電源を85Vに落とすことと、コンデンサーで進相(位相角を変える)するだけです。
 もう少し丁寧に調整するとしたら、進相のコンデンサーと直列にある抵抗値を調整して、回転のバランスを取ることが可能ですが、安定していたので、止めました。
 このMAJIK方式で、蘇る事ができました。
 昔のヒステリシス・シンクロナスモータ・リムライブのLPプレーヤーってこんな物で、ナツメ球(豆球)を隈取コイルに直列に入れて振動を抑えたものです。

 しかし、しばらく聴いているうちに、やけにワウフラが目立つので、以下のハーキュリーズⅡ(AC100V 50-60hz(33/45回転対応モデル)に換装しました。
 換装した結果は、正直言って状況は全く変わりませんでした。後で解った事ですが、そのレコードを他のプレーヤーで掛けてもワウフラが聞こえることから、レコード作成側のワウフラで有ることが後に解りました。
 そのレコードは、1974年、スイング・ジャーナルジャズディスク大賞・最優秀国内録音賞を受賞したtbmのMISTY(山本剛PF)です。初版のtbm30は、特にワウフラが酷く、後の再版のLPはワウフラが、かなり低減されましたが、初版に比べて音質はかなり劣化しています。そのような訳で個人的には、LPの音は好みでは無い(特に内周三分の一)ので、どうでも良いと言えば良いのですが・・・
 バルハラとともに、ハーキュリーズⅡの作り出す正弦波もどきは、かなり酷く歪んでいいて、たいした物ではありません。
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 基板上に青い半固定ポテンショメータが二個あります、33.3rpm、45rpm各々モータに85V以下が掛かり、最も振動の少ないところに追い込みます。

スピンドルオイル、ベルト、モータの交換
 スピンドルオイル交換しました。
 純正のスピンドルオイルは、二種類あり、製造の時期により異なる様です。
 通常のサラサラのオイルと、モリブデンが含まれるオイルがあります。
 最近の機種は、黒いモリブデンが入ったものですが、これはスピンドルの工作精度が低い場合、その隙間を埋める為のもので、自動車のピストンリングが摩耗した場合、エンジンオイルに混ぜて簡単に復元するときと同様の方法です。
 工作精度が高い場合、粘度が低く何も混入しないサラサラのオイルを使います。
 モーターをRSコンポーネンツで販売しているのを見つけたので、次のメンテナンスでは、交換してみます。

英国RSコンポーネンツ
モータの仕様

プレーヤーの針先照明

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 最近、目が悪くなり、レコードに針を乗せるとき、よく外しますので、針を落とす所だけを、照らす照明を作りました。
 IKEAでJANSJÖというLEDランプと、百均でコンセント型のUSB電源を購入して組み合わせました。
 シェードは、みの虫クリップのビニール部分です。
 コンセント型のUSB電源は、普通のトランス式に交換する予定です。
 
 LEDランプ:399円、USB電源:100円、みの虫クリップ:50円 600円で作れると思います。
 
 IKEA JANSJÖ
http://www.ikea.com/jp/ja/catalog/products/50291233/

ゼロスタット

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 これ懐かしくないですか?
 レコードの静電気を中和するそうです。
 トリガーを引くと、オゾンの臭いします。
 高電圧で風が起きますが、効果があるのでしょうか?
 それより、片手でレコードを持ち、このピストルのトリガーを引くのは至難の技です。
 レコードを床に落として、埃だらけにしてからは、使っていません。