アナログポートのノイズ対策

 今日は、アナログポートのノイズ対策についての考察です。
 オーディオ機器で特に入力端子が、ノイズのアンテナとなり低周波(ハム)、高周波(EMI等)が混入して、音質に悪影響を及ばすのは周知の事実です。当然の事ながら、使用しない入力端子は、ショートピンによりグラウンドにおとす対策を行うのは、オーディオの鉄則です。

RCAコネクタ
 コンシュマーユーズのプリアンプなどの殆どが、ノイズに弱い不平衡のRCAのコネクタで、高インピーダンスです。そこからの外来ノイズをシャットアウトするために、以下の様なショートピンを使います。上代50円程度で入手可能です。非磁性体ですが、材質が何だか良く解りません。金色のメッキですが、金では無いと思います。
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TRS/キャノンコネクタ
 業務用の平衡伝送のコネクタとして、TRSとキャノンコネクタがあります。平衡伝送なので、外来のハム等ノイズには、強いと思いますが、使用予定の無い入力チャンネルを、不平衡同様に:ポジティブとリターンをシールドに落とした方が良い事は当然の事です。以下の様に使用予定の無いフォーンプラグのポジティブをシールドに落としたプラグを入力のチャンネル数分作製しました。
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 ポジティブ(ホット)  リターン(コールド) シールド(グラウンド)
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入力を短絡させた結果
 RME FirefaceUCXの電源を投入して、totalMIXのアナログ入力のゲインを注意深く観察しますと、以下の赤く囲まれたレベルメータの最下部に信号がある旨の緑色のバーが、微かに動いて信号の存在を表しています。そこで、TRSのショートプラグをオープンのジャックに差込と、ノイズの混入を表していた緑色のバーが、現れなくなります。
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肝心な音
 気休めかも知れません、音の変化は解りません。しかし間違いなくノイズを検知していたレベル・メーターが、停止したので、有効だと思います。この様な小さな改善の積み重ねで、静寂性が確保されるのだと思います。

久し振りに心に余裕をもって音楽を聴きました

製作に追われず久し振り心に余裕を持って音楽を楽しむ事ができました。
 ipadのアルバムアートから選曲を行い、音量調整はリモコンで行うという、マルチアンプシステムにおける理想の機器構成で聴く事が出来る様になりました。
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 リモコン投入の前はリモートディスクトップ経由でRME fireface(TotalMIX)の倍精度浮動小数点のデジタルボリュームで行っていましたが、操作は一寸不便でした。又、ipadのアプリで音量を絞ると、精細な音が消滅して、録音レベルの低いクラシックは聴くに耐えがたい痩せた音となります。比較的に新しい録音のジャスとか、ヒュージョンに音量をオプティマイズすると、それ以外のクラシック、ジャスを聴く気が失せてしまいます。
 しかし、これからは、総てのデジタルボリュームを無効化して、リモコンでDACのアナログ出力とパワーアンプ間のアッテネータで音量を調整します。得られた結果は、音量を絞っても精細な音が聴こえて、とても気持ちよいです。
 ようやく出来の良いアナログ・システムに一歩近づく事が出来ました。
 当然の事ながら、DACの出力はフルパワー(0dBFS)でデジタルボリュームによるビット落ちは皆無です。DACからの高音出力を0dBFS以上にブーストしてSNRを稼ぐ方法もありますが、アンプ、伝送路の総てが差動で動作しているので、十分なSNRが確保されており、サチュレーションのリスクを敢えて負う事は無いと思ってます。本来は、安全性から総てのチャンネルを-3dBFSに設定すべきです。先ずは、正統派の進化を遂げたと思っています。
 音量を適当な場所から調整できる事はとても快適です。

メインシステムのゲイン調整を行いました。

 オーディオ・インターフェース(RME fireface)とアンプのゲインの関係を整理すると、デジタルチャンデバとして高音質な出力レベルを如何に確保するかが問題です。アナログVUメータの0dBを基準とした最大レベルを 0dBFS(Full Scale)として判断して、デジタルデータの0dBを再生して、出力のレベルが+2dBV(約+4.2dBu)で出力されるように各チャンネルのレベルを調整します。そして、この出力レベルでチャンネル毎のドライバーの音圧を最適化する様に、アナログ出力チャンネルのアッテネータをオプティマイズする必要が有ります。

アッテネータの準備
 アンバランスの場合は、ポテンショメータ(potentiometer)をオーディオ・インターフェースとパワーアンプとの間に入れれば簡単に調整可能です。又、パワーアンプによっては、ポテンショメータが備わっているのも有り、その調整だけで済みます。完全差動アンプ(Fully-Differential Amplifiers)の場合は、かなり厄介で、チャンネル数だけ独立したバランス型のアッテネータを用意する必要があります。

 -16dBFSで大まかなレベルを合わせて、その基準からの+/-6dB程度の調整は、firefaceのデジタル・ボリュームに任せます。
 -16dBFSの基準合わせは固定のバランス型のアッテネータで実現して、インアウトのインピーダンスの整合を行います。

アッテネータの作製
 以下の様にユニバーサル基板を切断します。又、バランス型のアッテネータは、O型として、チャンネル毎に4本の固定抵抗で構成します。作製したアッテネータは、XLRプラグの中に仕込み、アンプの入力の直前で減衰する様に接続します。オーディオインターフェースの出力側で減衰すると、SNRが悪化します。アッテネータに用いる抵抗は金属皮膜で1/8Wで十分な耐圧ワット数で小型に作れます。事前に抵抗値を測定しましたが、廉価な抵抗でも1%の誤差範囲に収まってます。
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デジタル機器の基準レベル
 -16dBFS=0VUが一般的でありオシレーター、又は、1,000Hzの正弦波デジタルデータを基準信号として再生して、ピークレベルメーターが-16dBを示すように整えます。その時、firefaceの出力セティング基準を+4dBとして、アンプの音量を調整します。
 1,000Hz単音では、マルチチャンネルのレベルを同時に確認することが出来ないので、1,000Hz単音に200Hz、8,000Hzの変調を掛けて音源を作ります。

録音の国際基準
 デジタル機器の基準レベルは世界各国によって規定があります。基本的には0dBFSより20dB低いレベルポイントが基準(SMTPE、NAB)になっていますがこの基準レベルはダイナミックレンジの広いクラシックなどの録音を想定した値です。実際には音楽のジャンルや聴く環境を想定して、-18dBFS -12dBFS -6dBFSなどの基準レベルで録音されます。
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レベル合わせ
 1,000Hz単音に200Hz、8,000Hzの変調を掛けた音源をfirefaceで再生してTotalMIXでレベルを確認した結果、以下の様に-5dBuで各チャンネルで調整ができました。-5dBuの音はかなり大きな音ですが、限りなくこの値で快適な音量で聴ける様にアッテネートするすると、入り口から出口まで、デジタルデータのロスを最小限に調整する事が可能です。
①:ソフトウェアーチャンネル
②:アナログ出力チャンネル
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以下の様にゲインを調整すると、アナログ出力のフェーダーの減衰値を0dBとすると、最適な音量で音楽を楽しむ事が出来ます。
ウーファー: -21dBu
スコーカー: -24dBu
トゥーイータ : -26dBu

マルチチャンネルボリュームの代替策
 マルチチャンネルのボリュームは、悩みの種です、今回、SPL Volume8で玉砕状態となりましたので、従前の方法に戻す事にしました。RMEの製品の場合、内部処理をフローティング・ポイント46ビット(倍精度浮動小数点数)でDSP処理を行っているため、フェーダーを絞ることにより、ビット深度が浅くなることによる音質の悪化は、最小限にコントロールされています。そこで、各チャンネルのフェーダーを連動して、一括して音量の調整が可能となります。又、出力は、バランスのままで高いSNRのままメインアンプに出力する事が可能です。
A:ソフトウェアーからの出力
B:グルーピングされて、どのフェーダーを動かしても総てのグルーピングされた出力チャンネルが連動します。
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今後の予定
 やはり、操作性を考えると、マルチチャンネルのボリュームがベストだと思います。何とか実現したいと思います。


 

べリンガー ケーブルテスターCT100

6-in-1のケーブルテスター
 べリンガー製で2,980円(三年前は1,700円だった)で廉価です。RCAケーブルとかACセパラ、インレットケーブルの結線を間違える事は少ないと思いますが、バランスのキャノンとTRSケーブルを6本程作製すると、1番のシールドは間違えないにしても、ホットとコールドは、一寸自信無いです。一本々テスターであたれば良いのですが、シールドがグラウンド(金属のフレーム)に接触しているか等のチェックをあわせて行うと、結構手間がかかります。そこで、このケーブルチェッカーの登場となるのですが、とても便利です。
 ケーブルチェックの機能の他に、テスト信号(440Hz、1kHz)のシグナル・ジェネレータとファンタム電源のチェック機能があります。
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TRSとXLRの結線をチェック
対角線上にLEDが点灯すれば正当な結線と判断できます。ショートしていると、他のLEDが点灯します。金属フレームとの接触もわかります。
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 なければ無いで済みますが、ケーブルのチェック時間を大幅に短縮する事が出来て良いと思います。
 単に導通のみでLEDを点灯していません、アッテネータを入れると違った点灯をします、マイコンチップが搭載されている様で、結構複雑な動作をします。

添付のマニュアル
 添付のマニュアルは、英文と中華です。日本語の怪しいマニュアルがサウンドハウスのホームページに貼り付けてありますが、この訳が酷くて、読むと解らなくなります。かなり程度の低い文系の方が、この機器の動作を理解しないで訳した物だと思います。

新マニュアル
 以下の様にべリンガーケーブルテスターの操作方法を纏めました。

1.ケーブルテストモード1
被テストケーブルの片方のプラグを任意の「Out」ジャックに挿し込みます、そして、もう片方のプラグを任意の「In」ジャックに挿しこみます。
(端子の両端が違う形状のケーブルでもチェックが可能です)
差し込んだ結果、In、Outそれに対応して、挿し込まれてた端子を指し示すLEDが点灯します。もし、対応するLEDが点灯しない場合は、ケーブルの導通がとれていません。断線している事を表します。
この時「Grounded Sheld」LEDが点灯した場合は、キャノン外側フレームと1番ピン(シールド)が接続されている事を表します。
「Grounded Sheld」LEDが点灯したケーブルを使うと、1番ピンがフレームグラウンドに落ちる事を表します。これはノイズ対策上大切な要件です。

2.ケーブルテストモード2
間欠的な断線、接触不良で不安定なケーブルの状態を調べる方法
「Cable Tester」にスイッチをスライドするとき、Resetボタンを押します。
結果、ケーブルの接続状態の表示が保存されると同時に、「Intermittent」のLED表示が消灯します。そこで、被テストケーブルを色んな方向に動かしてストレスを与えLEDの表示を見るます。断線、接触不良、短絡等により導通の変化が生じた場合、それが切っ掛けで、その部分に該当するLEDが点灯して、不安定な状態の個所(線)を知らせます。
リセットが押されるまで、接続の不安定個所を累積(一回でも生じたら)
LEDの点灯で知る事が出来ます。

3.ケーブルテストモード3
壁の中に配線されたパッチケーブルをテストする場合に有効なモードです。
このモードは、被テストケーブルをケーブルテスターに片方しか挿せない場合に使う方法です。

・Resetボタンを押しながら「Cable Tester」にスライドさせます。
・OnのLEDが点滅してInstalled Cabele Tester Modeになっている状態を確認します。
・対応するOut端子に被テストケーブルを接続ます。
・LEDがCable Tester Modeと同じ動作をするので、ケーブルの断線、結線の間違の試験が出来ます。LED点灯しない場合、断線している事が想定で出来ます。

4.テストトーンモード
テスト信号をケーブルテスターのOut側に出力して、それを活用することにより、導通を知ことが可能です。
 
・「Test Tone」にスライドスイッチをセットします。
・信号の強さは、+4dBu、-10dBu、-50dBuの3レベルで、「Test Tone Level」のスライドスイッチで選択します。-50dBuはマイクロホンケーブルの試験に最適です。
・信号の周波数は、Resetボタンを押す事により、1kHz、440Hzの何れかの選択が可能で、その状態をLEDの点灯で表示します。
・テスト信号は、正弦波ではなく、歪んだ矩形波もどきです。

5.ランプテスト
ケーブルテストを行うに前に全LEDの点灯試験を行う事をお勧めします。
Resetボタンを押しながら、「Test Tone」モードにスライドスイッチをセットすると、全LEDが順番に点灯/消灯してLEDランプが正常か否かの確認を行う事が出来ます。

オーディオ装置の脱PC化 その2

 オーディオ装置の脱PC化を目指して、マルチチャンネルボリュームを投入しましたが、残念ながら一歩前進/二歩後退です。SPL Volume8の為を思い多くを語らない方が良い様な気がします。しかしギャングエラーの件についてはソールエージェントのエレクトリに問い合わせたところ、先方も承知している件なので、まあ良いかなと思います。
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チャンネル間のギャングエラー
 8チャンネルの1番目と最後の8番目のチャンネルで低レベルでかなりのギャングエラーが生じます。実はクロストークの良化を狙って、左右のトゥイータを一番遠くの1と8チャンネルに割り振りしたところ、ボリュームのレベルを0%にしても、右チャンネル(8番目)から音が漏れます。レベルを上げて50%程度にすると解らなくなります。これは固体の問題かと思い、エレクトリに問い合わせたところ、仕様の範疇とのことです。これには一寸興ざめです。ところで、%表示のスケールとはどの様な意味なのでしょう。音圧の場合は、一次関数では無いと思うのですが、・・・・

バックラッシュ
 ギャングエラーとあわせて、バックラッシュが生じます。ボリュームノブを50%から下げていっても、最後の8チャンネル目のレベルが下がるのが一寸遅れます。これは各チャンネル毎にボリュームのシャフトの固定に遊びが有るようです。これも困った現象です。

7.1チャンネル・ボリューム
 このボリュームは、能率の高いホーン等を用いたマルチウェー・システムでは、調整に難儀すると思われます。想像するには、7.1チャンネル・サラウンドの製作過程で、スタジオでのパワードモニター・スピーカーで検聴するために開発された様な気がします。極論ですが、フロントのL/Rチャンネルが定位すれば、他のチャネルは味付け程度ですので、レベルの誤差は容認できる訳です。

肝心な音
 やはり音に色づけがされます。何とオペアンプは、古典的で非オーディオ用のSTマイクロのTL072CP(Pch J-FET単価20円)が使われていて、音としては、ストレートで開放感が有るのですが、聴感上のSNRが悪くノイジーで荒っぽさを感じます。極めて短絡的に例えるとPAの音で歪っぽくオーディオの音ではないと思います。残念ながら、投入したボリュームを外してfirefaceの電子ボリュームに戻す事にしました。
基板上に設計者の「ヴォルフガング・ノイマン」の名称がシルク印刷されてます。
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設計者のノイマンさん
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ところで中身の作りは
 何と開腹して最初に目に入ったのが、小型ブルーのアルプス電気製8連のカーボン・ポテンショメータです。これはRK18型でOEMで初期の廉価なAVアンプに良く使われていたもので、サーボモータと連結してノブがモータで回転するひと昔前の定番製品です。
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 オーディオ製品の肝の電解コンデンサーはJAMICONとB3Cという名称の聴いたことも見たことも無いコンデンサーで、電源は2,200μF程度の小容量、低容量のコンデンサーは、最近見ない円盤型のセラミックコンデンサーです。又、ミュート・リレーは日本製ではなく中国製ですので、使用している受動部品は殆どローエンドです。上代 81,000円ですが、コスト(部品代)は、1割に満たないと思います。

回路構成
 入出力ともバランスとうたってますが、バランス入力をアンバランスに変換するバッファー(アンプ)の後にカーボン・ポテンショメータで音量レベル調整を行い、その後アンバランスからバランス出力に変換する低インピーダンス・バッファーを配置して、なんちゃってバランスを実現しています。これ以上コストダウンできないほど合理化されている仕組みである事が、素人の私でも想像できます。 

実装
 何故、D-SUB25とスネーク・ケーブル(ブレークアウトケーブル)なのか疑問に思ってました。開腹してアルプスのポットの次に気になったのは、中身にかなり余裕が有る(スカスカ状態)ことです。
 デファクトスタンダードであるノイトリック製XLR(キャノン)レセプタクルの横幅が25mmですから8個横に並べて入出力2段であれば、200mm(25mm×8)であり、外形寸法(W×H×D):215 x 80 x 220 mmに充分収まる事になります。ましてTRSプラグでしたら全く問題ないと思われます。これを無理してD-SUB25に拘るのはひとえにコスト削減の目的のためのD-SUB25でしかありえません。ちなみにD-SUB25コネクターは、秋葉原で25円で、キャノン、TRS16個分の100分の1程度の価格です。
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結論と今後の問題
 SPL Volume8は、納戸送りより早いところ里子に出した方が幸せになれそうです。しかし購入したスネーク・ケーブルが無駄になりました。・・・今となれば、一番廉価なHOSA製(大陸製)を購入していて良かったです。
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 短気は損気と良く言ったもので、マルチチャンネルのボリューム探しの旅に出た方が良さそうです。